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2.メイド(奴隷)デビュー




「瑠李様、到着いたしました。恐れ入りますが、こちらからは徒歩でお願いいたします。」



車に乗せられて30分ほど

高級住宅街の一角にあるお屋敷の門が自動で開かれる。


中庭があって門から玄関までは数百メートルあるようだ。


玄関の扉も観音開きの大きな扉で、指紋と暗証番号式のオートロックで出来ていた。


(⋯)


こんなお屋敷に足を踏み入れることなんて想像もしていなかったので

お屋敷の内装や装飾品をきょろきょろと見回してしまう。



屋敷内にエレベーターがあり、

なるほど、富豪ともなると家の中にエレベーターを設置するものなのかと感心しながら、3階の奥にある部屋へと通された。



「葉室様、只今戻りました。」



樟葉さんが戻りの声を掛けた。



「うん、お疲れ様。」



カタカタとパソコンを動かしていた手を止め、こちらの方を向く



「葉山瑠李さん、久しぶりだね。と言っても、まだ小さい頃だったから覚えていないね。」


優しい口調でわたしに声を掛ける。


「あ、はい⋯。すみません。でも父には昔聞いていました。」


「そうか。急に連れてきて悪かったね。ご家族のことも急なことで大変だっただろう。」



(葉室さんは知ってるんだ⋯お父さんのこと)


「あの!家族がどこに行ったか知ってますか?!突然、学校から帰ったら誰も⋯何もなくなってて!」



葉室さんは知ってる。そう思った途端、動揺と疑問が溢れ出してしまう。



「悪いが、詳しくは教えられないんだ。仕事絡みだからね。」


「仕事⋯?」


「賢太郎くんとは数年前から仕事で関わっていてね。簡潔に言うとまぁ、賢太郎くんが事業を失敗してしまって蒸発。借金は君を担保にうちが肩代わりしたって感じかな。」




(は⋯?)



「たんぽ⋯?」



(肩代わりって⋯わたしを担保にって⋯)



動揺を隠せない私を前に、葉室さんは続ける



「私と共同のビジネスでもあったから、1億は私が負担する約束だったんだけど、残りの2,000万は賢太郎くんに返済義務がある。」


(待って待って。意味がわからない)


「まぁ要するに、残りの2,000万はうちで働いて返してくれってことだよ☆」



やけに軽く話す葉室さんに呆気にとられてしまい、言葉が出てこない。

今日はこんなのばっかりだな⋯。



「そんな、急に無茶苦茶な⋯。わたし家もなくなっちゃって、学校だって行きたいのに!」


「大丈夫。住み込みで働いてくれていいし、食事もあるよ。お願いしたいのは息子の世話と屋敷のメンテナンスだし、学校にも今まで通り通っていい。ただし」



今まで微笑んで話していた葉室さんの顔が険しくなる。



「息子に何かあれば、肩代わりした2,000万、即日で返してもらうからね」



冷たく放たれる言葉に背中がピリッとした。




帰る家がなくなった


家族もどこにいるかわからない


肩代わりしてくれたこの家に返すお金も、言葉もない


わたしに拒否権はない。



「わ、わかりました⋯!」



もう少し考える時間があれば


家族と連絡が取れれば


違ったかも知れない。




でも



(真面目に働いて頑張ってれば、もしかしたら、借金関係なく解放してくれるかもしれない)



借金まみれで学校にも行けず、取り立てられる人生より


チャンスがある道を選ぼう



そうしてわたしは葉室家へ仕えることを選択した。




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