ひとりぼっちのお姫様 前編
前回もたくさんの閲覧、いいね、ブクマ等ありがとうございました!
なんか急にどかんと増えてびっくりしたんですけど、一体何があったんですかね…?
予告通り、今回はルース視点のお話です。
後半へ続く!(ち○まるこちゃんのナレーター風に)
部屋を出たあと、俺とフィーは兄貴たちの間抜けな顔を思い出してひっそりと笑いあった。
まさか侯爵令嬢があそこまで言うとは思ってへんかったんやろうな?
いつも飄々とすまし顔をしている兄貴の表情は引きつっとったし、護衛たちはフィーの皮肉に気が付くなり血の気が引いた顔で呆然としとった。
気に食わない連中のそういった表情はなんとも胸がすくもので、どうにも笑いが止まらへん。
ざまあみろ、とすら思ってまうのは、俺がどちらに対しても不満や鬱憤を募らせとったから。特に護衛のヤツらはいつ顔を合わせても俺を蔑み、嘲笑ってくるような連中やったから、あの時はほんまにスカッとしたし。
何より。
(フィーが俺のために怒ってくれたんが、嬉しい)
留学中にお互いの境遇について話していた時も、フィーは気に入らない、とはっきり言葉にしてくれた。
せやから今回のことも、予想通りと言えば予想通りのことではあって。それでも、だからこそ、俺はたまらなく嬉しかった。
俺にとってのフィーがそうであるように、フィーにとっても俺は特別であることを今一度、改めて強く認識する。
侯爵令嬢としての立場を失い、王太子の婚約者という責務すら失った今のフィーに残されているのは、俺の友達であるという事実ただ一点のみ。
それだけでも俺にとっては十分すぎるほどのことやのに、まるでこれでいいのだと言うように、自分のことさえ顧みず俺のために怒ったフィーの姿がずっと、この目に焼き付いて離れない。
友達も親友もフィー以外にいたことはないし、これからも欲しいとは思わへん。
フィーに出会うまでそんなもんはいらんとすら思っとった俺が、今ではすっかり手のひら返しをしていることには呆れる気持ちもある。
とはいえ、それだけフィーが俺にとって特別で最高の友達やってことの裏返しであり、証明でもあると思えば、その呆れさえ悪くない気分になるんやからほんまに不思議やな?
そして、そう思うからこそ、フィーには謝らなあかん気持ちに駆られる。
「……ごめんな」
「? 何が?」
「何がも何も、クソ兄貴の存在すべてに決まっとるやろ」
「相変わらず辛辣だね」
半笑いのフィーはきっと、あいつの態度を思い出して呆れとるんやと思う。
それも仕方あらへんと思うくらい、兄貴のフィーに対する態度はクソやった。
普段なら『お口か悪いですよ、ルース殿下?』なんて茶化してくるはずのフィーが何も言わんあたり、フィーも俺と同じ気持ちなんやろ。
それがわかるからこそ、なおさら申し訳ない気持ちで頭が痛くなる。
兄貴がフィーを面白く思ってへんことはわかっとった。
だから昨晩、それに気付いた時点で俺はしっかり脅しておいたはずやのに、結局あいつは全然、まったく懲りてへんかったらしい。
俺たちが部屋に入ってから、兄貴がフィーに向ける目にありありと浮かぶ疑心でそれが見て取れて、腹立たしくて仕方がなかった。
俺のためやとか、俺のことが大事やからとか、兄貴はいつもそうやって言う。
せやけど、そないなことを言うんなら、なんで俺が信頼してるフィーを蔑ろにできるのかって話やろ?
兄貴は皇帝としての立場があるからこそ、自分の見る目に間違いはないと思っとるみたいやけど、俺かて他人を見る目はあるつもりや。
他人を見る目が、相手を見極める目がなかったら俺も母さんもとっくに死んどるわ。ふざけんなボケ。大事な弟〜とか可愛い弟〜とかアホ抜かすくせに俺のこと信じとらんのはバレバレやっちゅーねんクソ兄貴。
「ちなみにどやった? アイツと話してみて」
「ルーのお兄ちゃんとして頑張ろうとしてるんだな、とは思ったよ。その気持ちだけはなんとなくわかった。……でも」
「『でも』?」
「私の手を借りなきゃ身の回りの掃除もしない・できないようじゃ、ね? ルーのお兄ちゃんを名乗るにはほど遠いし、私を試そう、見極めようだなんて、お門違いもいいところ。掃除がきちんとできて初めて私と張り合えるレベルだし、それでも私に勝とうだなんて百年早いと思う」
「……ははっ。さすがフィー、よおわかっとるやん!」
やれやれと大袈裟に肩を竦めてため息をつくフィーに、俺はケラケラと声を出して笑った。
まったくもって、フィーが言う通り!
あいつが俺との関係を良うしたいと考えとることくらい、俺もわかっとる。
けどな? 俺や母さんや、狐の氏族すべてを蔑んで見下すような使用人に囲まれて、俺らを殺そうとしておきながら平然と知らん顔しとるヤツを重鎮として登用しとるようなヤツと、なんで俺がわざわざ仲良うしたらなあかんわけ?
冗談やないわ。ふざけとるにも程がある。
俺を信じず、俺らを殺そうとする連中とつるんでおきながら、よくもまあそんな戯言を言えるもんやと呆れてまう。
(あいつのそういう傲慢なところが嫌いや)
フィーが『相手の本心を探るためにちょっとくらい様子見してみたらいい』と俺に言ったから、あいつとの手紙の相手してやろうかと気まぐれを出してやったのにな?
ほんま、恩を仇で返すクソ兄貴のクソっぷりを再確認するだけのしょーもない作業やったわ。
「フィーの皮肉、最高やったで」
「うん」
「初めて会うた時もせやったけど、相変わらずキレキレやんな?」
「そう? ……そう言われると、ちょっと恥ずかしい気もするけど」
フィーは照れくさそうにはにかんで笑い、――次の瞬間、その笑みを消してどこかに視線を投げた。
感情のひとかけらも感じひん冷淡な表情。
鋭く冷たい、明確な敵意を孕んだ眼差し。
その行く先を俺の視線が追いかけようとすると、彼女の心地よいアルトが鼓膜をふるわせる。
「ルー」
「どうした?」
「気にしないで。虫がいただけだから」
先程までの冷たさはどこへ行ったやら。俺を見つめる瞳はとろりと優しく蕩け、花の蕾がほころぶような笑みが向けられる。
魔術の国の連中が……フィーの婚約者やった王太子すら見たことのないであろう、彼女の素の表情。
それが俺だけに向けられる唯一のものである、という幸福にたまらない気持ちになりながら、ふと思い出した。
(そういえば……前にも確か、似たようなやり取りしたな、俺ら)
+ + +
友好国同士の交流っちゅーことで、留学に行って見聞を広めてこい。
向こうの国には同い年の王太子もおるようやから、ついでに仲良くなって来てもええで。
とにかく顔見知りが誰もおらんところでゆっくり羽根でも伸ばして来い。
……要約すればそんなようなことを言われて、俺は兄貴から国を追い出された。
あいつからすれば、祖国での扱いが酷い腹違いの弟への気遣いのつもりやったのかもしれへんけど、こっちの気分的には追い出されたようなもんやった。
別の国の連中からすれば、同じヒトと言えども、獣人は明確に姿かたちが異なるからと奇異の目を向けられることは必至。その面倒くささ、憂鬱さも相まって、なおのこと俺は留学に気乗りがせぇへんかった。
どうせ嫌がれば『陛下に逆らうなど不敬だ! これだから狐の氏族は!』と文句を言われ、素直に応じたら応じたで『狐の氏族なんかを我が国の代表として向かわせるなんて……』とぐちぐち言われるのがオチ。
どっちにしろ兄貴の取り巻きどもがうるさいのは明白で、あの時はほんまにうんざりした。
……とはいえ、皇帝の勅として留学を命じられた以上、俺に逆らう権限はあらへんわけで。結局、はいはいと投げやりに返事して、俺はぎゃあぎゃあうるさい取り巻きを無視してさっさと離れに帰ったのだった。
俺たち母子が暮らす離れは基本、兄貴に特別従順な下僕以外に干渉してこないとはいえ、母さんを一人にするのは心配やった。
兄貴は俺が必ず守るから、なんて言うとったけど、俺を大切な弟やと言いつつなんもかんも中途半端なあいつが言葉を違えない保証はあらへん。
あいつを信じて頼るくらいならむしろ、離れに出入りする下僕を頼った方がよっぽど安心できると思っとる。
そういうわけで、留学中に母さんに何かあれば友好国同士の交流なんて放り出して帰って来てまうかもしれんなーいやー困ったわー、なんて出立前にわざとらしいひとりごとを兄貴の下僕の前で披露しておくことにした。
そうすれば、万が一母さんに何かあっても――否、何かが起こる前にあいつは必ず対処すると確信していたからだ。
あいつも狐の氏族のことは好いてへん。
せやけど、兄貴に『弟とその母親には手を出すな』という命令をされたからと、それを律儀に守る兄貴にいっとう従順な下僕やった。
兄貴の機嫌を損ねるようなことも、不利益になることも絶対にしないし、許さない。
そういうやつやからこそ、俺が兄貴にとって不利益な行動をする可能性を示唆すれば、是が非でもその事態を避けるために動かざるを得ないっちゅーわけや。
面倒くさいが、兄貴を絡めれば扱いやすいやつでもある。
あいつがいれば母さんは大丈夫やろう、と思えるくらいには、あいつから兄貴への忠誠を信用している。
……兄貴よりも兄貴の下僕の方が信用できる、なんて口にしたらあいつらはどんな顔するんやろな?
マ、ウザ絡みされる未来しか見えんから、そんなこと絶対言わんけど。
言わぬが花って言葉もあるくらいやし。
そうして母さんの身の回りの安全だけどうにか確保して、俺は魔術の国に向かった。
相変わらず気乗りはせぇへんかったけど、心配の種である母さんにまで『せっかく国外に行けるんやから楽しんでおいで!』と言われてしまえば、腹を括らざるを得なかったしな。
留学を楽しめるかどうかは別として、一応、百獣の国の皇帝の弟としての最低限の義務……王太子の人となりの見極めと外交、そして魔術についての見識を深めることくらいはちゃんと果たすつもりではおる。
やってもやらんでも文句を言われるならやらんが楽やけど、できることをやらずに文句つけられるのは面倒臭いし、ウザったい。
それならいっそ文句のつけようがない成果を出して黙らせた方がよほど気分もええわけで、手を抜くつもりはなかった。
とにもかくにも、俺は俺にできる手を尽くして、魔術の国へ留学に臨んだわけなんやけど。
「へぇ、本当に畜生の血が混ざってるんだな」
――魔術の国の王侯貴族、その子息子女が集められた学び舎にて。
友好国の皇弟として王太子に挨拶だけはしとくかと重い腰を上げた先で、自己紹介もそこそこに、外交問題にしかならない発言をした、頭ん中お花畑の王太子のこのクソっぷりである。
俺でなくとも、獣人にとって不快極まりない発言。
しかもそれを、よりにもよって友好国の皇族相手にそれを投げつけるなんて呆れてものも言えへんわ、と俺は口を閉ざした。
いやあ、事前の調査で王太子がかなり残念な頭をしとるらしいことは知っとったが、まさかここまで酷いとは。
顔だけは同じ男の俺から見ても一級品やのに、こんなにも中身が伴わんなんてかえっておもろいわ。なんて、そんなことを考えていたせいやろか?
思わず鼻で嗤ってしもたんやけど、俺のことをじろじろと不躾に観察する王太子はちっとも気付いとらんらしい。
(ほんまおめでたいやつやなこいつ)
でも――まるで頭の足らん王太子の代わりとでも言うかのように、あいつの三歩うしろに控える令嬢が、ちらりと俺を一瞥した。
見てくれは悪ない。
少しキツそうな印象はあるものの、ひと目見ただけで綺麗な子やなと素直な感想を抱く。
髪も瞳も真っ黒で、明かりのない夜みたいに見通せへん……否、感情や思考をこちらに悟らせんと言った方が正しいか。ここまで徹底的に『無』を感じさせる相手は初めてで、なんだか不思議な気分やった。
(確か、フィオナ・ボールドウィン侯爵令嬢、やったか)
事前に王太子について調べとったから、その令嬢のことも多少知識はあった。
王太子の婚約者であり、王位の長子相続制を掲げる保守派筆頭・ボールドウィン家の一人娘。
幼い頃に王太子との婚約が決まったものの、肝心の王太子からは毛嫌いされているらしく、二人の関係は永久凍土のように冷え切っとるとかなんとか。
ちなみに彼女が嫌われとる理由は婚約者である王太子よりも優秀やからで、その僻みによる部分が大きい……なんて嘘か本当かわからんことが報告書には書かれとった。
兄貴の下僕が用意した報告書やったから、俺に恥をかかせたいアホどもの手は加わっていないはずなんやけど、果たしてそんな馬鹿げた話はほんまのことなんやろか? と本気で疑った俺は悪ない。
皇位や王位に就くやつってどいつもこいつもろくでもないやつしかおらんのか……?
「殿下」
「……」
俺をちらりと一瞥したフィオナ嬢は、すぐにスッと視線を逸らすと婚約者に呼び掛けた。
すると、珍獣か何かを目の当たりにしたかのような反応で俺を見とった王太子は途端にぶすくれた挙句、堂々とフィオナ嬢に無視を決め込む。
(……おいおい、婚約者相手にそれはあかんやろ)
生まれてこの方、とんと婚約者なんてモンに縁のない俺がそう思うのもおかしな話やけど。
気に入らないから、嫌いだからと、それだけでこんな子どもっぽい反応をする王太子には心底呆れ果てた。
保守派筆頭の一人娘として自分を守ってくれとる婚約者に対する態度にも呆れるし、王太子でありながら自分の感情を律することも、取り繕うこともできひんとか有り得んやろ。
(これが? 王位継承者? ……ほんまかぁ??)
しかもその上、俺の同い年らしいやんか。
こんなのと俺が同い年なのも信じられんし、こんなのがこれから王位を継いで百獣の国と外交することになるのかと思うと、この国の連中の正気を疑わざるをえんわ。
こいつの親、仮にも国王やろ? 一国一城の主なんやろ??
やのにこれを放置できるとか、そいつも頭湧いとるんとちゃう???
(留学なんて取りやめてあっちの国に引き上げた方がええんちゃうか、俺)
わりと本気で検討を始める俺に、もう一度、フィオナ嬢はちらと視線を向けて。
「殿下。わたくしに話しかけられたからと不機嫌になるのではなく、ルース殿下に謝罪を」
「……なんだと?」
「差し出がましいことを申し上げますが、先ほどの殿下の発言は、次代の国王ともあろう御方がされるものではないかと。種族の違いをあげつらうなんて低俗な真似は王のすることではございませんし、わたくしたちの女神さまを冒涜するにも等しいことですわ」
フィオナ嬢の口から淡々と紡がれる言葉は、なるほど確かに正論やった。
はるか昔、魔術の国の人間が女神から魔術の力を授けられたように、百獣の国の人間は獣神の加護を受け、人でありながら獣としての側面も持つようになった。
女神と獣神の間に優劣はなく、どちらも貴い神であると言われとるし、王太子の発言を非難するには理にかなった指摘やと思う。
見た目の通り言葉がキツいのは少し気になるけど、マ、相手はポンコツ王太子やし?
これくらいキツく言われんと理解できんのとちゃう?
……と、思ったんやけど。
「黙れフィオナ、お前はしゃべるなと何度言ったらわかるんだ!!」
(うっっっっっわ)
王太子がようやく婚約者を見て、声をかけたかと思えば、これまたとんでもないことを言い出しよった。
婚約者に諫められたからって、黙れと怒鳴るやつがあるか?
やっぱこいつろくでもないわ、と俺がドン引きしとる間にも、王太子は更にまくしたてていく。
「お前の声なんて聞きたくないし、お前の偉そうな話なんてもっと聞きたくない! どうでもいいことばかりぐだぐだと並べ立てて俺の気を引こうとするのはいい加減に諦めたらどうなんだ!? 俺はお前が嫌いだし、お前と結婚するなんて――お前を愛するなんて、考えただけでゾッとする!!!」
そう言って王太子は踵を返し、俺たちが挨拶するために学び舎から借りた部屋から出ていってしもた。
……なんやあいつ、最初から最後までまともな挨拶もなしかいな。
王太子への印象にどんどんマイナス補正がかかってくなか、ふとフィオナ嬢が今どんな顔をしとのるか気になって、王太子の背中を追いかけていた視線を戻す。
「お見苦しいところをお見せいたしました。先程の殿下の発言といい、ルース殿下にはご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません」
「……おん」
しかし、フィオナ嬢はこちらが動揺するくらい、ちっとも変わった様子がなかった。
……普通、婚約者にあんなこと言われたら泣くもんとちゃう?
いや、もしほんまに泣かれても俺は女の慰め方なんて知らんし、困るだけやから良かったんやけど。
でも、ここまで平然としとるのは、動じとらんのはさすがに驚くやん……?
(なんなんこの子、心臓が鉄でできとるんか?)
「あれでもルース殿下と同い年のはずなのですが、殿下はまだまだ未熟でして……。無理を承知で申し上げますが、夢見がちな子どもの戯言として、なにとぞ平にご容赦いただけますと幸いです」
(……ああ、なんや。ただのお互い様か)
フィオナ嬢の言葉の端々から覗く毒に、二人の関係は永久凍土のように冷えきっている、という話は本当のことやと悟った。
まあ、せやろな?
あんな扱いされても王太子のことが実は好きで〜とか言われたら、フィオナ嬢の頭まで疑うところやったわ。
表情も瞳もなんも感じ取れん『無』のまま、声色さえも波がなくて平坦やけど、言葉選びの刺々しさからフィオナ嬢の本心が窺えて思わず笑ってまう。
「どうかされましたか?」
「別になんもあらへんよ?」
急に笑い出した俺に、フィオナ嬢は不思議そうに首を傾げる。
……ふむ、なるほど?
どうも彼女は声や表情や瞳に感情が出るわけやなくて、言葉選びやちょっとした仕草の方に表れるらしい。
実際に話して見た感じ、アホの王太子の相手するより、フィオナ嬢に相手してもらった方が色んな意味でマシな気がするし、観察してておもろそうな雰囲気をひしひしと感じる。
「なあ」
「はい」
「あいつの態度を申し訳なく思うんやったら、あいつの代わりに俺の話し相手、してくれへん?」
「それでルース殿下へのお詫びになるなら、喜んで」
こくりと頷くフィオナ嬢に、ふ、と口元に笑みが浮かぶ。
祖国の連中も含め、今まで出会ってきたやつらはどいつもこいつも感情がわかりやすくて。だからこそ、よくよく観察しないと感情の読めないフィオナ嬢に、俺はほんの少しだけ興味を抱いたんやと思う。
……もっとも、その興味が好意的なものなのか、それとも彼女もまた俺の敵になりうる存在なのかと警戒に基づくものなのか、俺にも判断はつかんかったんやけど。
【Tips!】 神様
作中の世界では国ごとに信仰している神様がいます。
魔術の国は女神様、百獣の国は獣神様で、それぞれの神様はそれぞれの国の民に特別な力を与えたそう。それゆえに国民たちは加護を与えてくれた神様のことを信仰しているようです。なるほどなー。
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