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12 鏡を見れば、多分同じ表情なんだろう
私にはあの祝賀会での赤崎の態度が、遺言を言っているようにしか見えなかった。
友達でもないので止めなかった。
でも、止めようとすれば良かった。
彼は、私の一番の親友だったというのに。
手紙の後半には、何かで濡れてしまって、その後ゆっくり乾いたような染みがいくつも出来ていた。
それが一体なんなのか。そんなもの、考えるまでもない。考えるだけ頭がごちゃごちゃするだけだった。
「――お前はとんだ、大馬鹿野郎だ」
私は彼のその表情を、最後に一目見たかったと思う。