汚れた金魚
シントウキョウ都シンジュクカブキ町。
ここは政府が黙認している性産業タウン。
ありとあらゆる店が並び、娼婦や男娼が暮らし働いている。
アタシはここで店を任されている。
『エンゼルフォール』
それがアタシの店の名前だ。
この街で知らないものはいない。
日本最大の犯罪組織『白鯨会』が運営する闇風俗。
うちの在席者は全て訳ありや拉致されてきた女たちだ。
一日一度『ハーフライフ』というドラッグを摂取しなければ死んでしまう。
この薬には定期的に摂取しなければ死に至る猛毒と強い快楽作用があり注射を拒めるものはいない。
一度打てば逃げられない地獄のドラッグ。
まあ、そんなさなかとある仕事のミスでアタシには罰則がついた。
まだ幼い16歳のガキの面倒を見てアタシと同等に使えるまで育て上げろ。
出来なければお前が処分しろ。
なんともアタシに向かない面倒な罰則を押し付けられたモんだ。
今更、ガキの命ナんざどうでもよかった。
ガキ一人死のうがこの街じゃたいして珍しくもない。
けれど、仕方ない、逆らえば何をされるか考えるだけで反吐が出る。
いつものようにタバコに火をつける。
深く吸い込んで吐き出す。
そして始まる。
アタシとガキの後のない日常が…。