第33話 あたしメリーさん。いま邪神が復活するの……。
夏休みである。
およそ8月の頭から9月の末にかけて二カ月もの間、大学が休みになるわけだが、だからといってバイトはあるし、最近つるむようになった同じ大学の友人ヤマザキ(あれ、ヤマサキだったかな?)と遊ぶ約束もある。
ちなみにヤマザキはドスコイ体形の同い年の男で、それなりに顔のパーツは整っているので、痩せて身支度を整えたら、そこそこモテそうなのだが、
「拙者、昔は貴殿のような一般社会に生きる冒険者でござったが、中学時代に東京国際展示場で膝に矢を受けてしまって、以来この道一筋でござるよ」
ということで、色々あった末にオタ堕ちして、横に成長してしまったらしい。
好物はカレーで、「カレーなら大盛り三食の他に、デザートにカレー。おやつにカレー。夜食にカレーでも全然オッケーでござる!」とのことで、実際、真のキ○ンジャーを目指すがごとく、常にカレーを食べているので、おそらくこの後の人生で奴が痩せる事はないだろう。
将来の夢は「日本橋と秋葉原を世界遺産に登録させるでござる!」と気宇壮大である。
なお、オタクもここまでテンプレートを徹底すると、逆にキモさが愛嬌になるのか。案外、女子にも嫌悪感を抱かれないヲチ対象と化している――らしい。現在、実家に帰省中の神々廻=〈漆黒の翼〉=樺音先輩こと――佐藤華子さん曰く、
「〝キモいゆるキャラみたいなもん”じゃない、アレは?」
とのコメントを、以前に紹介した際にいただいていた。
ともあれ色々と予定があるため、親父からは夏休みくらいは田舎へ顔を出すように電話で言われたけれど、ぶっちゃけ都会の便利さを知ってしまった今、わざわざ試される大地である故郷の田舎へ帰ろうとは思わない。
まあ、お盆くらいには一度帰る予定ではいるけれど。
「――とまあ、そんなわけでしばらくはアパートに居るつもりです」
と、俺はたまたまアパートの門前――なぜかラジオ体操第2の2つめの体操のポーズを取っている二宮金次郎の銅像の前で遭遇し、世間話のついでに夏休みの予定を聞いてきた管理人さんにそう答えた。
「そうなんですか。そういえばこの星のこの地区には『お盆』という風習があったのですよね~」
「『この星』?」
「あ、いえいえ。私の星――いえ、故郷にはそういう風習がないので、ちょっと失念していただけです」
ポロリとこぼした管理人さんの言葉尻に引っかかるものを感じて思わずそう問い返すと、アタフタと慌てた調子でそう何かを誤魔化すように補足してきた。
……金魚鉢で視えないけれど、もしかして管理人さんって日本人じゃないのか? こういっちゃなんだけど、服の上からもわかるひんぬー体形から、てっきり地元埼○民かと思っていたが……。
「――えーと、失礼ですけど管理人さんの故郷って?」
婉曲に聞くだけの腹芸もないので、ズバリ聞いてみた。
それに対する答えは、
「割とご近所ですよ。大マゼラン星雲内にある太陽系の双子惑星なんですけど、星が寿命を迎えそうなので、地球侵略の先兵……じゃなくて、友好条約締結のために派遣されたんです。本当です」
「ははぁ……」
という曖昧なモノだった。これはアレかな、こ○ん星から来たとかいう設定をいまだに貫いている系なんだろうか?
「大変ですねー」
とりあえず高○純次並みのいい加減さで適当に話を合わせる俺。
女性が話を誤魔化す場合――母親の「そのお年玉、貯金しておくわ」に始まり、峰〇二子の「一生のお願いよ、ル○゜ン」との懇願まで、胡散臭いとは思えども無粋なツッコミをしてはいけない、非常にアンタッチャブルな系統の話なのだろう。
それを根掘り葉掘り聞こうとするなど無粋の極み。
例えるなら剥がれそうで剥がれないカサブタを、無理やり剥がして大惨事になるようなものだ。無理に触らないほうが良いに決まっている。
「まあ、そういうことで夏休み中もお世話になりますので、よろしくお願いします」
「あ、はい。学生さんはちゃんとアパートのお家賃もきちんと払ってくださるので安心していますよ」
話を戻した俺に向かって、管理人さんが割と身も蓋もない根拠での信頼を寄せてくれた。
「はははっ、漫画みたいに家賃を滞納する人なんているんですか?」
「ええ……まあ。『近いうちにまとまった金が手に入る』と約束した日が天皇賞の日だったり、アニマルさんみたいに『気合いだ~』で済ませようとする人もいたり。部屋の中で森〇童子の〝僕たち〇失敗”をエンドレスで流したり……正直このアパートの住人の管理ってこと自体がもう……」
何やら余計な虎の尾を踏んでしまったらしい。げんなりとした口調で肩を落とす管理人さん。
「あー、ここのアパートって変わっている人が多いですからねぇ」
「……本当ぅぅぅぅぅぅにそうですよねー」
冷やし中華食べたいなー、コンビニで買ってこようかな、と思いながら適当に相槌を打つと、管理人さんは金魚鉢越しに俺の目をしっかりと見据えてそう、しみじみと頷いた。
「何かあったら何でも言ってください。相談くらいなら乗りますよ」
多少の下心を交えてそう付け加えると、
「ありがとうございます。期待していますわ」
『――百円均一の商品の強度やド○クエの発売日くらいには』
何か最後に呟かれた気がするが、多分気のせいだろう。
とりあえず、管理人さんと別れて近くのコンビニへと足を運んで、冷やし中華とアイスを買って、イートインで昼食を摂っていたところへ、メリーさんからの電話が鳴った。
>【メリーさん@部活やめるってよ】
『あたしメリーさん。いま温泉に来ているの……』
「……お前、この間『メリーさん温泉は嫌いなの!』とか言ってなかったか?」
この間ところりと変わった状況に、一応確認しておく。
『――あ。……えーと、人間時には妥協も必要なの。それにここのところの連戦で、さすがにメリーさんも限界に来ているの。ウ○トラの戦士なら、上司が止めに来る状況なので、温泉で休養を取る必要があるの……』
w○kip○diaを見て自作の設定を思い出したドアホな作家のように、後付けでツッコミどころ満載の言い訳を列挙するメリーさん。
「……お化けは死なないし、病気も何もないんじゃないのか?」
『アレ結構病気になったり死んだエピソードあるわよ? メリーさん個人的には蒲鉾の話が好きだけど……』
「あー、あれは微妙にトラウマなんだよなぁ……。つーか、温泉ってことは火事場泥棒をした〝温泉と芸術の街ユゥフィーン”にまだ滞在していているのか?」
『あたしメリーさん。とっくに魔王国からトンズラして、人間国のひとつでやっぱり温泉が有名な〝フレグランスリバー国”に来ているの……』
さらりと高飛びしたことを自白したけど、いいのか、おい!? お前、〝魔王国最強決定戦”へ人間国の勇者代表として参加したんじゃないのか?!
『それ参加しなくてよくなったの。ほら、この前に補欠とは言え人間国の勇者のひとりがとち狂って、列車強盗に脱線転覆沈没の上に、国宝館に立て籠もって甚大な被害を出したでしょう? だから人間国は責任を取って代表を取り下げにしたの……』
「あ~~、要するに名門野球部の補欠が飲酒喫煙をしたのがバレて、責任を取ってチームごと甲子園を辞退したようなものか」
『まさか土壇場で出場停止になるとは思わなかったの。甲子園には魔物が棲むという話は本当なのね……』
「この場合の魔物はお前のことだからな! あと、なんで列車が脱線して転覆して沈没になるんだ?」
『ちょうど温泉施設の巨大プールに落下して、客車が沈没したの……』
「あー……」
きっとこうして電話口で聞いているよりも、遥かに甚大な被害が出たのだろうな。
『そんなわけで、不祥事で引責辞任した人間国の実行委員長がメリーさんのところにきて、何度も頭を下げて、ついでにここへの旅行の手配もしてくれたの。実行委員も全員デスマーチで過労死寸前らしいし、そのせいなのかあの委員長、来るたびに髪の毛が薄くなって行って、最後はほとんど焼野原だったの。メリーさん、新たなる光の戦士の誕生の瞬間に立ち会えて胸熱なの……』
こいつには罪悪感というものはないのか!?
闇に葬られているとはいえ、連中の心労の元凶は間違いなくこいつで、実質的にこいつが実行委員の胃腸に穴を開け、委員長の髪の毛をプチプチ毟ったも同然であるのだ。
実行委員が事件の真相を知ったら、全員がメリーさん目掛けて日本刀で斬り込んでくるぞ。
『あたしメリーさん。大丈夫なの。実行委員は泣いてから本領発揮するタイプだから、まだまだ限界の底までは行っていないの……』
コイツの発言は、〝清純派AV女優”という謳い文句や〝ダイエット中の「これくらい良いよね」”という妥協。〝CMの後起こる「とんでもないこと」”という期待感同様に、信じちゃいけない類いの放言と同じである。
「つーか、いまどきのリーマンのメンタル舐めるなよ。線香よりポキポキ折れるぞ」
『じゃあいまが風前の灯火で、最後の輝きなのね。少年漫画の引き立て役みたいで素敵なの……』
「どこまでも他人事だな!? 責任の所在とか問題解決のための恣意性努力とかないのか?!」
『メリーさん五歳だから難しいことわからないの。ガーッてやってバーッなってワーってなるってことかしら……? ――ガ○ダムに例えるとどういうこと……?』
「難しい話になるとすぐにガ○ダムで例えようとするんじゃねえよ!」
お前はネット掲示板にもれなく存在する、アニメに例えないと現実を理解できない2.5次元に生きる住民か!?
『あたしメリーさん。難しく考えるのは面倒なの。それに幼女の三大特権って「問題があってもお金を使わずに解決することができる」、「缶けりの最中に家に帰っても許される」、「好きな相手の家までそっと追いかけても〝純愛”で通じる」から、問題は投げっ放しでも大丈夫なの……』
「最初から問題を投げるな! あとお前に関しては、三番目のは単なるストーカーにしてサイコパスで通報案件だからな」
念のためにそこのところは念を押しておく。
「……まあいい。じゃあ、そこのホテルだか旅館にはオリーヴ以外の全員もいるのか?」
『そうなの。汽車は走ってないところだけど、特別に大型商用車『ね○バス』を貸し切ってくれたの。ちなみに燃料は子供だけが持つ純粋な心らしいから、メリーさんにはピッタリなの……!』
よく途中で力尽きたな、ねこ○゛ス。頑張ったんだな……。
『途中で食べさせたキノコが良かったと思うの。キノコを使うと一時的に早くなるって、メリーさん知ってたから……』
無茶させやがってっ! 今頃、縁の下で息絶えているんじゃないのか?!
『ということで、朝から温泉に入ってお風呂上りに牛乳に相談しているの……』
「優雅な生活で羨ましいこったな」
こちとら猛暑の中、コンビニでアイス食べてるだけだっていうのに、メリーさんですら温泉満喫とか……。
『なかなかいいお湯だったの。プライベート用に露天風呂も貸し切りになってたから、好きなだけ泳いで歌ったの。ちなみに〝美人の湯”は鉄板だったけど、他にも〝三つ編みメガネの育成促進の湯”とか〝女の子のブラを取った跡の線がいい感じの湯”とか、ピンポイントの効能がある温泉なの……』
「マニアック過ぎる!! 呪○郷じゃないのか、そこの温泉!?」
『あとサ○ケのファイナルステージ並みの難易度を誇るジャグジーとか……』
「殺しにかかってないか!? もしかして悪事がバレてるんじゃねえのか?!」
『考え過ぎなの。たまにはこういうまったりなスローライフも良いものなの……』
「それスローライフか!? なろう的なスローライフじゃないのか?! つーか、お前の場合は『人生を投げてる』的な意味でのスローライフだろう!」
『上手い! ペ○ちゃん、座布団を五枚なの……!』
途端にどこからともなく現れた、防空頭巾にモンペを穿いた、どこか某菓子屋のマスコットに似た六歳ほどの幼女が、俺の座る席の隣へ座布団を五枚置いて、欽ちゃん走りで立ち去って行った。
「――おいっ! なんだいまのベロ出した幼女は!? 口の端から血が流れていたぞ?!」
『ぺ○ちゃんなの。知らないの……?』
「知ってるけど、俺の知っている○゜コちゃんじゃない!」
『あたしメリーさん。一般的に知られているぺ○ちゃんじゃなくて、都市伝説の方の猟奇的なぺ○ちゃんだから、あまり見覚えがないのも仕方ないの……』
○゜コちゃんに都市伝説なんてあるんか!?
『あまり気にしなくてもいいの。マイナーな都市伝説だから、メリーさんのパシリがいいところなの……』
にべもなく言い放つメリーさん。
コイツなにげに異世界からこっちの世界の都市伝説や妖怪をコントローラーで操作してるっぽい。
『あと、オリーヴたちはまだ温泉から戻っていないから、その間にこの前に国宝館からかっぱら――紛失しないように保護したお宝の確認をしておくの。時間がなかったので、とりあえず奥の方にあった門外不出の秘宝っぽいのを、オリーヴと手分けして十個ぐらい箱ごと持ってきたのを、別室へ置いてあるの。見た感じ、ド○クエで死んだ仲間が入った棺桶がずらりと並んでいる感じなの……』
「……お前、妙に大人しく〝魔王国最強決定戦”を辞退したと思ったけど、めぼしい秘宝をかっぱらってきたから、どうでもよくなったんだろう?」
文字通り火事場泥棒しやがった。
『メリーさん、重要なものはそれぞれ実用用、鑑賞用、保存用と最低三つは持たないと落ち着かないから仕方ないの。ア○パンマンの予備の顔や、北○神拳の伝承者候補みたいなものね……』
「この場合は絶対に違う」
『あたしメリーさん。確かに。ア○パンマンのパン以外のキャラクターは邪道だと思うけど……』
「アンパン男の話じゃねえよ!」
そう話している間に、ごそごそと箱を開けて中身を漁っている物音が聞こえる。
『まずこれは……えーと、〝盲目白痴の邪神王アザトースの眠りを覚ますラッパ”と解説書に書いてあるの……』
「ほう」
『とりあえず吹いてみるの……』
コメントする間もなく、幼児特有の気楽なノリでメリーさんがラッパを抱えて、『ふーっ。ふーーっ!!』と息を吹き込む音が聞こえてきた。
ふと、なぜか俺の脳裏に全宇宙を破壊し尽くす爆弾のスイッチを、メリーさんが無造作に押している光景がよぎるのだった。
『むう。ぜんぜん吹けないの……!』
癇癪を起したメリーさんが、ラッパを放り投げる音がする。
『あとは……えーと、宝石? 箱に入ったなんかデコボコした石なの。説明書によると〝輝くトラペ……なんとか”とかって書いてあるの……』
説明書を読むのが面倒になったのか適当に切り上げるメリーさん。続いてガンガンと包丁で金属を打ち付けるような音が続いた。
『中の宝石を取り出そうとしても、この箱、ぜんぜん壊れないの! 包丁で叩いても切っても刺してもビクともしないし。仕方ないからぬか漬けの重りにでも使うの……!』
同じくポイと捨てる音がした。
『他は、えーと〝銀の鍵”とかいう、バカでっかい鍵とか、〝ヨ……ヨッコラショの仮面”とかいう変なお面。〝バルザイの偃月刀”――むう、切れ味が悪いの! 包丁の方がマシなの! 〝ミ=ゴの円筒”。ぜんぜん使い道がないの! ウドンの麺棒にでも使うの……!』
というか、なぜウドン!? 相変わらず行動の1つ1つの点が線として繋がらなくて理解不能な幼女である。推理小説には絶対出せないキャラだ。
つーか、どれもこれも『邪神』と名が付いていて、碌なモノがないな……。
『あたしメリーさん。メリーさん都市伝説の幼女業界では「お前マジ神だわ」と呼ばれているから問題ないの……』
「いや、普通の神ならともかく祟られそうじゃないか?」
『祟りが怖くてメリーさんはやってられないの……!』
実に説得力のある啖呵であった。
『お札が貼ってある電気炊飯器……』
「封印されてる! ナニかが封印されているっ。開けるなよ! 絶対に開けるなよっ!」
『それはダ○ョウ俱楽部的に「開けろ」という前フリ――というわけで、中身は……なんかの溶けた骨』
躊躇なく開けるメリーさんだが、幸いにして消費期限が切れていたらしい。事なきを得たのだった。
『これが最後――〝イブン・カズイの粉薬”――へっくしょ! あ、どっかいったの……』
そうして、最後の秘宝が風とともに去りぬ。
つーか。
「激しく在庫処分の香りがする物件ばっかだったなぁ。あのさぁ……それ、奥にしまわれていたんじゃなくて、単にいらん子だけど捨てるに捨てられずに、放置されていただけじゃないのか?」
思わず浮かんだ率直な感想を口に出すと、
『メリーさん、もう一度お風呂に入ってくるの! とんだスカばっかりだったの! 風呂場で歌ってるほうがよほど有意義なの……!』
くたびれ損の骨折り儲けを実践したメリーさんは、足音も荒く温泉施設の方へと歩いて行った。
こうしてメリーさんの魔王国訪問の旅は終わりを告げたのである。
なお、余談としてはメリーさんが旅館の人間にお土産に渡した『ミ=ゴの円筒』で打った、地元名物のウドンの味は格別ということで、我も我もと人々の手に渡り、フレグランスリバー国全域でウドンが打たれたという。
だが、幸せは長く続かなかった。
ある日、突如ウドンは自我を持ち、人間を逆に支配すべく戦いを挑んできたのだ!
自らを『ウ=ドン人』と呼称するウドンを前に、ウドンを主食とするフレグランスリバー国人との間で全面戦争が勃発。
後に『ウ=ドン騒乱』と呼ばれる、食うか食われるかを賭けたフレグランスリバー国を震撼とさせた大事件である。
戦争は一月近く続いたが、その間に旱魃で国内の水源が覚束なくなってきたことから、人間とウ=ドン人との間に危機感が共有され。密かに密約を結んだ両者は、豊富な水源を求めて隣国である魔王国へと攻め込み、『魔王国最強決定戦』のお祭りムードで、浮ついていた魔王都をたちまち攻め落とし、結果的にウ=ドン人の王『カケ=ウ=ドン』が、『カマ=ア=ゲ』『ヒヤ=ブッカ=ケ』『カマタ=マ=ヤマ』『キ=ジョウ=ユ』という、そうそうたる面子を四天王として次の魔王と化したとのであった。
……なぜこうなった? 多くの人々が悩む中、悠々と湯治を終えたメリーさんは、次なる目的に向かって旅立っていったのは言うまでもない。




