表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
987/2401

九百八十三生目 暴風

 敵の魔法により氷が爆発的に広がる。

 瞬時に敵を中心とした巨大な氷結晶が生まれ覆い尽くす。

 ただの氷ではなく紫色をしてどことなくおぞましい。


 魔王の力が込められているのか……

 氷は長くは持たず砕け散る。

 うわ破片飛んできた!


 鎧を展開し氷のつぶてたちを弾く。

 大した威力じゃないが私みたいに防げないみんなにとっては嫌らしいな……

 中央にいた敵は……まあ平気だよね。


「みんな、大丈夫!?」

「アテテ、なんとかな」

「これは軽傷だった、問題ない」

「弾いたよ! ローズは?」

「大丈夫! だけれどもあの魔法……巻き込まれたら死ぬかもしれない……」

「さっきからそんなんしかねえじゃねーか!」


 全員の無事をチェック。

 それは良いがイタ吉の言う通り。

 即死級の魔法がテンポ良く放たれる……


 とりあえず空中にいる私が急襲する!

 空から"千の茨"を伸ばし"龍螺旋"!

 こんな相手まともにできるか!


 幸い生命力は半分のまま。

 出来得る限り削る!


「くらえーッ!!」


 踊るようにうねり(エフェクト)を纏うと次々とイバラたちが飛びかかる。

 敵はこちらを見てないようにみえたが関係なく私のイバラを爪で弾く。


 そう。"連重撃"で"龍螺旋"の武技を使っているイバラを。

 ほんの僅かに時間ズレて爆発!

 同時に2回の爆発。


 そして暇すらなくなんたら全身同時に次々イバラを叩き込む!

 "龍螺旋"の超連打……

 千龍螺旋打!

 私の行動力を! "無尽蔵の活力"での節約すら吹き飛びそうな猛連撃!


 千回の"龍螺旋"を! 2千回の爆発を!

 その身に与える!!


「うおっ!? 空中爆撃!?」

「すごい……これなら!」

「どんなゴリ押しだ、ローズ、お前もあんまり他人のこと言えないぞ!?」


 失礼なことを言うダカシとは後で話すとして……

 爆発が爆発を増やしてゆき白煙が包み床が破壊されていく。

 それでも確かにその存在をその中に感じる。


 爪で弾いたりイバラを切り落とすその力を。

 叩かれ爆撃され重低音が量産される向こうに敵の魔力が募っていく感覚が。

 くっ……私はこれ以上は酸欠に!


「っく、はぁ、みんな! まだ来る! 気をつけて! ハァッ……!」

「ゲッ」


 イタ吉たちは爆煙が晴れてゆく向こう側を見て強く警戒した。

 なぜなら彼はまだ立っていたからだ。

 そこに力を一切衰えさせず敵として君臨しつづけていた。


 うぐぐ……私の行動力5割と引き換えに相手の生命力2割減ったかどうか……

 今までの分も含めたら消費が……

 スキルの回復! まあゆっくりだよね……


 それだけだとダメなので薬品薬品!

 ってうわ魔力が最大限に高まっている!

 来る!


 今度魔力の形が変わったのは……風だった。

 この室内で頬を撫でる風。

 これはマズイ!


 即地面へ!

 間に合え!


「「っ!?」」


 空気が……(うごめ)く。

 彼の両腕が上へと持ち上がりそのまま引き下ろされる。

 同時に空気が瞬時に暴風に……刃すらもつ邪風へと変わる。


 空は色に覆い尽くされる。

 白と紫の(エフェクト)

 暴風が形をなし大きく渦巻く。


 そして……それが降りてきた!


「なんだこりゃ!?」

「まっまずい!! 中心地に向かって!」

「相手のところに!?」

「良いから!! うわあ!?」


 着地! と思ったら暴風は広い周囲をえぐっていく。

 敵の中心はむしろ安全地帯に。

 台風の目みたいなやつか……!


 私が1番反応が遅れるハメになってしまった。

 むりやり身体が持ち上げられどんどん加速し……振り回される。


「うお、おおおおー!?」


 全身に凄まじい負荷がかかり同時に魔王の力が肉体を少しずつ斬っていく。

 鎧の上から斬られてもその下に響くわけで。

 かなり……きつい!


 このままでは身体がバラバラになりそうなGがかかる……!

 そんなこと思っていたら急激に高度が落ちる。

 そして地面に勢いのまま叩きつけられた!?


「ガフッ!?」


 もはやめちゃくちゃに地面や壁に叩きつけられる!

 イバラと鎧全力展開で……耐える……!

 丸く展開したせいでボールのように跳ね回り風で加速は止まらない。


 更に浮いた!?

 また風が持ち上がったのか!

 うぐぐ……コレ以上は!


「うう……う? うわッ!?」


 そんなことをされていたら今度は浮かび上がる。

 か……加速しだしている!?

 このままだとマズイ……!


「アグッ!?」


 今度は天井にぶつかった!?

 "鷹目"と"見透す眼"がなきゃこんなの前後不覚になる!

 というか身体の感覚がだんだんわからなく……!


 ゴリゴリと天井を削って削られて。

 急に何もなくなった。


「え」


 魔法の効果が終わったのか……って。

 落ちるっ!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ