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九百七十六生目 未来

 ダカシの身体には確かに何かの切り傷や衝撃が加わっている。

 これがグレンくんの目を介さねば見えない魔王の爪に依る攻撃。

 ラキョウに"フレイムボール"を避けられないように投げつつダカシに"ヒーリング"。


「足を引っ張っているようだな、お前は、俺に復讐するんじゃあなかったのか?」

「今その口を黙らせてやる!」


 イタ吉やグレンくんそれにダカシで一斉にかかる!

 "フレイムボール"は……まず簡単に振り払われた。

 ダメだ魔王の爪は灼熱の炎をものともしない。


 直後にダカシは腕の剣を斬り付けイタ吉は巧みに意識を小イタ吉により誘導しつつ爪で裂く。

 グレンくんも大きく跳びかかって襲った!


「俺から奪った世界の力が、俺にたてつくな!」

「「ぐわっ!?」」


 ラキョウは早くない。

 グレンくんの目を通せばやりづらくとも魔王の爪は見える。

 だから攻撃を当てることはできる。


 だがラキョウもこなれてきたのか見えていようともかちあわせるように振り地面に爪を叩きつければ爆発でみな吹き飛ぶ。

 吹き飛んだのをトゲなしイバラで優しく受け止めつつ私も前線へ。

 挨拶代わりの魔法攻撃も忘れない。


 土魔法"ストーンフォール"! 相手の真上に岩2つを発生させ落とす!


「無駄だ」


 当たると思ったら瞬間移動!?

 グレンくんが向いたのは……真裏!

 私達も振り向けばラキョウがそこにいた。


「ふん!」


 さらに瞬間移動。

 ダカシ目の前!

 ダカシが前足を振り上げ背から生えた腕を振るう……前に魔王の爪が振るわれる。


「ガハッ!?」


 爆発と共に背後へ飛ばされる。

 ダカシはなんとか身体を奮い立たせ再びたった。

 その間にイタ吉私グレンくんでラキョウの相手をして殴り合い。


 瞬間移動も常にできるわけではないらしい。

 怯むわけでも生命力が大きく削れるわけでもないが瞬間移動はできないようだ。

 ゼロエネミーも鞭剣化して縦に大きく切り裂いていく。


 ただ常に隙間なく攻撃できるわけじゃない。

 当然ラキョウが大きく腕を振り回せば私達は背後にステップ踏まざるおえなくなる。

 次の瞬間に移動されるのでまたグレンくんのカン頼みで追いかけるのだ。


 ダカシに"ヒーリング"しつつ追いかけ……また瞬間移動!

 ダカシの前か……


「キサマだけは随分と弱腰だな。異世界からの来訪者に負けても良いのか?」

「いいわけないだろう! ぐっ!?」


 素早いダカシの剣連撃!

 と思ったらダカシの剣たちが弾かれ大きく空を舞う。

 魔王の爪でふきとばされたのだ。


「この程度か、キサマが復讐すると誓った力は!」

「……異世界どうこうは正直ついていけないがこれだけは言える。俺から、俺たちから全て奪い去ってたったひとりで生きていかなくてはいけなくしたお前に、どうこう言われる筋合いはない……!」

「ほざけ、何も知らぬガキめが!」


 ダカシが何度か必死に避け大きく下がる。

 そこにラキョウが瞬間移動して……

 間に私達が入った!


 グレンくんの刃が魔王の爪を受け止め何度も切り結ぶ!


「大丈夫、僕たちもいる!」

「今のうちに拾ってぶん殴れ!」

「ラキョウ、魔王の力はすごくマズイ気がする! はやく捨てたほうが良い!」

「ハッ、それでどうにかなるお人好しとでも思ったか!?」


 "龍螺旋"! "猫舌打ち"!

 打った部分のラキョウが爆発したりラキョウの身体がわずかに痛みが通りやすく表面を削る。

 けれどまあ……本当に悠々と歩き堂々と大爪を振るうだけでなんとも余裕な!


 大木に幼い拳を叩き込んでいるみたいだ。

 怪我らしきものができてもすぐに見た目が修復されちゃうしね。


 ダカシは駆けてすぐに刃を拾い……構える。

 こちらに駆けて来るのではなくその場でうずまくようなエネルギーを纏い出す。


「……もう少しなんだ。俺の力、悪魔の力、アカネ、母さん、父さん、みんな……」

「そこだ、隙だらけだぞ」


 ラキョウが私達をはねのけた後瞬間移動。

 そのままダカシ頭上に!

 拳が……爪が振り下ろされる!


「見えた」


 ……えっ!?


「っ何!?」


 ラキョウが圧倒的なエネルギーで初めて跳ね除けられる。

 渦巻いたエネルギーは(エフェクト)としてダカシを包み込む……

 これは……トランス!?


 光がきらめきそこから斬撃が伸びる。

 ……ラキョウの身体が初めて浮かされた。

 ラキョウの肩から腕に深い傷がはいりすぐに消える。


 ただ今のは大きな深手だ。

 ラキョウもそれを理解していてダカシから距離を取る。


 光のおさまったところにいたその姿……

 先程までの姿と大きく違い2足。

 けれど黒い全身はまるで先ほどと同じようなたてがみのない黒獅子をイメージさせた。

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