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九百七十四生目 視界

 私も異世界転生者だと告げた。


「何?」「え!?」

「この場に……異世界から、地球(ジ・アース)から来たものが3名もいるんだね……」

「……ああそうか!」


 イタ吉が合点言ったように顔を上げる。

 地上はそんなイタ吉たちが皇帝を転移させる準備中。

 私から魔法借りればいけるからね。


「さっきから何か引っかかってたなと思ったら、ローズもそうだったなって!」

「え、ええ!?」

「イタ吉も知っていたのか!?」


 地上組は地上組で変な驚きの連鎖。

 空は空でラキョウの放つ感知出来ない魔王の爪に当たらないようにするの大変なんだけれど!

 ラキョウは無手のように見えるだけで瞬間的に大きな爪で切り裂く。


 形状も触れると爆発するがグレンくんの勇者の剣ならしないというのも理解した。

 理解はしたが……つまりかち合わないように攻撃しなくてはならないということで。

 ラキョウは驚きつつも手を緩めないから私も私達で必死に抵抗。


(クソッ、ぶっちゃけよくわからねえってだけでも厄介なのに、何よりそれでも早えのが困るな!)

(あわわ、じょうほういっぱい、ちゃんとやらないとパンクしちゃう!)


 ドライとアインスも必死ながら私も必死。

 攻撃に"無敵"もこめつつイバラで殴ったりもしているがほとんど効果が見られない……

 心を強く閉ざしている。


 剣ゼロエネミーで切り裂こうと小回りをきかして腕を避ける。

 うまく背を切った……と思った次にはその場で回られあっさり弾かれる。

 空中だからスピンも楽か。


「なかなか粘ったが……」

「うっ!?」

「勇者でなければこの程度だ」


 そもそもゼロエネミーで切ったのに怯みすらしない。

 とんでもない生命力の塊。

 そのままこちらへ見えない大爪を空中ボクシングのように殴って私に当ててくる。


 吹き飛んでもすぐに距離をつめられて……

 最後に上段からの1撃で地面まで落ちる!

 "飛行の極意"! ……なんとか地面スレスレで止まった!


「耐えたか」


 また瞬間的に姿が……!

 やっぱりあれは高速移動ではなく短距離のワープを繰り返している?

 だとしたら移動先狙いがとんでもなくしづらい。


 "魔感"でも移動に対しての魔力を読み取れない。

 あれも魔王の力……か。

 次に現れたのはダカシの真横。


 予兆音も(エフェクト)もない……がグレンくんは私よりも先にラキョウに飛びつく。

 あれも勇者の素質?

 ダカシが気づき後ろ足で蹴るより早く爆発したらしい。


 "クラッシュガード"が弾け飛びダカシの守りがなくなる。

 だがこのときなら反動なしと気にせずそのまま蹴り込む。


 深く爪が身体の中に差し込まれる……が。

 腕が振られるとダカシの方が吹き飛んだ!


「うおっ!? ……ぐ、たしかにこれは厄介すぎるぞ!」

「せめて見えるんならまだ攻撃のそらしかたがあるんだけどなあ!」

「どうした!? キサマらの攻撃はまるで効かんぞ!」


 イタ吉の言う通り見れればまだ避けられる。

 見れたら……

 ……見ることが? あ!


「グレンくん! これを!」

「うん!? あ、うん!」


 グレンくんに"以心伝心"申請!

 承諾!

 さらに味方全員に"以心伝心"!


 そして……グレンくんの視界を全員共有だ!


「うおっ!? これは、どうしやいいんだ!?」

「ぐわっ!? 視界が、重なる!」

「意識して端に避けて!」

「なんだ? 仲間を攻撃とは感心しないな」

「少し黙ってて!」


 ラキョウが煽ってくるがそれどころではない。

 というより油断しているのなら利用させてもらおう。

 少しすればイタ吉たちは落ち着くはずだから……


 私が殴りかかる!


「はあっ!!」

「死にに来るか!」


 グレンくんの視界をしっかり確保して……

 み……みえる!

 アレほどまでに見えなかった相手の爪攻撃が!


 腕をふろうとする瞬間に大きな爪が現れ私の喉元に向かっている。

 もちろんグレンくんからの視界だから私の感覚とはかなり違う。

 ただ普段から鷹目で慣れがあるからね。


 それに細かい計算は……アインス!


(みえたらはやい! こうすればよけれるよ!)

(良し! ならインファイトができるぞ!)


 ドライも攻めっ気を出せている。

 行こう!

 喉元に爪先狙いならば……あえて鎧を引っ込める!


 上半身をそらし頭の鎧にこすらぬようちゃんと引っ込め……

 そのまま踏み込み横から拳を叩き込む!

 もちろん"連重撃"はオンにしたまま!


「ほう?」

「うっ」


 慌てて真横に飛ぶ。

 そこに強烈な1撃がお見舞いされた。

 グレンくんの視界から見ればえぐる様に爪をストレートで叩き込んできていた。


 両腕にあり重さのない動きをするの見えていてもズルいな!

 っていつの間にか目の前に瞬間移動してきている!

 避けるしか無い!

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