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九百四十七生目 鞭剣

 長剣ゼロエネミーに暴れさせつつ私達も突撃する。

 耐久力はまだまだあるので追撃の手を緩めない。

 例え身体が避けてもまた自力でくっつけ襲ってくる。


「ホントこいつら気持ちわりぃな!」

「気をつけて! 毒ガス使う奴らがいる!」

「うお危ねえ!」


 小イタ吉の顔に思いっきり吹きかけようとしていたゴースト。

 2足を4足に切り替え必死の回避。

 外したところをちゃんと刃イタ吉が狙い切り裂いていく。


 私も"千の茨"を展開!

 だんだん慣れてきたしここは場が広い。

 細くてもちゃんとしたパワーを発揮させ……そして攻撃をつないで行く!


「やっ! やややらら!!」


 まず1回後ろへ跳ぶ。

 そのまま空中へ浮き安定させつつ……

 背中のイバラを一斉に叩き込む!


 腕をしならせ拳を放つようにイバラをしなら先端に力を込める。

 先はまっすぐじゃダメで少し折り曲げ……

 それを1000本! 連打!!


 ただ打つだけでは効果が薄いんだ。

 武技だけではおそすぎる。

 効率よく混ぜ1つ1つ意識をおろそかにせず……


(うつべし! うつべし!)

(全員でやりゃあできるだろう!)


 殴打。ただ単純かつ効率的な攻撃。

 多いイバラをもっと意識し……

 1本1本丁寧に……殴る!


 ニンゲンの格闘術は知識でしかわかっていない。

 だから獣としての……

 今までの積み重ねでやる!


 おっとさらに唱え終わった補助魔法からダカシにかけていく。

 そうれ!


「力があふれる……! よし!」


 次を唱えつつ全力殴打!

 アンデッドたち1体1体雑にならないように。

 武技のタイミングをよく考えて。


 アンデッドたちは見事に蹴散らされていく。

 ちゃんとイバラの当たる瞬間インパクトを意識し……

 1撃1撃吹き飛ばす!


 うん!? 転がるように落ちて回避行動。

 私を狙った砲撃が右側から飛んできた。

 落下したが頭上をいくつもの砲撃がとおりすぎる。


「いい感じだ!」


 イタ吉が言う通り正面にいた敵たちは軒並み倒れていた。

 今の連続攻撃……ちゃんと覚えておこう。

 だが正面は倒れてもそのアンデッドたちを乗り越えて新たなアンデッドがやってくる。

 ダカシへの補助魔法も……よいしょ!  ちゃんと発動してと。


 ここからは攻撃魔法も使おう。

 ゴースト系とまともに殴り合いたくない。

 彼らは下手に触れ合うと憑依してくるから追い払うのに疲れる。


 とりあえず……火魔法"フレイムボール"!





 さすがにアンデッドだらけで全方位からいろんな攻撃が飛んでくる。

 とは言え全員の怪我は"ヒーリング"でどうとでもなっている範囲でしか食らわず時が経てば経つほど勇者の剣やゼロエネミーが輝き出す。

 ゼロエネミーは長剣モードだと切れ味に能力を振っていて破壊力というか相手の耐久力を減らすには向いていない様子。


 だから……久々にこのモード。

 鞭剣モードだ!

 ゼロエネミーの姿がゲルのように柔軟に変わっていく。


 宝石部分を端に節目の細かく付いた剣が生まれる。

 見た目だけなら今までの中でもっともオーソドックスな剣らしい。

 しかし実態は知っての通り。


 鞭剣ゼロエネミーに念じ振るえば途端に節目が分離し急激にリーチとしなりが加わる。

 間にはまた別の細い刃が現れしなやかに伸びる。


 勢いにより伸ばし(エフェクト)とともに叩きつければ凄まじい衝撃!

 剣ゼロエネミーは他者が触れた場合とても重いらしい。

 その質量が今威力にも反映されまるで爆ぜたかのようだった。


 もちろん"連重撃"がある。

 アンデッドたちは2重の衝撃で吹き飛ばされ……

 さらに戻りは高速で繋がりが縮小。


 これによりもどっている途中ながら威力と速度が増し……

 巻き込むアンデッドたちを切り裂いた!

 当然すぐに次の攻撃が振られる。


 前よりもぐっと強さも使いやすさも増している。

 アンデッドの軍団に突っ込ませ激しく回りながら鞭を解放すればおどるかのようにら鞭剣が広がり周囲を圧倒する。

 いくら動きが良くとも全面的攻撃では避けようがないらしく次々と切り刻まれていった。


「まったく、どれだけいるんだ!?」

「どうにかこの罠を抜けなきゃ!」


 アンデッドたちどこにこんなにいたんだかというほど湧いてくる。

 当たり前だがずっと戦っていればこっちがガス欠を起こす。

 私の"進化"もまた龍脈を足しておかないと切れる!


 ここがいくら龍穴スポットとはいえやはり直接の龍脈には劣るからね。

 あと気のせいかここの龍穴から今も浴びれる気配……他の龍脈のものと違う気がする。

 私みたいに龍脈を扱えなければそもそも龍穴があっても感覚としてはわからないが。


「ははは、すごいな! これは見ものだ!」

「……誰!? いや……」


 階上柵の向こう。

 突如声が響いた。

 だが……この笑い声聞き覚えありだ。

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