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九百三十八生目 避当

 イタ吉は分身でサメゾンビ3体を相手していた。


「おらおら!」「こっちだ!」「遅いんじゃないか?」「カテェな」

「グッ……向コウガ見エナイ。ゴーストタチハドウナッタ? 疾イアイツヲ殺セ!」

「「……!!」」


 唸り声とドンドン足音をたてサメゾンビたちは暴れるが攻撃は当たったと思ったら分身が消えるのみ。

 だがそこにリボルバー持ちのスラリとしたスケルトンが……放った!

 銃弾は見当違いの方向へ飛び空を切る。


 壁に着弾……しない!?

 弾が跳ねた! 跳弾だ!

 勢いよく跳ね返りを繰り返しイタ吉の分身をつぎつぎ消す!


 サメゾンビの殴りと合わせ分身が……消えた!

 武技だ!


「やべっ!」


 そして弾丸が放たれる。

 イタ吉は空を舞い転がってなんとか受け身。

 フラついてはいるが立ち上がった。


「グッ……! おもったより1撃が重いな……うわっ!?」


 イタ吉が飛び上がるとさっきまで頭のあった位置に弾丸が飛んできた。

 イタ吉の素が高くない生命力でこれを受けるのは危険。

 次弾はなんとか尾の刃を盾にして受け切る。


「アブねぇじゃねえか!」


 イタ吉の抗議は聞かずサメゾンビたちがまたイタ吉を殴りつける。

 それを転がって回避。

 リボルバースケルトンは回転するチャンバーに再度弾丸を詰めなおそうとしている。


「そこだ!」

「何ダ!?」 


 網の形になったゼロエネミーが指揮スケルトンとリボルバースケルトンへと覆いかぶさる!

 想像以上の重みにふたりとも倒れしかもエネルギーが流れスケルトンたちに攻撃!


「イツノマニ……!?」


 私達は(くう)魔法"ミニワープ"を"鷹目"で位置指定し今の一瞬で飛んできたのだ。

 グレンくんも一緒にガイコツたちの背後をとっている。

 見えなければ魔法を放つ瞬間の光も消えた姿もわずかなラグで背後への出現も察知できない。


 アンデッドだから正確には出現した瞬間理解するだろうがリボルバースケルトンは補充していたし色々遅かった。

 生命探知……確かに階がちがったり廊下や部屋の違いで鈍いなと思ったがやはり。


 どうやら思ったほどに万能ではないらしい。

 イタ吉はこれを本能的に理解しているのか。

 だから実体のない分身にサメゾンビたちが引っかかっていたのだろう。


 網から逃れられたらグレンくんをと思ったがこっちは大丈夫そうだ。

 しっかり念じておかないとかなり抜け出されそうな感覚は有るが。


「ゴ、ガ、ハ、ハ、ヤク! 助ケニ来イ!」


 ビリビリっとな。

 サメゾンビの1体がフラつきつつうまく逃げ惑うイタ吉を無視してこちらに駆けてくる。

 網を外すつもりだ!


「グレンくん、そっちを!」

「わかった!」


 さらにイタ吉がサメゾンビのうち1体に殴り飛ばされる。

 すぐ受け身をとり立ち上がって向かっていったもののイタ吉のほうが不安だ。

 精霊に準備させておいた光魔法"ヒーリング"をイタ吉に!


 イタ吉へ淡い光の玉を投げつけイタ吉の体が淡く輝く。


「よし! 元気万端!」

「いや、まだまだ危険域だから気をつけて!」

「ああ、だけど俺だって、俺だってなあ!」


 イタ吉が廊下の壁を使い高速で駆け抜ける。

 その勢いを何度も利用していったりきったりの交差。

 サメゾンビ1体の体が次々切り刻まれ……


 それでも振るう噛みつきに対してイタ吉は急激な姿勢変化。

 真下から這うように避けそのまま床を蹴る。

 そして尾で大きく切り裂いた!


「お前に負けてられないのさ!!」

「イタ吉……うわっ!?」


 イタ吉に見え隠れしているコンプレックスは1度私とイタ吉で向き合ったもの。

 それでもまた月日が立ち並びんで戦っていたからこそイタ吉は思いは膨れ上がったのかもしれない。

 けれどそれはマイナスにとらわれる思いではなく……


 今昇華する形へ。

 イタ吉が空中て(エフェクト)に包まれ姿が変形する。

 トランスだ……!


「おお! トランスとは!」

「えっ!? トランス!?」


 隊長さんが向こうでアンデッドたちを食い止めている。

 そしてグレンくんがサメゾンビ1体とかち合っている時にそれは起こる。

 その姿は……


「……あれ?」


 着地したイタ吉は……なんというか。

 まったくかわった感じがしない。

 毛並みの変化で格好良くなった部分はあるかもだが……


 すごくパッとしない。

 トランス……だよね?


「イタ吉、いったい何が変わって……」

「……なるほど(・・・・)


 イタ吉がにやりと笑う……そこにサメゾンビが両腕組んで叩きつけ!


「イタ吉横に跳んで!」

「なーに、大丈夫だ」


 そして……凄まじいインパクトでたたきつけられた。

 ……イタ吉とはまるで見当違いの方向に。

 サメゾンビに高度な感情はないだろうがそれでも驚いたのか一歩下がり警戒している。

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