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九百三十三生目 連撃

 私と召喚獣互いにすれ違う一閃。

 長剣ゼロエネミーの音は鳴り響き……


「クッ」


 やはり少しもらった。

 リスクは覚悟のうちだ。

 体が凍てつくような寒さと痛みを訴える。


「よっしゃあ! 追撃――」

「悪い、無理だ」


 召喚士がガッツポーズしていたが…、

 次の瞬間彼の表情は崩れた。


「な、なんで……!?」


 大きく召喚獣の体から吹き出る(エフェクト)

 彼の体を構成するはずのものが派手に散り……

 大きさが前のものに戻る。


「グハッ、つ、つええ……!」

「ふぅ……」

「おっと、俺を忘れているな?」


 ひと息つけた……と思ったらマズイ。

 プライドによる奇襲ローキック!

 鎧越しだが重い1撃!


「ぐうッ!?」


 浮いた私に対してプライドは畳み掛ける。

 肘打ち。2連膝打ち。アッパー。回転蹴り。

 強烈な連撃で吹き飛ばされ地面にころがされる。


「ッ……!」

「ダラアッ!」

「ウッ!?」


 更にそこから追撃の飛びかかり!

 息が出来ないが反射的に受け身をとりその場から逃れる。


「チッ」


 プライドが舌打ちひとつ。

 今のは痛かった……ぐっ。

 きっちり爪入れてきて怪我を増やしている。


 ちゃんと鎧を展開してなくちゃあさすがに大きめのダメージが入っていた。

 いやそれでも(エフェクト)の爪も含めて裂かれているせいか割と出血するほどのダメージだったんだけれど!

 痛ったい……なんとか息を整える。


「まったく、油断するとはとんだ傲慢だな。俺の前でよくそんな態度をとれる。これも俺の蒔いたタネの影響か?」

「な、なにを……」

「まあそこまで強い姿だとは思わなかったが……まだ上になれる(・・・・・・・)な」


 え……?

 もっと強く? 彼は私に何を見出して……


「さあ、思考に気をとられるなよ!」

「見せてやれ、お前のワザ!」

「うわッ!?」


 姿がかき消えた!?

 いや違う! "鷹目"でちゃんと追わねば!

 ギザギザに動き瞬時に加速と減速を繰り返し……近い!


「吠えろ!」

「ムーンブレイクシャウトォー!」


 盾の展開は間に合わない!

 鎧を前面に!

 プライドが吠えると(エフェクト)のゆれとともに凄まじいパワーが叩きつけられる!


 これは……前の時も食らったやつか……!

 咆哮の終わりとともに空へ吹き飛ぶ。

 受け身! うう……クラクラした……


 鎧もあまり防げず中に響いた。

 全身がビリビリして痛いのかどうかもわからないが……

 体力が持っていかれたのは確実。


 今度はこちらが攻勢に!

 まだ長剣状態のゼロエネミーを連れプライドの元へ飛ぶ!


「まだ平気か! 良いな、狩りがいがある!」

「一体、蒔いたタネって……あれってなんなの?」


 先程の威力を見たにもかかわらずプライドは怯むこと無く私達に向かってくる。

 長剣ゼロエネミーは大きくゆっくり回転しつつプライドに迫る。

 移動速度自体は速い。


「何もなんもなく、お前の力を促す……それと、他のやつらの神力も集める」

「後半は前聞いてなかったよ!?」

「そうだったか? まあいい、その姿を見るに……力に耐えられてはいるようだな。だが……この強いにおい。蒼竜がデカイ顔してやがるな」


 ニオイでバレるものなのか。

 プライドの場合理屈をこえて理解することが多いのであまり深くつっこんでも意味がないだろう。


 長剣ゼロエネミーが斬りかかると半身ズラしたあと安全な部分を腕で殴りつけるように押し付け避ける。

 腕が惜しくないのかと思えるほど。

 召喚獣だから確かに惜しくはないのかもしれないが。


 私自身はそのまま中距離を保ちつつ"千の茨"!

 強烈に振り回して攻め立てる!


「一応神使ってやつらしいからね……」

「俺等の力の完成よりも先に目をつけられたか……まあ俺が勝手に仕組んだだけだがな。だけど、変化そのものは着実みたいだな!」

「ガンガンやれ! こっちの行動力(エネルギー)は気にするな!」


 背後から斬りかかる長剣ゼロエネミーを大きくジャンプし避ける。

 空中で制御が甘くなったところをイバラ伸ばして追撃!

 って空中で回ってそのまま急降下蹴り!


 鎧を展開してなんとか受け止める!

 武技か……!


「変化……!? 蒼竜の力以外に、何が……」

「気づかないのか? それとも気づいていないフリか? おかしいと思ったことはないか、その姿は自分の望んだ姿全てか、あとは……蒼竜に頼らず神の力を発動したことは?」


 受け止めているのに連続でそのまま蹴り込んでくる!

 地面に落とされ足で踏ん張るもなかなか押され後ろへ。

 雪がたまって止まったところに蹴り飛ばしてジャンプし距離を取られた!


 "千の茨"と剣ゼロエネミーで反撃だ!

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