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九百二生目 振回

 強大な敵スケルトンキングとスケルトンナイトたち。

 コロロがドラーグに提案したのは「基本」だった。

 一体……?


 ドラーグは口の中が切れたのか血を吐き捨てる。

 ドラーグの外見をしっかり見えないからどれだけ戦えるかはまだわからないが……

 あの大槌をもう一度喰らったらシャレにならないだろう。


 ドラーグは地面に降り立ち低く構える。

 隊長は先に駆けてなんとか切り崩せないか模索。

 双剣のきらめきが盾の(エフェクト)に邪魔され強く弾かれ火花が散る。


「ぐっ、このままでは!」


 素早い目にも留まらぬ連撃で押す力は強いものの盾たちは揺るがない。

 そこにドラーグが4つ足で駆ける。

 勢いよく飛び込んで……!


 あれ? 視界が変わる。

 暗転したあとどこかに移動した?

 突進は?


 そうこうしている間に視界は空へと向けられる。

 空にはスケルトンたち……

 そうか!


 ここはスケルトンたちの影の中か!

 彼らが固まって大きな影を作っていたし楽に飛び込められたのだろう。

 ドラーグの能力で昔から見たことがある。


 こうなればあとは簡単。

 影を移動し……

 そしてスケルトンキングの背後へ移動する。


 後は音もなく勢いよく半身影から飛び出す!

 今度こそしっかり攻める。

 半分腕先を影に浸しそこからするどいひと振りを斜めに両方切り裂いた!


「む! 見事!」

「まだまだ!」


 大きな鉤爪が影の(エフェクト)により生み出されていた。

 それによりスケルトンキングの背後のマントごと骨身が削られていく。

 連続で斬りつければ振りをやめようとしないスケルトンキングの動きも変化する。


 足が切られれば体制が崩れ背が切られればのけぞり頭が切られれば揺らぐ。

 そしてその結果振り上げる大槌が勢いよく戻る。

 つまりドラーグへと振り込まれる!


「パパ避けて!」

「うん!」


 コロロがいち早く察して影の中にふたたびダイブ!

 大槌は空振り勢いそのままにスケルトンナイトたちにぶち当たる。


「蹴散らされたか。今が好機!」


 隊長もかなりの腕前らしく双剣を構え(エフェクト)が集まる。

 そして素早くスケルトンナイトたちに駆け抜けるように走り抜き際に連撃を叩き込む。

 まさに速すぎる攻撃だ。


 対してスケルトンキングは唯一の攻撃手段である槌をいまのでうっかり離してしまう。

 そしてそこにドラーグが全身を出して寄った。


「パパ、よろしく」

「うええ、本当にやるのう……?」


 ドラーグは嫌々ながらもやったこと。

 大槌を持つことだ。

 ドラーグの視界にガイコツの束ねられたきみの悪い大槌……そしてガイコツ頭が映る。


「うわっ、こっちみた!」

「パパ、気のせい。さあ、やろう」

「あう……よし、せーのっ!」


 ドラーグの20mはある体格とパワーからすれば重いとはいえ大槌を持つことは可能。

 そのまま大きく振りかぶって……

 大槌の重さを生かした回転スイング!


 大槌はスケルトンキングの頭を捉える!

 頭が激しく回転して大槌がズレ……


「パパ!」

「まわーる!!」


 だがまだ止まらなかった。

 大槌を持ったドラーグは回転しさらに勢いを乗せてスケルトンキングの回転頭を叩く!

 見事に打ち上げがヒットして……


 そのまま振り抜いた!

 スケルトンキングの頭は遠く遠くへ吹き飛ぶ。

 ドラーグはついでに大槌を勢いのまま手放しスケルトンナイトたちに突っ込ませた。


 さすがにいつも大槌に吹き飛ばされているだけあってスケルトンナイトたちは為す術無く吹き飛ぶ。

 スキを見逃さず隊長は次々スケルトンナイトたちの首を砕いた。


「はらほらひれはら〜」

「めがまわる〜」

「各陣! 今が好機! 攻め崩せ!」

「「ウオオオーッ!!」」


 隊長の指示に周囲で戦っていた軍兵がニンゲンも魔物も関係なく怒声を上げる。

 スケルトンキングは頭を無くして彷徨っていたが次々押し寄せる兵たちによって順に解体。

 スケルトンナイトたちも総崩れとなった。


 ドラーグとコロロは目を回しているが……

 とりあえず安全は確保された。





 ドラーグたちは順調に撃破を重ねていった。

 こちらの軍勢はまだまだ少ないものの邪気の払われたアンデッドたちに日中での戦いはかなり有効。

 壊れた青壁近辺の安全確保と精神汚染された兵たちの回復……

 それにドラーグは影に潜る力でこっそりと中へと潜入していた。


 あの帝都山脈の中……

 果たしてどうなっているのか?

 帝都民は無事なのか?


 そして……私も見ることで印象付けて(くう)魔法"ファストトラベル"可能にする寸法だ。

 ドラーグたちは有り余るほどの影を伝い黒い大地の中へ。

 山から出てくるアンデッド軍の影を伝い山間の大きな影で一気に崖上へ。

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