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八百八十八生目 規模

 私は医者診断で絶対安静。

 帝都現地の様子を教えてもらおうとつないだらちょうど動きがあったらしい。


 映ったのは空からの景色。

 これ慣れてないと酔うんだよね……

 それはともかくこの共有している魔物は鳥型で高く飛んでいれば確かに誰にも異常を悟らせずに済む。


 だが現場はそんなことすら気にさせない雰囲気があった。

 別に帝都の絶対防御壁が壊れたわけではない。

 確かにエネルギーを送り込む装置は壊したものの根本的にあれは予備の役割。


 つまりそれぞれが負担を分割して使っていれば安全安心に運用できるというもの。

 帝国が調べた限りではもし帝都内だけのエネルギー送信をして強大な防護壁を維持し続けた場合……

 おそらくはガタがくると。


 そしてむこうもそれはわかっている。

 それほどまでにあの結界は強大で同時に効率が悪い。

 帝都内の龍穴からの龍脈エネルギーが豊富でもその維持だけに回すわけにはいかない。


 あらゆる点で長時間維持は不可能。

 実は後すこしコチラ側から何らかの攻め手で破壊可能ではないか……

 とまでこっそり裏情報を仕入れていた。


 帝都周囲は平地。

 実は戦略上の有利不利もあったもんじゃないたんなる平野が広がるのみ。

 交通の要としては圧倒的に有利だが攻め込むのにたやすく守るのに難しい。


 それでも帝都が帝都として君臨しつづけたのは……それほどまでに軍事力が特筆して高かったからだ。

 どんな戦いも勝ち続ける総合的な軍事力……

 それが攻め落とされたのだから世界的ニュースなのだ。


 そして今再び奪還しようとしいう動き。

 鳥魔物くんから借りてる視界に広がるのは上空から見た軍隊。

 彼らが大きく声を上げ武器をかかげている。


 拠点も作り移動中に脱落するものもかなり少ない様子。

 それどころかあちこちの街で兵をどんどん増やした。

 どれもこれもマジックではなく私達なんかが地道に行ったことが功を奏したのだ。


 簡易的な司令塔も作ってある。

 あれはアノニマルースで使ったものと効能は同じ。

 広い範囲へ軍事的に魔法を使うためだ。


 もちろんひとり用ではなく多数の魔術師たちがすでにスタンバイしている。

 兵士たちが本格的に取り囲み武器をしまいこんでいるものはあんまりいない。

 螺旋軍たちは……いたいた。


 鎧が銀色にピカピカで目立つ。

 さらに他と違って雰囲気が異様。

 またの多くが鈍器を持っているのも特徴だ。


 彼らは……なんなのだろう。

 確かに臨戦態勢で熱は感じる。

 だが位置取りからしても少し後方。


 帝都奪還軍が様々なところからかき寄せた多くの集まりで熱の上げ方も直線的ならば……

 螺旋軍はまさに統一された集団で熱の上げ方は敵への殺意ではない。

 祈りだ。


 彼らはみな一様に祈っていた。

 何か特別な効果を発揮する祈りではない。

 ただ螺旋のシンボルを握りただ黙する。


 それだけなのに異常なほどに熱を感じた。

 信仰の熱意だ。


 帝都奪還軍たちはさすがに軍事慣れしているらしい。

 平地に様々なものを配置し塀も掘り。

 ただ一様に並ぶのではなく散兵も多く見られる。


 だがそれだけではなく従来式のように並ぶ兵も見られる。

 彼らは重装の兵士たちのようだ。

 この世界銃弾が最強ってわけでもないからね。


 さらにまだ待機状態だが飛行兵も見られる。

 調教したワイバーンなんかの魔物を使役しているようだ。

 全体的に皇国軍どころか周辺諸国が見たら泣いて逃げ出す程の贅沢装備たちだ。


 他にも数え切れないほどの兵種に兵器それに戦車……とは言っても走る鉄塊の方でなくあくまでこの世界基準のもの。

 さすがにあれまで出てきたら泣くだけではすまないし。

 なお撃ち出す砲弾は魔法と化学たっぷりの大爆撃砲。


 あとよく見たらいわゆるワイバーンは騎馬みたいな扱いでさらに空兵らしきものが飛ぶ準備している。

 良くわからない機材をあちこちに取り付けてごくわずか上空に浮いている。

 魔法の中でもおそらく才能に頼るタイプとみた。


 そしてそれほどまでに慌ただしく動いているということは……


『戦争が……始まる!』

『今仲間も連絡を取り合っている。アノニマルースとしても動きを整えるつもりだろう』

『わかった、だけれど気をつけて、最初の動きで互いにどう動くかわからない。軍事魔法や兵器は広範囲に被害がおよぶし……抜き出た個人の競り合いに巻き込まれたら、たまったもんじゃないから』


 そう。

 私がそれら大規模な軍備よりも危険視しているもの……

 それは互いのエースだ。


 私がぶつかったダカシの妹アカネや帝国奪還軍の有する超強力な誰か。

 個人で大軍隊を揺るがす存在は対立するだけで周囲に危険がおよぶ。

 このアノニマルース偵察隊だって例外ではない。



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