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八百七十三生目 神問

沼の神についての記事です! 特に後半は注目……?


https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/473009/blogkey/2300523/

 残った可能性。

 グルシムとは鳥の王である。

 はるか古代に敗北して死んでしまったのか生きているのかさえ半端なまるでアンデッドのようなその存在。


 いやでも……


「え、グルシム神、すごい排他的で、この鳥の王の特徴とはまるで違いますが……」

「もちろん我々の神でもない。とは言え我々の神は命そのものは寄せ付けない。神聖なる死を、影の中で守っているからな。なので、我々も近寄れない。ただだからこそ、特定の相手以外には寛大……まあホンニンが否定しているか――」

「いや、待ってください。そこもうちょっと深くお願いできますか?」


 さっきは重大じゃないと思っていた部分。

 自分の中で変に引っかかる……


「え? あ、ああ。まあ我々の神は、そもそも死の管理をしている。死の管理をしていることで、あらゆるものが生きていることを確立しているんだ。そして影の世界を支配し、操って、死者たちの安寧をずっと守るんだ。だから、自分たちが狩るハーピーたちの魂も、植物たちでさえ、等しく迎え入れる。死者ならね」

「つまり、生者は歓迎されない?」

「うーん、まあそうなんじゃないかな。自分は詳しいとはいえ、我々の神にあったことはないので。とはいえ明確に敵対するのは、死者を暴くものだよ。ちょっとよくわかんないんだかれど、死が眠る場所で、ニンゲンは死者をわざわざ暴きに来るんだって。だから我々の先祖は、ニンゲン狩りを許諾されたそうだよ」

「ふむ、やっぱり自称助手、かなりわれらの神に詳しいね……それにしても、ニンゲンたちはそんな習性が? ぼくにとってのライフワーク、すなわち、神殿の復元と保存に似ているかもしれない……過去の誰かのものを、解き明かしてしまうというのは、確かに守り手にとってはうれしくないかも?」


 ペリュトンが誰と話すでもなく言葉をつぶやいていく。

 死者を暴く……私ならわかるな。

 ようは墓荒らしだ。


 つまり墓荒らしのように相手のテリトリーに踏み込むと怒りをくらうわけで……

 しかも私が光を使った時に変わった反応していたが。

 しかしグルシム自体はペリュトンたちの神であることを否定していて……


「参考になった……か?」

「うん、ありがとうございます。なんとなく、行動そのものは似ているんだけれど……崖の下は死の世界なのは明らかだし、そこを守る存在ならば、たしかにこちらを攻撃する理由がある……しかも警告してから。でもグルシム神はペリュトンさんたちの神であることを否定していて……」

「うーん? ちょっとよくわからなくなっちゃったね。われらの神ではないとは思うんだけれど、鳥の王にしては変で……」


 ……ええいこうなったら!


「ちょっと知り合いの神と話します!」

「えっ」「知り合い!?」


 ツッコミは軽く流して。

 例の大神ドヤ顔が浮かんだか無視。

 "以心伝心"で念話かける相手は。


『はーい! いつでもどこでも安心安全愛のデリバリー私、ホルヴィロスでーす!』


 そうホルヴィロスだ。


『ホルヴィロス、聞きたいことがあるんだけれど、神様ってその信仰心が……むしろ存在そのものがほとんど忘れられたとしたら、どうなるの?』


 神話というものが前世と同じ性質をもちなおかつそれがこっちの世界では現実の神に対して影響を与えるとしたら……

 私のその思惑がやっとはっきり形になるまでふくれあがっていた。

 これが私の胸の奥で引っかかり続けていた部分なのか……!?


『えっ、そうだね、どう、か……ちょっと難しい話になるよ。前提がいる話なんだ。神は確かに色々いて、それでも大半は、私みたいに普通に生まれる。あとから成るものもいるらしいね。けれど、それだけだとまだ本来の力じゃないんだよ。認知され、信仰……つまりみんなの心と繋がりができて、初めて十全なパワーが得られるよ。けれどね、そうして成長したあとに、もしその存在が忘れ去られることがあったとしたら、誰かとのつながりを力にして成長してきた神にとって、ひどい衰弱化を起こすだろうね。自身の存在が揺らぎかねないくらいに』

『それは、死んだり……?』

『ローズたちの思っている死ぬと、神の死ぬってのはちょっと違うかな。命が失われるんじゃなくて、自身の存在が曖昧になるんだよって、聞いたなあ。概念に溶け込んで、世界の一部になるって。誰かが思い出せばまた変わるんだろうけれど』

『じゃあ、もしその世界ごと……迷宮だったら迷宮ごと壊したら、どうなる?』


 神の死の概念……それ自体は初めて聞いたけれどなんとなく理解できる。

 神様は誰からも忘れ去られたら存在すら難しくなる……と。

 だからこそ。


『えっ!? なにその想定!? ええ……もし、そんなことがあったら、まあまさに、二度と存在ごと復活しないよね……』

『なるほど……ありがとう。あと、本人を信仰しているつもりで、信仰が大きく別のになっちゃったり、なんなら他の信仰に食われたりしたら、なんてのもわかる?』


 もう少しで仮説にたどりつくかもしれない。

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