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八百七十生目 仮説

 私はグルシムや鳥の王それにペリュトンたちの神の調査。

 ドラーグとアヅキにキトリそしてダンはコロロ捜索をしていた。

 落ちた位置におらず生きていて反応がないということは白いモヤのせいでまだ寝ていてなおかつどこかへ移動している。


 モヤの下の可能性もあるがそこだとグルシムをどうにかしなくちゃいけなくて……

 グルシムがコロロに関与しているかはわからない……というより言い回しがやたら突き放すものでどうとったら良いかわからなかった。

 改めて聞く必要がありそうだ。


 なにせこのモヤの下はおそらくはグルシムしかいない……

 ほとんど犯人はグルシムなのだが素直にどうしたかを話してくれるとは思えない。

 もしかしたらどこかに転移させられている可能性もあるためみんなは探し回っている……というわけだ。


 私としてはグルシムがコロロを隠して魂を食べようとしている説が浮かんだが話してはいない。

 その場合も含めて迅速に動かないと。

 グルシムに関して疑問が多いのは私だけではない。


「やはり、ニンゲンの顔をもたない相手に対して攻撃的なのも含めて、変だよね」

「自分も知る限り敵対的な相手は、ニンゲンと墓を荒らすものなだけです。我らの神は、死を司るということで、墓守でもあるから」

「墓守……うーん、あそこにお墓はなかったよなあ」


 墓守にしては何も無い場所にグルシムはいた。

 縄張りにいる相手を無遠慮に排除するタイプに感じたが……

 それにしては攻撃までに時間があったしなによりグルシムも神。


 色々と対応がおかしい。


「それに、その神は我々の神だということを否定した……そのあたりも変だ。じゃあ我々の神はどこに? やはり……」

「そういえば、ペリュトンさんたちの祖先はここに逃げてきたんですっけ。話としては、ここに逃げ込んで来たとされてましたが……」

「あ、そう聞いた? あー、それは私の仮説とはズレるんだよ。向こうも仮説にすぎないのに、いつの間にか定着しちゃっててさ」

「えっ、もしかして違うんですか?」


 そういえばそのように考えたとしていただけで……確定の話を聞いていたわけではない!?

 だとするとグルシムって……?


「我々の神がいたところに逃げ込んだ、とするには少しおかしい。ええと……この世界が迷宮と呼ばれる小世界で

、外界があるのはご存知で?」

「え、あ、うん。私達は外界からきたから」

「どうりで! じゃあ話が早い。ここの入ってくる場所、どうでしたか?」

「どうって……確か高い山々のひとつの……」


 ……あっ。

 もしかして。

 ペリュトンたちの神は『遥か地の底』にいるのにペリュトンたちが逃げ込んだのは『遥か高い場所』なのか!?

 私の察し顔にペリトンがうなずく。


「そう。我々の先祖は高い場所へ逃げ、そして今も自分たちは高い場所に住んでいる。それに狩りの時に相手のホームに追い詰めるというのも変な話だからね」

「じゃあ、本来のペリュトンさんたちの神が住む地下世界から離すために高いところへ追い込んだ、と?」

「そう、ぼくたちはそう思う。迷宮の話を昔親から聞いた時はワクワクしたなあ。ちょっと確かめたりして。誰かがいて慌てて帰ったけれど。それにこの説はもう少し裏付けがあって……そのために私は復元をしているのもあって、少しずつ私も読めるように勉強しつつ直しているんだけれど。この迷宮のはるか過去について。創世神話の部分、ちゃんと全部読んだ?」


 ええと確か……


「世界は初め、不毛な崖の地だった。鳥の王は、この地を息づかせるために、多くのことを行った……」

「そう! だけど大事なのは、その初めの土地の部分。最初の地形に関する文面は、1階にもあったんだけれど読んだかな?」

「ああ、まだ読めてないんですよ。現地に行って、私も読みます!」

「その方が良い。自分は読めないが……解釈は複数人で照らし合わせたほうが、良いらしいからな」

「それに、ぼくもまだ完全に読みきってないからね」


 私達は立ち上がり神殿へと向かう。

 この文面は……脳内にしっかり記憶した!






 神殿に移動して1階を探索。

 やはりまだまだ読んでないところが多かったらしくペリュトンたちの案内がなければとてもじゃないけれど読みきれなかった。

 絵も川がながれ魔物たちが歩んだり飛んだりそれを見守る鳥の王の姿とか単体では全体的によくわからないものも。

 さすがになれてきたのとペリュトンの解釈でかなりスムーズにゆき……


「おーつかれさま! ここで1階部分は終わりだよ! ぼくもかなりがんばったよー!」

「じゃあ、照らし合わせましょう」


 かなり今回は頭を使うな……

 ペリュトンたちとの会話で答えを見つけるために脳内メモをしっかり確立しておこう。

 さあやるぞ!


「まず創世神話……の前の話でしたね」

「そう。深い谷あり。地を流れる川は我々を押し流し、崖は崩れ、実りなき崖は互いに肉を奪い合い、穴蔵に身を潜めた……とされている部分だね」

「ええと私の解釈文……こほん。この迷宮の、永遠の滝つぼみたいなところは間違いなく住めないし、崖は崩壊したり潰してくるし、実りもやたら少ないから、この神殿を作った者たちは崖の穴の中で暮らしていた……んですよね」

「いや、今のですでにおかしくないか?」


 うん……? あれ? 確かにこれはなんなんだ?

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