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八百六十八生目 地雷

 攻撃が当たらない。

 攻撃を当てる工夫は多くこらしているがまるでダメ。

 そもそも前段階の相手を拘束する魔法なんかすら避けられる。


「はぁ、はぁ……!」

「貴様のはカスリもしない。諦めろ」

「……ッ!?」


 いつの間に目の前に!

 グルシムが強く羽ばたくとその破れた翼から風の刃が解き放たれる!

 "防御"!


 大きく吹き飛ばされつつ全身あちこちを斬り裂かれる!

 危なかった。

 防いで無かったらまた痛手を負うところだ。


 グルシムの攻撃は致命打を与えるものはほとんどない。

 その代わり私に対処不能な速度でじわじわと連続攻撃で削ってくる。

 見た目まるで死体なのにスピードタイプとは……!


「……ね、ねえ! なんでグルシムさんは通してくれないの、あなたペリトンたちの神なんですよね! 私はニンゲンの顔じゃないから関係ないはずです!」

「何……?」


 うん……!?

 いきなり空気がピリッとしだした……?

 ペリトンたちの神で合っているはずなんだけれど。


「だから、通してください!」

「……赦さん、俺はこの地の王、俺は他の誰でもない……!」

「えっ……!?」


 少し今の言い回し引っかかったが…… それよりも目の前の驚異だ!

 大量に闇の(エフェクト)をまとった風の刃があちこちに吹き乱れる!


 これは大きく動くと危ない!

 "鷹目"でしっかり周囲確認しつつ……

 ギリギリで避け抜ける!


 ほんの少し軸をずらすように避けて。

 刃や風が真横や真上を通り過ぎるのにキモが冷える。

 轟音とともに私の身体を斬り裂かんとどんどんと放たれる。


 お返しに連続針射撃をするものの針が当たる瞬間に分裂と再集合をどれだけでも繰り返される。

 しかも攻撃は特におさまらない。

 つ……つらい!


 この戦い……集中力を切らした方が負ける!





『ろ、ローズ様! 大変です! こっちにはいません!』

『うう、やっぱりそこまで都合よくいかないか……相手は強すぎるし……』

『それと、さっきのペリュトンたちから伝言だ。その怪物、ローズでもどうにもできないんだろ? もしかしたら対処のヒントが見つかるかもしれねえんだ。一度戻ってこれないか?』

『本当!? ちょっとでも可能性あるなら!』


 はっきりいってこっちの戦いは不毛を極めていた。

 私が放ったあらゆる攻撃はすべて回避される。

 逆にグルシムの切り裂いて蹴り飛ばしで風をなぎ影の中から攻める攻撃。


 確かに驚異的ではあるものの私の回復能力のほうが優れている。

 さすがに私も警戒して動くから大きなダメージははいらなくなったし……

 とりあえずやれることやってそれでもダメなら逃れよう。


「かすりもせん、諦めろ……いい加減」

「ハァ……ハァ……これでも!」


 今はまた天地が逆さまになっている。

 この状態でもコロロが地上にいないあたり天地が逆になった程度ではダメらしい。

 私は花飾りに行動力を集めていく。


「仲間をキミが喰らうのだけは、阻止する!」

「防ぐのか? 食うものなどないだろう」


 ……? さっきからこのちょっと会話がつながっているか怪しいものが続いててちゃんと考えれない。

 グルシムの猛攻はまだ止まらず一瞬で近づいては切り裂き一瞬で離れて風の刃を放つ。

 聞いてもはっきりとはまったく答えてくれないし。

 とにかく!


 "毒沼に咲く花"発動!

 この場にたくさん麻痺させる花粉を撒きまくる!

 そしてグルシムへも!


「なるほど、考えたようだな」


 グルシムが強く羽ばたくと淀んだ空気たちが一気に吹き飛び花粉もどこかへ飛び去っていく!

 あー! 悪あがきだったが駄目か!

 これなら避け続けられないからと思ったのに!


 ただ時間は稼げた!


「私達の仲間、崖で潰したら許さないからね! 絶対戻って来るから!」

「二度と来るな! 俺ではなくとも、そいつは傷つく。せいぜい急げ」

「くっ……」


 確かに多くの危険がしんがいにはありそうだ。

 グルシムが手を下す前に危険にあうかもしらない。

 私が探知したときコロロはしんがいより上にいた。


 だからなんらかの原因で落ちてあの黒い層より下に行く前に助けねば。

 急ごう。

 "ファストトラベル"!






 なんとかワープで逃げてこれた……

 ドラーグとダンとも合流できたし。

 さらに……


「後は任せられるところまでやってきたのですが……何やら一大事の模様。私もここからはやらせてもらいます」

「チチイッ」

「ありがとう、アヅキ、キトリ!」


 アヅキが一段落したらしく呼び出しオーケーになったので召喚。

 これで救助メンバーは完璧だ。


 だが大事なのはコロロの生死だ。

 あのグルシムに関する情報も気になるが改めて私もチェックしておこう。

 見逃しがあるかもしれないからね。

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