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八百五十二生目 金鎖

「ニンゲン!?」

「どこに!?」

「うわ、本当にニンゲン……ニンゲン!! ニンゲンは狩る!!」


 まずい各地に潜んでいたペリトンたちにバレだした!

 みんな一斉に飛び立ちダンの方面へ向かっている!


『一応わからんから俺も隠れながらやってたのに、なんでバレたんだ!?』

『たまたまスキマから見えた!』

『うわちゃー! ていうか速いな! 足止め、できるか!?』

『わかった』


 とにかく前に出ないことには!

 魔法準備しつつ"時眼"!

 対象は自身で加速化!


 加速力がほかを置き去りにするほど早く。

 一瞬にして相手との距離を詰め……抜いた。

 そのまま前に出て"時眼"解除!


「みんな、とまれーッ!」


 先回り成功。

 来るまでもう少し時間がある。

 対象出来うる限りロックオン!


[ソウルシャッカル 相手の魂を縛り付けてその場から動けなくなくする]


 幸いペリトンたちはそこまで強くない。

 しかも霊の魔法だからだいたい聖魔法が通りやすい!

 いけるはずだが……準備間に合え!


 後退してダンの近くによりつつペリトンたちをしっかり視認する。

 5体……10体……


「どくんだ!」

「危ない!」

「ニンゲン……この心、止められない!」

「そこにいちゃいけない!」


 口々にペリトンたちが私をどかそうと声をかけてくる。

 でもダンの空中速度はけしてそこまで速くない。

 あくまで走る速度だから。


 合計27体対象!

 後から遅れてやってくるのは後回し!

 高度魔法構成!


 エアハリーだと魔法が軽くなりがち。

 とにかく行動力を魔力に変換して数が多い分を間に合わせる。

 限界まで下がりつつギリギリまで引き撃ちしよう。


「「どけーっ!!」」


 速い3体が接近。

 まだだ。

 狙って。限界まで唱えて。


 より強めて。


「止まってくれないなら!」

「「うおおおーーっ!!」」


 目の前。


「止める!」


 発動! "ソウルシャッカル"!

 一瞬であらゆる方向からどこからともなく太い光の鎖が伸びる!

 1体あたり3本程度の鎖がペリトンたちの身体に飛び込むといきなりペリトンたちの動きが止まる。


 ただ固まるのではない。

 空中で勢いすら止まり。

 何も動くことなくその場で止まったのだ。


 成功だ!

 光の鎖はすぐに消えるが動きは止まったまま。


「おおおーっ!! ニンゲンーー!!」

「新手……!」

『みんな、少ししか止められないからすぐに脱出するよ!』

『おお……さすがは主!』

『了解しました! ペリトンたちを避けつつ高速で向かいます!』


 みな目に血を走らせたまま像のように動かない。

 しかも空中で。

 10秒経過!


『ちいっ、こういう時に速くねえのは困るなっ!』

「捕まって!」


 ダンに追いついた!

 私の身体に捕まってもらって……重い!

 運ぶ!


(あ、あんていしない〜!)


「すまねえ!」

「飛ばすよ!」


 20秒!

 ぐらつくのを無理やり立て直しつつ高速化!

 "時眼"ふたたび!


 うぐぐぐぐ……!

 急げえーッ!


(動き出すぞ!)


 なんとか速度は乗ったがまだ道には逃れられていない。

 結構空間が広いから……

 30秒!


「「――らあああっ!! あ!?」」


 まずい解けた!

 だけど今混乱をしている!


「主、おまたせしました! ここだ……!」

「アヅキ!」


 アヅキが私の背後に飛んできた。

 錫杖を振りまた激しい広範囲竜巻!

 風が逆巻き混乱しているところにぶちこまれ吹き飛ぶ!


「「わああぁ!?」」

「行きましょう!」

「相変わらずえげつねえ威力だ!」


 空を飛ぶ魔物は多かれ少なかれ風を掴んで飛ぶ。

 そのためこうやって風流を乱されるとペリトンたちすらあちこちへんな方向に飛ばされ弾かれる。

 脱出は今がチャンスだ!





 そのままドラーグたちと合流したあと崖の道へ。


「ニンゲンー!」

「影を! 影をー!!」

「しつこいなあいつら!」


 崖の細い間を通り抜け崖のトゲたちををアインスが踊るように避けて背後確認。

 ぞろぞろとペリトンがついてくる!

 速度的には勝っているのにおそらくは地の利で負けている。


 "時眼"は連続では使いたくない……

 私はダンを連れている以上ぶっちぎっては飛べないしそもそもドラーグやアヅキがいる。


「――って感じで、彼らはニンゲンを襲うんだ!」

「えええっ! コロロ、影、気をつけて」

「……うん!」

「主の前で血を抑制できぬとは、不敬な奴らめ……!」


 アヅキがそれをいうかな……とは思いつつ。

 目の前の上下に狭いはざまを通り抜け……


「うおっ、タマヒュンするぜ……」

「ちゃんと捕まっててね!」

「も、もちろん!」


 このままだと疲れて追いつかれるか向こうが疲れて事故が起きる!

 また魔法かけても良いけれど……

 結局その後追われるものなあ。


 何か……この場所を使って振り切れないか?




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