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八百二十八生目 先生

 ハックの青空教室はみんなろくろ回しに苦戦しつつも好評なまま進んだ。

 私も"変装"してもぐりこんだかいがあった。

 そうこうしているうちにみんなの皿の成形が終わる。


「うわあ、良いなあ! 大小さまざま! みんなちゃんとポイント抑えて作っているから、出来てもほとんど破綻はないよお! ここが難しくてなかなか出来ないんだけど、うまいねえ、すごくいい!」

「せんせーの教え方がうまかったよ!」

「楽しく出来ました!」

「せんせーがかわいかった……」


 実際に妖精先生と共にかなりうまく出来ていたと思う。

 私も楽しかったし。

 出来た皿はどんどん原型がなくなっていっそのこと思い切ったが。


 出来上がった皿はもはや花である。

 バラのような美しさはないがまあなんとも言えず満足はできたかな……


「ちなみに、経営に関してはまた別の話なので、独立するときはそちらの授業を受けてくださいね!」

妖精先生(プリパパさん)もありがとうございます! この授業は一旦ココで終わりますが、焼き上げた現物も数日したら渡しますね! ぜひこの陶芸に興味が湧いたら、別の本格的訓練も受けてみてください!」

「「はい! ありがとうございました!」」


 ハック……すっかり先生の顔になったな……

 ってそうだ。

 私のやる方も急いで準備せねば!


 解散するみんなの姿に紛れて私は仕事場へと急いだ。






「はーい! 冒険者本格コース最終日の人はコチラデース!」

「こっちでーす!」


 私の青空教室サポート先生は陸を駆ける大きめの鳥先生だ。

 ちなみに飛ぶこともできる。

 万能。


 私よりふたまわり大きいから派手な羽毛がとにかく目立つ。

 そして当者も快活。

 まあ目立つのであっという間にみんな集まった。


 ここは冒険者初心者を鍛え上げてチームを組み無事に生きて戻って信頼を勝ち取りまだ見ぬ何かを見つける場所。

 きほんのほの字を習っていく。


「全員集合したデース! では、おはようございマース!」

「せんせーもうそろそろ日が暮れます」

「大丈夫デース! 仕事の時の始まりは、おはようございますなのデース! さあさ!」

「「おはようございまーす」」


 集まっている15匹の面々はなかなかのやる気に満ちている。

 彼らのレベルはバラつきがあるがみんなここで初心を学んだ。

 机上のことから身につける動きそれに細かなテクニックも伝えたから……


 今夜彼らは現地へ駆り出されるわけだ。


「最後の日は本物さながらの依頼達成を目指して動いてもらいます。危なくなった時の動きは事前に伝えてあるとおり。もし依頼達成どころではなくなっても、コチラはそちらが死亡するまで手出ししないため、そのつもりで動いてください。ちなみに依頼はここから24時間が達成期日となりますから、それも意識してください」

「今まで教えたことをぜーんぶ活かして、生き残って栄光を掴むのデース! 全員無事に帰ってきてくださいネー!」

「「はい!」」


 それぞれに振り分けた依頼……実は少し難しい。

 彼らには生き残る術を教えたが何より遠回りしてでも生き残ることを優先するのをよく教えた。

 依頼途中で抜け出して帰って休むことも大事なのだ。


 15匹はまずそれぞれのチームに別れる。

 5匹ごとの基本的なパーティーだ。

 実力ごとにわかれている。


 ちゃんと依頼を渡して彼らと別れて……


「ヨーシ! では、やりまショー!」

「ここからが私達の仕事ですね」


 さっきああは言ったが私達はここで放置するわけがない。

 本物さながらの緊張感をもってやってもらうためだ。

 鳥先生は自身とまったく同じ姿のコピーを目の前にだした。


「「これで2チームは見マース! そちらも1チームよろしくお願いしマース!」」

「はい、こちらこそよろしくお願いします」


 鳥先生たちはそれぞれ2チームの後を追いだす。

 私も残り1チームを追おう。





「うわっ……結構くらいなあ」

「大丈夫ですか? 明かりをつけます?」

「いや、松明は下手に向こうを刺激しかねないからもう少し安全を確保しよう。幸い半数は夜目が効く」


 洞窟の暗い中を進む5匹。

 身をかがめている鉄兜の魔物。

 三角帽子を深くかぶった小さめな子。


 荷物を背負ったリーダー格。

 鉄爪を研ぐ前衛魔物。

 身軽スカーフ鳥魔物。


 彼らが私の見守る対象だ。

 あの三角帽子の子はどこかでみたことあるような……

 なぜかさっきみたハックの笑顔がちらついて集中して考えられないしまあいいか……


 彼らは私に気づかずに歩み続けている。

 洞窟でも結構隠れるところはあるものだ。

 色や気配も調整しているしにおいの流れも気にしているからまあまずバレない。


 そもそも"千里眼"や"見透す眼"で遠くから見ているからまあ見つからないよね。

 彼らはどうやって突破するかな?

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