表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂おしき恋をあなたに捧ぐ
816/2401

八百十一生目 相談

 ホルヴィロスからとんずらした。

 しかし分神に回り込まれてしまった。

 幸い分神はそこまで強くないらしい。


『で、結局どうよ、勝てそうにないのか?』

「おーい?」

『正直あのまま戦い続けていたら追加のナニかでトドメ刺されていたと思う』

「もしもし?」


 "以心伝心"による念話でホルヴィロスを省いて会話。

 近くをウロウロしているが攻撃意志はないらしいからムシ。


 ホルヴィロスは圧倒的手数に加わり常時痛みを与えてくる毒を降らし続ける。

 あれは厄介だ。

 ニンゲンなら毒の痛みだけで動けなくなってしまう……がそこじゃない。


 "頑張る"の意味がなくなることだ。

 あれは大きな1撃で生命力がピンチになっても耐えるスキル。

 ずっと痛みを与えてくるものとは相性が悪すぎる。


 保険なしの戦い。

 かわりに戦った感触としてホルヴィロスはレベルよりも戦闘慣れしていないことか。

 おそらくは普段から神の力で楽に勝ってきたのだろう。


 レベルの上げ方も戦闘ではなくこの迷宮に携わるやり方がメインだろうし……

 武闘派ではないのが幸いか。

 前回は武闘派で大変な目にあったしなあ……


 そういいつつ今回も大変な目にあっているので神という時点でダメ。


『何か突破口はないですかねえ……』

『内臓を3つ同時に潰せないと意味がないね』

『こういうのはどうなんだ?』


 脳内にダカシが思い浮かべるイメージが流れてくる。

 ダカシを昔倒したような複合魔法だ。

 うーん……


 確かに吸引と全方位攻撃する複合魔法は強かった。

 それ以外の魔法もだ。

 しかし……


『ううん、あのサイズを、特に頭の3つの内臓だけを的確に倒せるかというと……』

『決め手に欠けるか……』

『想像できる範囲の魔法だとね。それとやっぱり複合魔法を使うならロゼハリーじゃなくホリハリーの方が良いし。いい案だとは思うんだけどね』


 やはり同時詠唱数や高速力そしてパワーがホリハリーはかなり高い。

 ナブシウ1段階目はグラハリー時の複合魔法でなんとかしたものの……あれは閃けたのとヒントがあったのと。

 そもそも魔法火力が求められていなかったのもある。


 別にナブシウの肉体や内臓はもろいわけではない。

 単に超再生するだけだ。

 圧倒的手数の中もう一度やるのは得策じゃないし……


 結局ナブシウ2段階目に破られている。

 あのナブシウよりも大きなホルヴィロスを今の私の魔法でどうこうできるとは考えづらい。

 ただ……倒す発想としては合っているはずなんだ。


『とにかくあの雪厄介だよなあ。俺たちがまともに近づけねえ』

『胞子でしたっけ。あのホルヴィロスという神から出ているのならば、ホルヴィロスより上は雪がないのでは?』

『空が飛べるのなら上空から攻めるという手もある、か……』


 もちろん私達は飛べない。

 ホルヴィロスは嫌らしく汚い笑顔でこちらを見ている……


『アイツの頭をふきとばせれば勝てるんだろうが……』

『正確には頭の中にある3つの内臓をほぼ同時に倒さないとね』


 そう。例えあの猛攻をかいくぐって頭を爆発させてもダメなのだ。

 頭の中の内臓3つを完全に潰さないと。

 火魔法とかではそのあたりが追いつかない。


 (くう)魔法は空間ごと斬ったりしても内臓を全て徹底的に潰す力はない。

 電気は論外で土や地は指定が高すぎるかちゃんと内臓をやれないか。

 光と聖もダメダメだ。


 やはり今の姿なら物理的に攻めた方が良い。

 剣ゼロエネミーなら……いや剣ゼロエネミーは手元にないんだけれど。

 そもそもあの毒では剣ゼロエネミーも危険。


 けれど……何か近づいている気がする。

 あの要素とこの要素をかけ合わせていけば……


『……ねえみんな、まだ思考段階だけどちょっと試してみたいことが出来た。送るね』

『これは……かなりめちゃくちゃなのでは』

『でも面白そうだな!』

『さすがにそのまま採用するわけにはいかないな。手を加えないと』


 私がみんなに送ったイメージ。

 これまで紡いできたヒントを元にした1発限りの大技。

 成功すればおそらく勝てる。


 このイバラ細分化での操作……

 みんなとの息のあった協力。

 そして"ダイヤモンドブラスト"。


 それだけじゃない。

 ここにいない私の相棒も……力を化してくれている!


「そろそろ身を固める決心してくれたかな?」

「誰が!!」






 私達は"以心伝心"と"同調化"を使いたっぷりと時間をかけて作戦を行う。

 普通想像内では正しい動きは出来ないが今の私とスキルによる思考つなぎにより通常ではありえないほど現実的になっていた。

 やること自体はこれまでの組み合わせなのもあって集中してやれば想像を越えた訓練として成立していた。


 ホルヴィロスがうろつくので邪魔だったがこれならば多少は平気。

 通信にはプロテクトを複数かけてあるため破られる気配から探知可能。

 破ってくることはなかったが。


 そのまま食事や休憩も行って……

 たっぷりと時間をかけて。

 その時がやってきた!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ