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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂おしき恋をあなたに捧ぐ
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七百九十七生目 寄生

 ゾンビたちが船のうえに乗ってきた!

 足場は広いので戦闘向き。

 毒沼の上では戦闘が難しいからね……


 とにかく頭を噛まれるのが禁止行為。

 100体以上いる相手は幸いゾンビのように歩むだけで疾走してこない。

 つまり順番に相手できる。


 船に全員乗られたらさすがに沈むかもしれないからね……


「もう止めて大丈夫! あとは隠れてて、倒すから!」

「「う、うん!」」


 そそくさと毒沼を駆けていくヒュードックたち。

 速度が全然違うから追いつかれることはないだろう。


「行くぜ!」

「ローズさんは陸へ寄生体たちを投げて治療に専念してください!」

「わかった!」

「数が多い……札を切るか!」


 "同調化"!

 全員の取る行動が擦り合わされ細かく決まる。

 まず私は……"ミニワープ"!


 目の前に寄生ゾンビたちが迫り若干足を早くして踏み込んで来た!

 けれどバイバイだ。

 発動! わずかな時で陸までワープした。


 こちらはキセイジューのいない方の陸地。

 船が寄っていたのもあるがキセイジューの近くに寄らないほうが良いのもある。

 さてここからはどれだけ流れ作業に徹されるかだ。


「はあっ!」

「そらっ!」

「行くぞ……!」


 ゴウが素早く矢をつがえ次々と同時に複数弓を放っていく。

 的確に頭へヒットする腕前はさすがだ。

 さすがに頭に当たると吹き飛ぶ魔物が多い。


 イタ吉は相変わらず分身を使って翻弄。

 思考能力が弱いのか簡単に釣れている。

 そこをすり抜けるように斬撃を重ねているらしい。


 ダカシはついに背中の一部を変形させた。

 悪魔の力で腕を生やし体内から出てくるのは2つの剣。

 昔はこのあと数発切るだけでぐったりだったが……


 脚を動かすと共に腕が振るわれゾンビたちを蹴散らす!

 どうやら問題ないようだ。


「ちぇっ! こいつら全然怯まねえ!」

「今ので気絶しませんか……」

「これで! どうだ!」


 イタ吉たちの奮闘むなしくゾンビたちの歩みはまるで止まらない。

 吹き飛ぶし傷はつくし血は流れるがそれだけ。

 まるで痛みを感じていないらしい。


 平気で立ち上がってくる。

 せっかく矢じりが鋭くなく重い石の矢が頭に当たっているのに。

 ただここでダカシが動きを変えた。


 剣が的確に後頭部の輝く部分に振り下ろされる。

 一瞬頭の形がかわるんじゃないかという強打。

 "峰打ち"を使うように思っているから相手は死にはしないが……


 だがさっきまでとはかわって動きが止める。

 まるでしびれたかのように痙攣して倒れ込んだ。

 今だ!


「そうれっ!」


 私がイバラを棘なしで伸ばして倒れた魔物を掴む。

 そのままこちらへ引き寄せて……と。

 よし。光魔法"リフレッシュ"!


 キセイジューの寄生と私の魔法の根比べ!

 勝てば取れるはず。


「弱点は光っている部分か!」

「なーるほど! わかりやすいな!」


 イタ吉が前足の爪を縮小化し身体を空中でスピン。

 そして尾を思いっきり伸ばすと尾の刃(エフェクト)できらめく!

 武技だろう。


 イタ吉の尾の刃は見た目以上に重い。

 勢いついて周囲の魔物たちを1度に吹き飛ばす!

 着地すると吹き飛ばされた魔物たちの首元に瞬時に寄る。


 そして普通の爪状態でパンチ。

 けれど正確に素早く輝く部分を撃ち抜く殴りはえぐい。

 当然寄生ゾンビたちは次々に動きを止めた。


 私はそれらをイバラで回収しつつ。

 魔法発動!

 光り輝いていた寄生体が点滅しだす。


 そのまま力を込めて魔法を送り込んでやると光が急速に萎えた。

 後頭部からズルリと抜け落ちてそのままバラバラになってしまった。

 どうやら成功したらしい。


 けれど抜け出したところは穴が空いたまま。

 危篤なのは間違いない……が。

 次々倒した寄生ゾンビが来るからあとでね! 息はある!


「さあさあ、どうしたゾンビども! ってうわっ!?」

「イタ吉さんっ!」


 そうこうしている間にイタ吉がうっかり全方位詰められ荒い爪振り攻撃に倒れ込まされていた。

 前に出すぎだ!

 私の補助魔法がないからなんとかなる範囲がだいぶ狭いのに!


 ゴウがとっさの判断で爆裂矢をつがえる。

 発射し着弾すると一部の寄生ゾンビを吹き飛ばした!

 けれどまだ組み合っているゾンビがいる!


「くそっ、離せコラッ!!」


 ダカシはダカシで注目をあつめて寄られたかり救援にいけない。

 イバラをトゲ付きで伸ばして!


「うおお、やめろ、噛むなっ!!」

「せいやッ!」


 大口を開けていた寄生ゾンビをイバラ突撃で吹き飛ばす!

 組んでいた寄生ゾンビはこれで離れた!

 イタ吉はパッと立ち上がり腕に噛み付いていた寄生ゾンビを地面に投げて光る部分を叩き潰した!

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