七百六十四生目 反動
[イラスト担当]ナブシウについて
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ナブシウが内弁慶なのが発覚したり布教をしにきたり。
なのでほぼ無理やり古代神の力の一旦を受け取ることに。
「それで……何を受け取ればいいの?」
『慌てるな。勝者ローズ、我が神の……"そして"私の力、受け取るが良い!』
ナブシウから淡い光と共にどこかで見たような物が飛び出てくる。
それはなんらかの宝石のかけらのよう。
私の周りを飛び回りだす。
「これは、神格の一部!? 大事なものなんじゃあ!?」
『そうだな。だがそれはつい最近に新たに生まれでたものなのだ。お前に負けてからな。おそらくこれは、我が神とお前たちと私の間に生まれたソレなのだろう。記念にもらっておけ!』
「お土産みたいなノリで……まあ貰うけれど」
すごい軽さだ……個人によって価値がかわるものはコレに関しても同じということかあ。
前のように念じるとすんなりと私の中へと吸い込まれる。
ピチョンと水滴が水辺に落ちるかのように不思議な感覚がうちから外へと広がった。
「……うん?」
なんだろう今の。
何か私は……新しいことができそうな気がする。
スキル一覧には……
『ふむ、どうやら我が神の偉大なる力の一端を理解したようだな!』
ああ。あったこれだ。
[ダイヤモンドブラスト 直線上に超硬質なエネルギー弾を風の力で砲撃する。発射力に応じて反動を喰らう]
あの散々苦しめられた技じゃないか!
レベル表記がないのはあくまで自発的な習得ではないからだろう。
使いこなすには練習と基礎能力の強化あるのみ
ただこれはそこらへんで試せないな……
[石の肉体 全身に重装を装備している場合に頑強さが増す]
これはわかりやすい。
グラハリー時にさらに硬くなるわけだ。
ジュエルストームくらいなら楽に歩けるようになるかな?
とりあえず"ダイヤモンドブラスト"だ。
「うーん、お試ししたいし……よし行こう」
『え』
手早く空魔法"ファストトラベル"!
到着したのは射撃訓練場。
いろんな撃つものを試すのに最適な場所。
『お、お、お、お、だ、誰もいないか……』
「今の時間はそうだったはず」
『はず!?』
ナブシウもいちおう一緒に付いてきてもらったが置いてきた方がよかったかな……
あまりの挙動不審っぷりに完全に不審者なナブシウはともかく砲弾用練習場へ。
重たい物が当たったあとがたくさんあるし砲台もたくさん。
的の大型カカシくんも無事ある。
「反動かあ……だとすると少し最初は弱めにしたいかな……!」
スキル使用。
口を開いて口先にエネルギーをためていく。
光がどんどん募って硬質化しダイヤモンドのような輝き。
そこまで大きくせずに小型で。
風の魔力が練られ……
口から息を吹き出すかのように風の魔力で力を起こす!
「砲撃ッ!」
放たれた!
うわっ!? 凄まじい衝撃が身体を襲う!
身体が吹き飛ばされる!?
「んにゃぎゃッ!?」
『そんな軽い身体で扱おうとするからだ!』
割と低い角度でふっとぶ!
そのあと当然地面をゴロゴロと転がってどこか壁にぶつかってからやっと止まった。
自分の攻撃のはずなのに自分が痛い……
「あいたたた、どうなった……? うわっ!」
私が作ったのは小型。
それでもしっかりと威力は反映されていた。
火薬のない砲撃を受けても耐えうるカカシの上半身が吹き飛び着弾した地上に小さなクレーターを開けていた。
『うん、初めて扱ったにはまあまあの破壊力ではないか? 今度は射出威力と砲弾の大きさの釣り合いをもう少し――』
「……なんだなんだ! 今の音は!」
「こっちからか!」
『――あ、ばばがががぼご!?』
あ。誰かが慌ててここに来るようだ。
まあ着弾の音とか大きかったものなあ。
ナブシウは隅へと緊急退避したあと震えて固まっていた。
来た人たちには説明をして……
そのあと固まって怯えているナブシウを回収して自宅に飛んだ。
ナブシウ……恐ろしく他者が駄目らしいなあ。
このままだとまともに散歩も出来ないからたぬ吉を呼んで宿と案内を頼んだ。
ビビリながら出ていったがこれでしばらく私はフリーである。
つまりは改めて。
「疲れたあ〜〜!!」
大浴場。
ここはなかなか天然温水のない荒野の迷宮で頑張って作ったアノニマルースの温泉だ。
荒野の迷宮操作権限があるが水をお湯に変える地形はなかなか出来ない。
しかし荒野の迷宮は地下に豊富な水脈が通っているためなんとか利用できないかと考えた。
科学的には現在の技術系統で常時温水化し清潔にし……とするのは困難。
アノニマルースにある気温調整魔法陣と各位の協力諸々でやっと街にひとつ出来上がったのだ。




