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七百三十七生目 金剛

 ダイヤモンドピラミッドが輝き不自然な穴のような影が見つかる。

 昼間そこには何も無かったのに……

 夜になって魔物たちがそこに移動することそのものが不自然だ。


 嵐が吹きすさぶ中私達もそこへ移動してみる。

 他の魔物たちも不文律が存在するのか互いに手を出していない。

 私達もそれに付き従う。


 影へとついた魔物たちはその中へと足を踏み入れ……

 体が消えた!

 思わずみんな顔を見合わせる。


「今の見たか!?」

「み、みました!」

「今フッて消えたよね……」

「突然存在が消えたかのようでした」


 大きい魔物も小さい魔物も関係なく消えている。

 どうやら……移動用のワープ地点みたいになっているらしい。

 相当高度で私でも魔法なのかどうかの解析がかなり怪しい。


 なので詳細はわからないが……

 みんなが平然とした顔で行っているのでまあ大丈夫ではあるのだろう。


「……行こうか」

「「ああ」」「うん」


 テクテクと歩み影の穴へと足を踏み入れる。

 ここまで近づいてわかるがやはりおかしい。

 黒が地面すら溶かす色で穴があいているかのようだ。

 私が4つ足全て踏み入れると……


 景色が突如切り替わった!?

 どこかの洞穴!?

 自分がいたところは見た目は渦巻く光でやはり転移の魔法だったようだ。


 ここはどこなのだろう……

 みんなも同じようについてきては驚いている。

 他の魔物たちは特に珍しいという意識はなく普通に洞穴から出ていっている。


 ……私達もついていこう。

 てくてく歩けばすぐに外。

 魔物たちは適当に地面の下へと潜っていくが……


「こ……これは……!」

「まさか……」

「黄金の砂漠……!」


 テテフフが話していた場所。

 はてなき黄金の砂漠。

 それが目の前に広がっていた。


 さっきまでは夜だったはずなのにこの空間は明らかに明るい。

 太陽光がふりそそいでいる……のかな?

 嵐そのものはここでも吹いているのでよくわからない。


 問題は黄金の砂漠そのものである。

 そっと砂のにおいをかぐ。

 ……純金だ。


 まじりっけなしの金が……ずーーっと続く世界。

 端があるのかすらわからない。

 金たちも魔力が籠もっていて明らかに恐ろしいほどの価値を秘めいているのに……


 それが延々と……山のように……ある。

 それだけではない。

 外の光景で目立つものは……嵐に舞うもの。


 金の砂も舞っているがこれはまだマシ。

 肝心なのは……ダイヤモンド。

 この空間はダイヤモンドが輝きを放ちながら激しく空を舞っていた。


 輝くというのは光を受けてのことではない。

 魔力を持ちそして(エフェクト)を放っている。

 つまり……危険な攻撃。


「な……! この嵐、誰かが仕掛けている!?」

「今までのもそうだったかもしれないけれど、今回は特に念入りに殺意がこもっているね」

「近づくのも、これは僕たちじゃあ危険ですね……」


 オウカも気づきたぬ吉が苦笑い。

 これは……どうする?


「よし、ローズ、お前はいけるか?」

「え? まあ、強化と回復維持となんとかすれば……おそらくは」

「よし! なら俺達はローズを支援して引き返す! そして何かあったら動けるように準備しておく! 特にあのピラミッド、もしも戦いの時に引きこもったりできるよう調べておきたいな」

「戦いって……番犬?」


 ないよ……とは言えないなあ。

 正直念話はかなり敵対的だった。


「ああ。備えあれば憂いなしだ。それに俺達のところにワープする魔法なんかもあったろ?」

「よく覚えているね! いつも魔法は苦手そうなのに」

「戦術としての理解はしている。ただそれと不気味な力ってのは別だ!」

「まあ、わかった! もしものときはそれでにげるよ」


 みんなにありったけの支援スキルと魔法を使ってもらい防御面最大強化。

 なんとかこれで少しの間はほぼ無効化できるかな。


「それじゃ、ムリするんじゃないよ!」

「はい! 行ってくる!」


 最初はいきよいよく嵐の中へ飛び込む!

 着地!

 うぐあっ!?


 なんというか痛い!

 わずかずつしかダメージそのものは喰らっていないから少しずつ慣れるしつらくはないが……

 常に油断ならない!


 全身大型鎧モードでも内部にしっかり響き痛みを与えるダイヤモンドストーム。

 仲間からもらった補助が切れたら鎧たちに穴があき始めるだろう。

 針が変質して出来ているこの鎧換装の手間を怠ったら私に穴があくな……


 こころなしか黄金砂の感触は良い。

 今後できない贅沢だ。

 今のうちにじっくり踏みしめて進もう。


 まだすごい遠くは視界不良で何がどこにあるかははっきりわからないが……

 かわりにしっかりこちらを見抜く視線を感じる。

 これは……きっと番犬の監視だろう。


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