七百三十一生目 警告
メルスライムの巣を後にした。
オウカの警告通り水晶が飛ぶようになる。
石樹木たちが少なくなってきた証だ。
「えーっと……そうなったら、方角をこちらに合わせて、と。うん、大丈夫そう」「うし、走るか!」
方角を合わせてあとは駆ける。
体力面の心配はあまりいらないように管理しながら走るので全員重装でもなんとかなる。
ここらへんは慣れと知識と力。
石樹木たちがポツンポツンとしだせば今度は水晶嵐がガンガンと吹きすさびだす。
足元も砂になった水晶だらけ。
飛んでいる物は結構大きい。
……うん?
『……警告する』
「なんだ!?」「何!?」「えっ?」「念話!」
突如頭の中に唸るようなよく響く声が!
念話だけれど……どこから!?
逆探知!
『お前たちは、神の領域に無断侵入し、明確な足取りでこちらへ向かっている。神の地への無断立ち入りは禁じられている。即刻立ち去るが良い』
「ま、待って! もしかして君は……!」
あっ!
念話の感覚が消えてしまった。
どうやら打ち切られてしまったらしい。
逆探知もできなかった……が。
今の言葉が本当ならば。
相手は私達が向かう先にいる存在。
つまりは……
「今のって……」
「番犬、だね」
「だよね……」
みんなしてうなずく。
おもったより早い登場。
けれどこれによりわかったことは。
「道は……あっていそうだね」
「ですね! ああは言われましたが、直接会って話を聞かせてもらいましょう」
たぬ吉もやる気らしい。
暴風の中歩みを再開した!
あたりは無骨な巨大水晶たちがたくさん飛び出ている。
ほぼ地面は壊れた水晶やあれた土。
草木は地面の下や宝石の中なのは前と変わらない。
ただ合間はわりと空き空きで私達より身長の高い結晶はたくさんあるものの日は遮らず風も素通し。
結晶が嵐に乗ってガンガン体を叩いてくるので鉄嵐よりも気持ち激しい。
「さっき休んだから良いとしても、これどこまで続くんだ?」
「うーん、まずは砂漠につかなきゃいけないはずなんだけれど……」
だいたいの道のりはテテフフから聞いてはいる。
だいたいなせいで結局何があってどうなっているかはまるでわかってないのだが。
道のりは番犬が警告したあたり確かだろう。
っむ! 敵意!
「来るよ!」
「来るってどこから……」
「わあっ!?」
「危ない!」
背景に見えた岩のひとつから突如砂の塊が発射される!
オウカが前に出て盾状の光を広く展開すると味方たちに同じ光がまとわれる。 チーム全体を防護するスキルだ。
砂の塊に見えるものは山なりに飛来し結構早い。
みな身構えて私は飛来物に"無敵"!
ギリギリまで威力を削ぐ!
着弾!
「「ッ!!」」
私達の中央付近に着弾すると広く爆散!
光と共に砂を撒き散らしながら衝撃波が来る!
……が大したダメージはない。
だいぶ軽減に成功したらしい。
砂を撃ち込んできた相手は……
動き出した! 岩に擬態していたが不自然にその肉体たちがうごめき出す。
まるで岩を背負い歩む獣の姿。
それは亀というよりアルマジロを思い浮かべさせる。
丸まって移動はできなさそうだが瞳は鋭くこちらを見据えている。
さらに動き出したのは1体ではない。
遠くの方にあった岩らしきものたちが次々とその正体を現しだす。
近くまでいけばにおいなんかでわかっかもしれないが……かなりの擬態力だ!
「そこまで強くはなさそうだが、数が多いな!」
「囲まれる前に動こう!」
「はい!」
[グラロウド Lv.21 異常化攻撃:盲目 危険攻撃:砂塊弾]
[グラロウド 全身が土質でできており硬くそして多少のキズはへっちゃら。しっかり守られた内臓にまで響くダメージ以外、痛くもない]
あの砂が撒き散らされるのは目に入るとまずそう。
私は自動的に"影の瞼"が降りてシャットアウトするとは言え……
「砂で目潰しされないようにして! あと響くようにダメージを与えないと多分中身に痛みが入らない!」
「「わかった!」」
私の言葉を聞きそれぞれが別れ散っていく。
集団だと遠方から滅多撃ちされるからね。
各個撃破が正解だ。
たぬ吉は草ゴーレムに乗ったままなのを良いことにその巨躯で駆けていく。
一気に間合いを詰め……
「やあ!! 草木のパワー、見せつけてやる!」
草ゴーレムは1体に腕を伸ばすとグラロウドは体を守るために地面に張り付いて固まる。
ガッチリと掴み……
腕からのツルがどんどん伸びていく!
そして土質の体を草木が侵食する!
一気に成長してグラロウドを貫くように腹からも生え無理やり地面から引き剥がして……
「えいやあっ!!」
そのままぶん投げた!
近くにいたグラウロドに巻き込みシュート!
互いの頑丈な体がぶつかり鈍い音と共に衝撃で目を回したようだ。




