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七百三生目 即死

 アラザドと戦闘を続けている。

 背の翼を展開したこたにより動きが機敏になったらしい。

 腕を回転するようになぎ払い地面からは未だあちこち黒い柱が立ち上る。


 あの黒いものはアラザドにはなんら効果を及ぼさないらしく気にせず移動している。

 厄介だ!


『どうした? 客人よ。動きがにぶいのでは?』

「思ったより速い!」


 魔法を補助魔法の増加にぶん回す。

 攻撃が効きはしているものの根本的に生命力が大きい。

 巨大さ故の底力。


 長期戦に備えると同時に鞭剣ゼロエネミーとイバラを伸ばす!

 幸い"怨嗟喰らい"で次の瞬間はどこに黒柱が噴き出すかは予測がつく。

 これだけは正確に避けつつ……相手の攻撃を凌ぐ。


 動き回り腕を振るうというのは質量の暴力でもある。

 だがその軌跡に黒い塊が現れて次の時には爆発。

 全方位に飛び散るからアラザドに近づいていると避けるのは困難でアラザド自体には何も効かない。


 飛び散るたびに瞬時に鎧を展開しすぐに切り離すことでダメージを最低限に抑える。

 このぐらいなら『呪い』の"精神暗転"による自動治癒が間に合う。


「お前自身の力を……喰らえーッ!」


 回復より攻め!

 うまいこと攻撃をしのぎつつ懐に潜り込み拳を鎧で固め連続殴打!

 同時にイバラたちと鞭剣ゼロエネミーは"拷問打ち"!


 紫の(エフェクト)を纏い一瞬で5連撃!

 もちろん"連重撃"の効果で倍!

 執拗に打ち付ける!


 "拷問打ち"は相手の弱体化時に威力が跳ね上がるから……


『ごおおおっ!? なんだと!? 先程よりも力が増している!?』


 よし!

 あの巨体がノックバックして大きく怯むほどのパワー!

 更に魔法で巨大な炎や岩塊をぶつけて当てる!


 さすがに焦ったらしく動きが変わった。

 両腕の中心に強大な魔力を押し込めて小さく形作っていく。

 あれは……"怨嗟喰らい"が直感に訴えてくる猛烈な危険さ。


『これは使いたくなかったのが……仕方ない。滅びよ』


 圧縮されきったと思うと……

 ビームとして射出された!

 思ったより速い! が避けられ……


「はっ!?」


 直線状に伸びて避けた私を通り過ぎたかと思ったら曲がってきた!?

 鎧展開! (くう)魔法"インターラプトル"!


 身体がおぞましい黒い光に触れる瞬間に別の場所へ飛ばされる。

 そこまで遠くじゃな……うそっまた曲がってきた!?

 空中だから"空蝉の術"で地面はひっくり返せないがなんとか緊急回避だけでも……


 "止眼"!


(めちゃくちゃ早いしでかいビームだ、これは難しいぞ……!)

(やれるだけやってみよう! それ!)


 "止眼"解除! タイミング見計らって。

 今だ!


「あっ!?」


 マズイ遅すぎた!?

 空振りで私は闇の光に飲まれる。

 その光線は私の身体を消し飛ばし――


「……あれ? なんともない」

『何!?』


 確かにしっかり私は喰らってまるで命ごと吹き飛ばされたようにも感じた。

 だが生命力は減っていない。

 痛みもない。


 ログを見てみたら即死を一度無効化した形跡がある。

 あのビームは即死をさせるのか……!

 危なかった。"戦場の獣"がなければ大ダメージだったかもしれない。


『ありえん……! 我の力が、ことごとく……!? その力は一体!? 神の力だぞ!?』


 あ……マントの一部が脱色している。

 まさか相手の力が強すぎて単なる即死防御では防ぎきれなかったから思考を通さず反射的に即死抵抗強化をしてしのいだ?

 もし即死抵抗を貫通されても"頑張る"で生命力がギリギリ残るから何段階かで防げたとはいえ……ハラハラする。


「残念だけれど……こっちも神の力があるんだよッ!! 借り物だけどね!」


 鞭剣ゼロエネミーな何度も振り切り最後に"龍螺旋"で一つの翼を切り落とす!

 バランスが崩れた!

 頭上を取ってイバラをネジ巻いてまとめ上げ鎧をまとわせる。


『な、何!? 客人、貴様のような矮小なる下民が、神の力を!?』

「やああああっ!!」


 土魔法"ヘヴィ"そして"ミノライゼーション"改良で重くイバラのみ石化させ……

 空魔法"エクスプロージS"で方向指定した空間爆裂を引き起こしイバラを全力でアラザドの頭へと叩きつけた!


『ぐおああああああッ!! なぜだ、なぜ我がこんな目に合わねばならぬ! いやだ、また幾千年も死に封印されるのは……!』

「だったら、呪いを振りまくな! 攻撃をするな!」

『何を言う……! 我の、神としての存在意義全てを、否定するつもりか……! それは、我にとって死ねと、死ねと申すのと同義ぞ!!』


 元とはいえ神様……

 信仰の……その在り方を変えるのは自身の死と同じということなのか。

 けれどだからといってはいどうぞと言うわけにはいかない。


「これで止めだ!!」

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