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六百九十四生目 変装

 ハッピーハロウィン!

 アノニルース全体がみんなが乗り気だったおかげでまとめて仮装したかのような雰囲気変化。

 明るく暮らしやすい町は一転して邪悪な笑い声が響いてきそうな空間へと様変わりした!


 この日ニンゲン冒険者の彼らもみんなで遊びにきていた。

 久々に全員の顔ぶれを見た気がする。


「少し見ない間に」

「立派になったようで」

「「私達(ワレワレ)びっくり」 」


 青服のキョーサイと黄服のワチュー。

 ニンゲンで耳が4つある。

 犬型の耳が頭から。そして尾も生えている。


「おーい! はしゃぎすぎてはぐれるなよー!」

「まあ、大丈夫だとは思うけれど……」


 オーガ系ニンゲンの女性アマネ。

 唯一の男性ソーヤ。


「あ、待ってって! うわっ! 人混みが!」


 そしてエルフ系ニンゲンのエリ。

 計5人パーティだ。

 私が所属している冒険者ギルドのメンバーでもある。


 同じく所属している少年バローくんや勇者御一行は……

 なんと本人たちたっての希望でスタッフに回っている。

 随所で勤しんでいることだろう。


 門をくぐり中に入れば妖精たちが小さな羽根をはためかせついでにコウモリの翼を小さくつけてお出迎え。


「ようこそー!」

「ようこそー!」

「ようこそっ!」


 流れるように入っていくニンゲンや魔物にキュートに挨拶し手を振っている。

 その先はおみやげコーナーがある。

 もちろんハロウィン風にダークで統一されているかと思いきや不自然なほど大きなキャンディを模したものもあったり。


 きらびやかさと暗さが同居している。

 ただまあいきなりお土産コーナーでたむろする者は少ない。

 ハロウィンのメインをやっている中央区へと向かう。


 そこまでは若干距離があるのでこれまたパンプキンでハロウィンな集合馬車たちが立ち並ぶ。

 便宜上馬車と言ったが実際に引くのは様々な仮装魔物たちだ。

 集合馬車とはいわゆるバス。


 健脚にそこまで自信がないものはここで乗り込み……

 少しの間揺れていればたどり着く。

 アノニマルースでたくさんの建築物が立ち並ぶ中央区に!






 私もそろそろ準備を終えよう。

 最後にしっかりと頭の部分をハメて……

 これがうっかり外れたら困るからね。


 "変装"で人型になっておく。

 大きさは普段より大きめ。

 だいたい170センチくらいかな。


 服はびっちりしておらずむしろダボダボ。

 服の膨らみもかさ増しし私のシルエットを消す。

 服から下げた鈴なりの木の実からカラコロ鈴音が響く。


 臭い付けのためにもらった木の実だがあまりに余ったためいっそ装飾具にしたわけだ。

 身体のあちこちにあるから歩くだけで響く。

 さて……出よう。


 外に出ると日差しがかぼちゃのくり抜き頭から光がさしこんでくる。

 "見透す目"で透視しているから視界的な制限はない。

 ダボッとした紫の全身を包むスーツ。紫のマント。けばけばしい手袋。


 ツルっとした素材が使われているから見た目は全身スーツ怪人!

 まあ体格も大きさも顔も何もかもわからなくしてあるうえ臭い消し&臭い付けと音のごまかしやら動きの変化もして変装としては良い仕上がり。

 普段みんなの前ではいつもの4足だから余計に結びつかないだろう。


 ココは裏手の倉庫前。

 誰もいないからバレることもない。

 声はいつもどおり光神術"サウンドウェーブ"で変わった声を出すから平気だろう。


 テクテクと歩いて表通りに出ればすでに多くの魔物やニンゲンで溢れかえっていた。

 そのまま少しいけば巨大像広場!

 中央の地面が大きく凹んだ特徴的な地形でもはや過去の惨劇だなんて記憶の片隅に残る程度。


 像たちもハック率いる芸術家たちが一生懸命仮装させたため彼らなりの解釈のハロウィンが楽しめる。

 なお昼は動かない。

 小さい魔物も安心してよじのぼり鑑賞できる。


「うおわー! すごい! 邪悪っぽいのに楽しそう!」

「久々に来たらすごく増えている……!」

「ん? あれこれってゴーレム……いや動いてないよな」


 さすがに冒険者たちにはうっすらバレかけているらしい。

 夜を楽しみにしておいてもらおう。 

 さてさて……ソーヤたちもやってきたし。


「こんにちカボ! ぼくジャック! ハロウィンのマスコットカボ!」

「うわっ!? ……ああ、中に人が?」

「中に人なんていないカボ」


 しらじらしい嘘でもそのテイでいってもらわらないと困る。

 なんだなんだとソーヤ以外にも注目されだした。

 さてと。


「へー、これがコスプレ?」

「あ、色んなところで見るやつだね」

「こんにちカボ! みんなにはこれを渡しておくカボ!」


 私が(くう)魔法"ストレージ"を唱えて亜空間からおかしを取り出す。

 練習してまるで手品のように出す方法を編み出した。

 両手を翻したらなぜか握られているおかしたち。


「「おおっ!?」」

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