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六百七十六生目 いたいよ!

「普段は、(かげ)とおなじ……?」


 ぬふふ。良い具合にチクチクきてますなあ。

 いざって時はこのわたしの中の痛みが張り裂けそうなほどになるらしいけれど……

 その1撃こそが急所の致命打だから逃さないようしないと。


「そうだよ。普段みんなのイシキのさかいめはアイマイ。わたしに(ツバイ)それと"(ドライ)"。3つの面がくるくる回っているだけなんだよね〜。ダレかじゃなくて(ローズ)なだけ。それぞれドライやツバイで考えていることも、そりゃああるけどさあ」

「そんなわけが、ない! (ツバイ)は、わたし(アインス)は! ツバイに盗られているって意識が私を立たせて……」

「で、その攻撃刺さってるぅ?」


 さっきからドンガン接近して叩かれているものもまあそよ風みたいなもんだね。

 この頑丈なシールドを破るにはまるで(ロンパ)が足りない。


「おかしい、なぜ!」

「そのニンシキが〜、これまでキョーユーされてなかったからだよ。わたしたちはおんなじソンザイだけど、別の面なんだからみえないブブンはあるさ」

「こっちの攻撃が……効か、ないっ!!」

「たしかにローズ(わたし)はちゃんと(ローズ)に、むきあわなかったのかもねえ。まあひつよ〜なかったし、今回こうしてむきあっているから、ゆるしてよ、ネ?」


 荒い息をついて諦めた……かと思いきやまた光が!

 今度はロゼハリー!

 うわっ! 守りごとイバラが拘束した!?


 そのまま持ち上げた……!


「め、面はそれぞれかたむいたりするから! それでシュチョ〜があったってだけで、わたしたちはちゃんとホント〜は全部ローズオーラ(わたし)なんだって、見つめ直さなきゃって! ダレにでもあることだけど、(ローズ)はそれを、ジブンにあてはめてなかったせいで、こうなっただけで、こう、おろして〜!!」

「……やはりなかよしごっこだ! トラウマすら統一されてない、別離した存在でしか無い! 今さらそんなわけのわからない話、聴けるかっ!!」


 あばーっ!!

 あわれ私はシールドごと吹き飛ばされた!

 激しく地面に叩きつけられその衝撃でわたしは中で跳ね飛ばされる。


 そのままガラガラ転がって私は何度もぶち当たる。

 あわやミンチ! ってところでついにシールドをぶちやぶった!

 つまりはシールドこわれちゃった。


「あ、だ、いだだ……そ、そこまでやるぅ?」


 でも今のは……それだけ相手が大きな手札を切ったってことかな。

 正直わたし今ミンチ未満なんだけれど……

 まあ精神世界なら反論さえできればへーきさ!


 それにさっきのを喰らってまだ生きているっていうことは。

 わたしの言葉の路線はそんなにズレてないね。

 つまりもっとわたしの内側からのチクチクに迫る必要があると。


「立て! そしてちゃんと説明して!」

「……もちろん。そもそもさあ、なんでさっきかげ(キミ)は浮いていたの?」

「何を言うかと思えば……それは私の力だからだ!」


 なんと〜か立ち上がった。

 本当に痛いなあもう。

 そもそもかげはたいそうな口聞いているけれどなるほどまったくわかってないね。


「……(ローズ)としてのかげなのに、トラウマのある(ツバイ)がいるのに、ナニもきにせずさっき浮いていた(・・・・・)の?」

「なにがおかしい…………あ!?」

「そう……おかしいよね。確かにわたしは浮かべる……けれど(ローズ)があわさっているかげがなんのていこ〜もなく浮いている。これはおかし〜よね? トラウマの大きな(ツバイ)がメインじゃないの? べつべつのソンザイでなかよしごっこして、互いにギスギスしているとしたら、かげとしては、まず(ツバイ)と他で意見が割れて飛べないんじゃ?」


 みるみる傷が癒えていく!

 力が湧いてきたよー!

 地面からたくさんのツルが生えた!


 それと同時に胸の内側がジンジンくるね。

 そうかいここが良いのかい。

 口から出たハッタリだけれど……ならこの方向で!


「……だとしたら、私はなぜ飛べた。説明して!」

「う〜んわたしがショ〜メイしなきゃかあ。だったらわたしじしんもギワクからカクシンをえるために、エイゾウをどうぞ!」


 気分だけ指パッチン!

 映像がこの暗い空間に映し出されていく。

 内容は……あの『心に傷を負った』時。


 空を飛ぶ。

 その経験を(ローズ)が初めてしたのは捕まったその時。

 大(カラス)に捕まって空に飛ばされた。


 そのときの記憶が映像として背景に流れる。

 わたしはつるでかげのイバラを打ち払いつつその映像をかげにも見せていた。


「ほら、あの時のアヅキめちゃくちゃ怖かったね! アヅキのいちばんカツヤクしているときだよ!」

「最盛期が出落ちみたいな言い方をするのは普通に失礼じゃない?」


 かげの冷たい視線と共に放たれるイバラをつるで打ち返す。

 軽い冗談に付き合ってよね。

 わたしのかげなんだから。

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