六百七十五生目 つよいよ!
「くっ……! どうして攻撃が! 私がアインス、ツバイ、ドライの3匹になったのかだなんて……」
「そこがおかしいんだよね〜」
空中で素早く飛んでお互いに牽制!
右見て左見てどっちからも魔法が来るから上に避けてからお返しに魔法!
まあそれだけだと避けられるよね。
「わたしひとりじゃん? なにフクスウきどっているの?」
「なっ! 質問に質問で返すだなんて無意味なことを――」
「それにしてはずいぶん痛いね?」
「っ!?」
かげが息を飲むのもわかる。
わたしがこっそり飛ばした『ことにした』針が死角から刺さったのだから。
なるほど〜。こうやって精神世界は戦えるのか〜。
そしてその痛みはわたしが言葉を話そうとするとチクチクくる。
核心に迫るいたみかあ。
「いつから仲良しとか仲悪いとかが発生したかって言うと、まるでわたしたちがそれぞれべつのソンザイだって、シュチョウしだしたからだよね?」
「そりゃそうだ。私たちは別個の存在で、だからこそ今までやってこれたんだし……」
「それがチガウとしたら?」
高速で飛び回って互いに衝突!
高速でぶつかり合うからどっちも痛いイタイ。
「そんなこと、ありえない! ひとり遊びだとでも!?」
「うーん、それもチガウかな。せいかくにはわたしはわたしだよ。サイコロと同じだよ。サイコロの面をさして、1コ2コっていわないのとおんなじで、サイコロは1コ。けど面がたくさん。それこそが私」
ゴーン! と行った!
今のは相手に強烈に入ったなあ。
だからこそちゃんと正解だってわかる。
「……っ!」
吹き飛び地上まで落ちてそのまま激しく転がされた……かと思ったら。
バーン! と光と共に姿が変わった!
あれはグラハリー!
全身に鎧をまとっているからこれは簡単にはいかないかも……
「"進化"……いまでこそ、ト〜ゼンのようにやってるけど、それこそがわたしやドライそれにツバイが面としてわかれているりゆ〜でもあるよね」
「"進化"が……? ああ……」
自分でない"自分"を魔力という力を使いカタチにして現実化する。
それを自分自身に適用することで肉体を変化させるんだ。
それは過去に学んだ"進化"のやり方。
違う面が出ることで姿も変わる。
それは本来ただそれだけの部分。
誰にでもある様々な面を強調するだけ。
しかしわたしはそれだけにとどまらなかった。
意識すら3分割して同時に3つのマルチタスクこなすレベ〜ル。
そんじょそこらの"進化"の使い手には負けないよ!
「"進化"は私達を生み出した。それで確かに面がしっかりわかれているとして、それでもツバイが実権を握っていて、ドライやわたしにはその実権がない! 身体はツバイのものになっている!」
「……?」
かげが宙に鋼を創ってそのまま刃として斬りつけてきた!
しかし意外にわたしこれを冷静に大きな盾を生み出しスルー。
簡単に攻撃を防いじゃう。
「何……!?」
「うーんとさあ、それもしかしてツバイのホンネ? ああ、ツバイのもやもやってそういうのもふくむのかなあ」
今のは効かない。
なにせわたしにしてみたらあまりにズレた話。
でも私としてのかげに対抗しなきゃだからこういうことも起こるのね。
「なぜそんな平然としていられる!」
「なにいってるんだかってなったからだよ〜ん。だって……」
にっこり笑って。
「わたしがシュケンもちだもん!」
「……は?」
思わずと言った様子でかげが固まった。
えへへ。ここで攻撃はしないよ。
もうちょっと踏み込まないと危ない。
「んふふ、はんぶんジョ〜ダン、はんぶんホンネかな」
「何が言いたい!?」
「わたしはね、わたしのかんがえでちゃんとふだんから、うごいているよ。ドライやツバイもね!」
「そんなわけが……」
攻撃!
灼熱のマグマが相手の足元からたくさん吹き出た!
少しひるんでいるケド……浅い。
「くっ! 私が表に出て私の考えで私以外に苦手なものを押し付けたままだよね! それはどう説明するの!」
おっとお返しに大量の針が発射された!
避けきるのは難しいなぁ〜。
なんとか地に脚ついて踏ん張りたいね。
「ふふん、あまいね! わたしやドライだって苦手なものはオシツケているよん! 面によってトクイなことはちがう。OK?」
くるくるっと回って着地!
かわりにまわりはにきれいな水晶の壁が囲んだ!
全部弾いちゃったよ〜!
「強い……!?」
「そもそもダレがメインでうごいてるってふだんイシキしてるぅ〜? わたしはしてないよ。ドライも……ツバイもね。かげはさ、わたしたちのかげなんだよね?」
「そ、それがどうしたの」
「つまり、わたしたちはフダン、かげとおなじなんだよ」
キマった!