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六百五十七生目 国宝

 『宣言』によってすべての強化能力を奪われてしまった。

 私がコイツの攻撃を抑えるしかない。


「ほおぉ……? 自信はあるようだなぁ……! 自分の力で苦しめられる覚悟ぉ、出来たかぁ……!?」

「来い!」


 相手が下半身の蛇体をうねらせ突撃きてきた!

 速いッ!

 そりゃそうか私の補助で筋力がましているから瞬間的速度は上がっている……!


 相手の爪をこっちの爪で受け止めて……!

 よしなんとかなりそう。

 受け流して腹に蹴り込む!


「ほうぅ……?」


 強烈な蹴りが炸裂し上体を大きく下がらせる。

 ただ下半身を伸ばして耐えた。頑強さも跳ね上がっているらしく平気そうな顔。

 そのまま全身をバネのように使い上半身でタックル!


 腕をクロスさせ"防御"。

 そのまま互いに殴り合う!


「やるねぇ……! 素でもかなり強いなぁ……!」

「くっ……」


 イタ吉を気絶から起こしにいきたいがさすがにその余裕は……

 狭い範囲の魔法を全力で放てばあるいは?

 そのためにも時間がいる。


 ジャグナーとダカシは無事アカネの元にたどり着いたらしい。

 アカネはああ見えて"観察"を妨害したのでなんとか観察看破するおみとおしくんをつけたいが今そんなことしていたら壊されるのがオチ。

 なんとか任せよう。


「なあ、俺、ちょっとあって姿が違うけれど、兄だよ。ダカシだよ」

「………」

「その証拠に……ほら、覚えているか? お前がまだ小さかったころにお兄ちゃんがあげた髪飾り、大事にしているかい?」

「…………格闘続行。魔法用意」

「無反応だな。指示以外しゃべりゃしない」


 ううーん大丈夫かなあ。


「くっ、アカネ、もしかして何か邪法で縛られていたり? 脅されているのか? なあ……」

「………………はぁ」

「……え?」


 アカネが何か深いため息を吐いて立ち上がる。


「戦う意思が見られないから置いておこうと思ったけれど……(やかま)しい。退いて」

「な、何を、ぐわっ!?」

「うおっ!?」


 アカネから衝撃波が発せられた!?

 ダカシとジャグナーが吹き飛ばされアカネは不自然に浮き上がる。

 飛行魔法か……?


「アカネ!」

「自分は2つのことを同時に出来ないの。だから座っていたの。兄? 妹? よくわからないけど……死んでくれる?」

「アカネ……!」


 あ。あれはマズイ!

 漂いだした黒い瘴気が集まりだして……形となる。

 剣ゼロエネミーを大盾に!


 大きなひとつなぎの刃となって襲いかかってきた!

 180度範囲! 広さは部屋全面!

 しかもあれは喰らわなくても危ないとわかる。


 ダカシとジャグナーが吹き飛んだ方向は守る!

 大盾ゼロエネミーエネミーで防ぎ……

 自分はエンビィから離れつつ"蛇の構え"!


「あっ、お前それ俺にも……!」


 大盾に刃が飛んできて当たる。

 おっ。重い!

 無理やり大盾が下がらせられる。


 なんとかダカシたちの前で止まったが問題はこっちだ!

 刃は実体があるわけじゃない。

 自在に姿を変えてこちらにはすばやく飛んでくる!


「ぐげっ」「うっ!」


 "防御"と同等の効果がありイバラをぐるぐる巻いて防いでいるのに貫通してきた!?

 なんて威力……!

 ダメだ吹き飛ばされる!


 横目で見ていたエンビィはあまりの威力に大きく裂けながら私と似たように吹き飛ばされた。


「うぐっ!!」


 強烈な吹き飛ばされ!

 ダメだ制御がきかない!

 加速して壁へ激突!


 う。

 薄い!

 これを止めるには薄すぎたっ!

 外にまで放り出される。


 この先にあるものはなんだ!?

 とにかくそろそろ止まってくれーっ!


「うわあああっ!!」


 派手な煙をたてて何かに衝突。

 マズイな今の威力は確かに響いた。

 相当頑強なはずなのに……


「いてて……あれ?」


 手を置いたところにあったのは……石材?

 何か……そう。巨大な像でも作るときにしっかり固めたもののような……

 ……下かな何か聴こえる。


「ああ! 蒼竜様が!」

「蒼竜神像がー!」

「ぼ、僕の像がーー!!」


 ……最後何か聴こえたけれど無視しよう。

 それよりもどうやらここはあの巨大な蒼竜神像らしい。

 "鷹目"で見てみたら頭の1部がかなり派手に壊されている。


 えー。

 イバラをしまいこんで。

 フルアーマーで顔が隠れているのは確認。


 ならば良し。

 立ち上がって土を払って……

 飛ぶ!


 相手の元へと戻ろう。

 空中を移動するこわさは心の中にしまっておいて……

 とにかくみんながやられる前に合流だ!


 再び壁の穴から中へと戻る。

 状況は……

 召喚獣エンビィはいない。


 私が通ってきた穴と同じように大きな穴が開いているからエンビィも吹き飛ばされたと見て良いだろう。

 めちゃくちゃだ。

 ローブを着たニンゲンたちは寝転がっていたため無傷。


 壁に刻まれた深い傷跡がさっきの技の威力を物語っていた。

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