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六百五十生目 宝珠

 もはや蒼竜神像竜はボロボロ。

 ハチャメチャに暴れ自爆もしている。

 引導をここで渡す。


 頭上到着! 魔力反応に気をつけつつイバラを伸ばす。

 武技"縛り付け"!

 頭のツノにイバラが巻き付いた!


 そのままイバラを縮めて私が近づく。

 よいしょっと。

 かなり暴れているがこれなら位置を固定できる。


 散々叩いたおかげで竜鱗が破壊されている。

 ここが最後のエネルギー集中場所。

 まさに頭脳だ。


 尾先にたっぷりためこんだ"猛毒の花"による毒。

 こいつを鱗がなくなっている場所にねじり込む!

 グリグリと花を開いて尾先で掘り込む。


「ガアアッ! ガアアァッ!!」


 当然大暴れ!

 っく! 足2本の踏ん張りは不安定……けど!

 イバラをしっかりしばりつつ針の鎧化を下方に多重展開!


 ずっしりと頭の上に座り込んでやる!

 頭を振られ世界がめちゃくちゃ揺れる。

 気分が悪くなる前に終わらせないと!


 皮膚層を貫通!

 霧のダンジョン製作者がどこまでこだわっているかはわからないが少なくとも噴き出して来るのは霧。

 確かに硬質で肉っぽい感触はあるがあんまりそこまで似せる気はない?


 まあおそらくそういうのにこだわっても強さとしてまったく関係ないのだろう。

 むしろ明確に頭開けば勝てるみたいな弱点をしこまないで済む。

 けど……この奥にエネルギー集中場所が有るのは確か。


 うわお揺れる揺れる! 壁に頭をぶつけだした!

 鎧の足元をスバイク状に!

 周囲に魔法反応! ドリルゼロエネミー変形して大盾!


 さらにイバラたちを周囲にぐるぐると巻く。

 "蛇の構え"! "防御"効果付与! 反射反撃に反撃後(エフェクト)によりイバラの攻撃パワー増加!

 氷の槍氷の刃なんでもござれ!


 氷の爆発は……高難度技術だけど『相殺』をやってみるか!

 何度か飛んでくる氷の魔法を弾き落として……来た!

 魔力反応が私中心に! 準備しておいた火魔法"エクスプロージF"を用意!


 発動するのではなくこの今まさに私に向かって発動しようとしている冷気爆発魔法へ魔法介入!

 残されている時間は短時間だが……暗号はかなり単純だ。突破。

 そのまま魔法を構成する術式に対して私の"エクスプロージF"の魔法を構成する術式をぶちこむ!


 するとどうなるか。

 発動しようとした魔法ははちゃめちゃな構成式で不発……

 いや意図的に暴発!


 私から位置がズレて竜の首で爆発!

 炎と極低温のコラボレーション。

 竜だけを傷つけていく。


 こうして場を乱している間に私の尾はあっという間に腐食させてゆきかなり奥まで突っ込んだ。

 ……感触が変わった。

 ひりつくような力強いものがある。


 そしてそれは頑丈に守られているようだ。

 ここで諦めるかっ!

 何度もぶつかって……ねじり込むように何度も押し付けて……


 この奥。竜の最後である力を壊す!

 全力連打!

 猛毒で溶かしイバラの力で砕く!


「はああああぁ……!!」


 叩く叩く叩く!

 揺らされ振り回されてもしがみつき。 猛攻は盾ゼロエネミーやイバラで防ぐ!


「……蒼竜神使として、蒼龍を騙る存在には、さようならだ!」


 ドライとアインスもきっちり仕事してくれて私はこの尾先に集中出来ている。

 ここを! 打ち付けて!

 ……貫く!


 …………

 少しの何も起こらない間があった。

 そして力なく竜は吠える。


 砕けた。尾の先だけでも貫いた。

 引き抜いた先に貫通しぶら下がっている丸い大きな結晶。

 それこそが最後の力の源。


 そして……

 崩れながらその全身は霧へと帰っていった……


「来世はホンモノの神になれると良いね……」


 おわわ! 落ちるかとおもった!

 頭上にいて落下する瞬間アインスがきっちり浮かせてくれた!


(ざんしんでござるよー)


 何キャラなんだそれは。

 まあそれはともかくこうして助かった私は門が開くのを見届けた……





 最後の強敵。

 実質勝ち抜かせる気が無いような相手だったためか相手側にとってのデメリットである報酬も凄まじく多い。

 やたら豪華そうな宝箱が3つもあった。


 高そうな金属の地金(インゴット)から豪華な武具それと食糧。

 地金とはつまり加工した金属の塊である。

 ぶっちゃけかなりうまい。

 ……これの有効化さえできれば。


 今の所持ち帰れてはいる。

 しかし霧のダンジョンを攻略し術者に術の終了をさせたらどうなるだろう。

 その時は葉っぱの化かしたお金よろしく全て霧へとかわらないだろうか。


 そうか。霧のものはああやって霧にかえってしまうなら……

 この物資たちや……そしてみんなは……





 最後の階段を抜けて51階……ではなく外。

 とは言えどこかの建物の中だ。

 木造のこの建物はどこだろうか。


 そして目の前の長椅子に座って……ではなくガッツリ寝ている誰かの姿があった。

 もしや……術者?

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