六百四十四生目 既知
神の力で階段をつくりまくって霧のダンジョンをブレイクしていた。
しかし20階の強敵部屋で弾かれる。
向こう側の抵抗だ。
ならばここでまたヤドカリと戦おう。
ヤドカリは地面から飛び出しその大きな巻き貝からはいでてくる。
ここだっ! 今なら!
ヤドカリの動きは前普通に対峙したときと比べ実に緩慢に見えた。
これが"進化"の差。
ゆったりとしたそこに……放つ!
火魔法"フレイムボール"! イバラ武技"なぎ払い"! 剣ゼロエネミー鞭剣化!
いけえ!!
鞭剣ゼロエネミーをヤドカリが引っ込む前にいきなり斬り込むことで怯む!
イバラが伸び多くの脚を一斉に薙ぎ払って空に浮かせる。
そして私が突っ込んで"近接攻撃"!
爪で殴る! 足で蹴り上げる! 尾でトドメ!
この『ネオハリー』だと2足歩行だからちょっとパンチの威力が下がり気味なのと牙攻撃がしづらいのが問題だ。
ただそれを差し引いても……
ヤドカリは力なく地に伏した。
トドメはいつもどおりみんなに任して門が開く。
恵み泉で気分と行動力それに生命力を回復。
さあやるか。
30階!
現れるは背中に大きな棘を生やした大蛇!
……が蔦で出来た地面の下に潜んでいるのは分かっている!
地魔法だ!
[グランドフォール "ストーンフォール"のように岩を落とすが岩盤になる]
これを大蛇に気づいてから用意していては間に合わない。
とっくにここに来るまでにほとんど位置調整計算や頑丈化と重量化強化による長期詠唱済ませてある。
もちろん"二重詠唱"だ。
私が指を鳴らすと下側からあまりに重い音が響く。
同時にヘビの鳴き声と……
そのあと霧として爆散した音も。
……うむ。えぐい。
穴から見てみたらこの広い穴全体を塞ぐかのような黒い岩盤がおそらく2重になってかさなっていた。
鉄塊か……さらにたちの悪いものか。
とにもかくにも門は開く。
大蛇は果たして魂はあるのだろうか。
40階。
先日も対峙した魔人。
それらのデータはすでに揃っている。
先手の魔法も準備完了。
相変わらずあぐらをかいて座っていた。
もはや正々堂々という文字は自分の中に存在しないということで。
地魔法!
[クラッキング 地面をひび割れさせさらに相手を地面に固定する]
地魔法は比較的詠唱が長いわりに浮く敵にはあたらないことが多いという欠陥がある。
だが魔人は浮かないし最初は座っている。
発動!
大きな地響きと共に一瞬で魔人の居た場所がひび割れる。
そして地面が引き込むように魔人に喰い込んで地面の下へと封じ込め……
"二重詠唱"! さらに深く!
飛び出して頭上を取るとほぼ同時に空魔法"エクスプロージS"! "二重詠唱"!
位置は相手に対して頭上から真下へ!
ここに来るまでに強烈に練り込んであった魔法だ!
空間炸裂により強烈な圧力で下方へ沈んでいく。
相手をさらに埋め込んだ。
よし腕まで地下だ!
相手は突然の事に対応し槍を呼び出そうとしたが間に合っていない。
ここで……剣ゼロエネミーも組み替えてゆき大剣モードに。
あと2つ用意出来ている!
聖魔法"パニッシュメント"!
1度相手の真上へ飛来してから雷に似た極光エネルギーを叩きつける魔法だが……
すでに位置は真上。
この場合は即届く。
もちろん"二重詠唱"だ!
何とか抜け出そうとあがこうとしたところに容赦なく2つの極光エネルギーが撃たれる。
衝撃に思わずのけぞっているようだ。
そして……
大剣ゼロエネミーが空から落ちてそこに私の魔法。
土魔法"ヘヴィズン"! 対象は大剣ゼロエネミー!
大剣ゼロエネミーが急激に重さを増し落下していく。
もちろん"二重詠唱"で倍プッシュ。
さらに念力のように魔法で操り勢いよくまっすぐ固定で加速的落下をさせているから威力は跳ね上がる!
いけえ! なんでも斬れる剣!
ゼロエネミーは光をまといその巨大な刃でまっすぐ魔人へと突き立てる。
魔人の頭に対して刃は容赦なく真っ直ぐ切り刺さり……
貫いて。
私がさらに空から蹴り込み。
魔人は不快な音をたてながら輝いて……
霧へと爆散した!
良かった。ギリギリ火力は足りていたか。
結構"クラッキング"は大きいダメージのはずだったからなあ。
門が開き恵みの泉補給。
この『ネオハリー』は長い活動はかなり禁物で終了後に精算するハメになる。
だが今かなりスムーズに来ているからこの調子なら数日倦怠感や筋肉痛で転がらなくてすむぞ!
41階。
近くにいた雑魚はみんなと倒しつつ階段を『干渉』!
創り出してさあ次の階へ。
この寒い建物エリアの相手もできる限り仲間にしつつ進もう。