表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
641/2401

六百三十ニ生目 毒蛇

 あまりに巨大な蛇。

 部屋中を這い回ってやっと尾先が見えた。

 あのコカケロスの蛇よりも太く顔が酷くいかつい。

 背中から棘が生え毒が染み出していた。


 天の方にある木の枝に身体を巻き付け上から見下ろしてくる。

 大きな口をガバリと開き威嚇した!


「シァーッ!!」


 一切遅れることなくそのまま突っ込んできた!

 丸呑みは勘弁だ!

 走って避ける!


 よし! 背後に抜けた!

 大蛇は地面になっていたツタに大穴を開け地下へ。

 "見透す眼"! 地下は空洞。よって大蛇はフリー。


 地下から襲ってくる!

 よいしょっ!

 なんとか2撃目もかわした!


 こちらも反撃だ!

 通り過ぎる横腹に向かって茨を伸ばす!

 "ズタ裂き"だ!


「なっ!?」


 早い動きでイバラの棘が鱗に弾かれた!?

 やはり30階の強敵としているだけあってかなり強力だ。

 蛇の背中の棘から毒がとんでくる。


 しかも色んな方向から!

 身体を張り巡らさていたのはこのためか!

 全身をいばらで覆って防ぐ!


 ジュウと毒弾がイバラに埋まり溶かして……いない?

 なんだか毒は表面に軽く刺さるだけで全く染み込まなかった。

 イバラにも感覚はあるからわかる。


 これは"猛毒の花"で私が毒性と毒耐性を持っているからか?

 相手の毒より勝っているのかもしれない。

 普通は種類違う時点でなんらかがあるとは思うが……まあ毒抵抗で無害化出来るのならそれにこしたことはない。


 今やるのは考察ではなく攻撃!

 まずは武技"猫舌打ち"!

 イバラを何本か使ってさらにイバラの先が(エフェクト)に包まれ分かれる。


 大量のフック型棘が生えた細長い鞭たち。

 それを勢いよくうごめいている大蛇に向かって放つ!

 さっきは通らなかったがムチたちは鱗に引っかかる。


 私の体ごと持って行きそうになるのをなんとか耐えて反対側のヘビ身体にも同じようにイバラを伸ばす!

 そちらも引っ掛けて……互いを互いの重りにし引き止める!


「そお……れっ!」


 さらに暴れるヘビの勢いを利用して思いっきり引っ張る!

 ……鱗が剥げ皮が裂けた。

 血が裂け絶叫が裂ける。


 ヘビが痛みに驚いてのたうちまわっている。

 まともに制御出来ていない今だ!

 剣ゼロエネミーを展開!


 節ごとにバラバラとなり間に(エフェクト)の魔力線を通す。

 そして大きな剣を模した形に整えられる。

 大剣モードだ。


「せいやっー!!」


 剣を鱗が剥げた所にシュートッ!

 動きを固定してしかも防御能力が落ちているからキレイに刺さる。

 貫いて地形に縫い付けた。


「シャーッ!!」


 激しく怒り狂うヘビ。

 どうやら長い身体とそこまで大きくないこの場を利用して動ける範囲で襲い来るらしい。

 身体をムチのようにしならせ飛びつきて来た!


「はああぁっ!」


 土魔法"ソールハンマー"!

 "二重詠唱"で2つの大きな土槌が空に生まれる。

 ヘビは飛びついてきたからこそ軌道予測がしやすかった。


 イバラを使って高速立体移動。

 つまり足と手にして跳んだ。

 ヘビは私のいない空をかぶりつく。


 その地に頭がついた瞬間に2つのハンマーが頭をたたく!

 思いっきりにぶい音が響き地下へと叩きつけられていく。

 よしよしいい感じだ。


 身体が大きく棘も生え頑丈で俊敏という強さに強さを重ねた存在みたいだからみんながひとりでは突破出来ないのはわかる。

 剣とか矢とかじゃ相手しづらい。

 魔法タイプだとここまで潜れずに行動力が尽きてしまうし。


 大蛇はまだ無事らしくそして怒りをかったらしい。

 顔は見えないが地上より上にある身体がうねり大暴れしている!

 巻き込まれる!


 というか地形がめちゃくちゃに破壊されている!

 仕方ない飛び降りよう!

 食い付いているイバラを自切しくるくる縦回転しながら落下。


 着地する瞬間にイバラを下に撃ち出すように伸ばして衝撃を殺す。

 結構深めだった。安全第一。

 ヘビが地の底に叩きつけられた衝撃が広がっている。


 しかし今のを食らって普通にもう起き上がっているかぁ。

 体力おばけじゃないか!

 相手は怒り狂っているが同時に冷静になったらしくこちらの方をギラギラした目で見ながら頭をあちこち動かし様子を伺っている。


 頭の上の鱗が壊れている……

 いややったのは私なんだが。

 どうする。私も長旅で疲れているしあんまり長く戦いたくはないが。


 頑強さを貫き通す叩きですら持ち前の体力を見せつけてきたヘビ。

 しかもめっちゃ警戒していて2回目はまず当たらないだろう。

 やるしかないか……毒。


 イヤな技ってわけではないが相手は毒持ちだから効くかどうかという点だ。

 あんまり効かない手札を切り続けてもこちらの集中が切れるし危険度が跳ね上がる。

 頼むから入ってくれ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ