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六百二十七生目 海水

 霧のダンジョンから5匹連れて帰ってきた。

 実験の意味も大きい。

 物を持ち帰れるのは知っていたからもしやとは思ったが。


「――というわけ」

「なるほど……それは新しいデータだな」

「ワン!」


 5匹たちも緊張していたが味方なのが伝わったらしい。

 落ち着き出したようだ。

 それより……


「ええと、イタ吉は何を?」

「ああ、アイツか? 5階で詰まったんだよアイツ」

「えっ、もう情報割れてたのに?」


 何をやっているのだアイツは。

 ダカシから何を教わっているのか聞き耳をたててみる。


「――だから、この扉と同じ色になるまで踏むんだ」

「ああ、そうだっけ」

「壁の向こうのもな」

「壁の向こうの?」

「ひび割れた壁があるから、その向こう側! 簡単に壊せるから壊して中に入って踏んで色を変えるんだ!」

「え、こっちの色は?」

「同じだよ!」

「あー、そうだったのか! なんかレバー動かすのは覚えてたんだけれどなあ」

「失敗すると霧に包まれて外に出される。それは注意事項として言ったじゃないか……」


 ……うん。何をやっているんだ。

 いやまあイタ吉に頭脳面を期待するのはできないとは思っていたが。

 たまに光るカンは謎解きの場面ではあまり期待できないし。


 こうしてこの日はまたふけていく……





 おはようございます。朝です。

 朝食を済ませジャグナーたちがまとめたメモを記憶。

 そして道すがら頭の中で読んでいく。


 拾ったけれどよくわからなかった物や魔物の特徴それに罠情報。

 豊富なのにわかりやすくそして1日でできる範囲を幅広くやってくれた。

 意外にダカシとジャグナーは裏方向きなのかもしれない。


 それと私たちが来て初日にでかけていった面々が少なくない数が傷を増やし帰ってきていた。

 ダンダラはまだだがやはり攻略は骨が折れるようだ。

 私……と5匹もできる限りがんばろう。





「涼しい……」


 また1階からやり直しそのまま10階のボスを倒し11階にやってきた。

 外は寒いが1階から10階はあたたかい。

 11階からはなんだか涼しいのだ。


 今度はウツボみたいな敵が穴から飛び出して来たのでなんとか食われないように避けつつ殴る!

 そしてそれに続く5匹たち。

 猛攻を貰ってウツボは倒れ霧になる。


 なんだか5匹たちが積極的になってきたので私のついでに補助をかけてある。

 防御系もしっかりと。

 みんなの行動力残力は気にしながら進んでいく。


 12階は同じ広めの空間に3匹も敵がいて焦った。

 13階は拾ったものをデータと照らし合わせると火を吐く花だと判明した。

 14階で使ったら1撃でカニが焼き蟹になってしまったが1回使うともう根を剥がすと枯れてしまうらしい。


 さてこの先は危険だ。

 全員に対して本で覚えた魔法を使う。


「"水面を土のように踏みしめ蹴らせる加護をかの者の脚に宿し守り給え、ウォークオン"!」


 なんというか久々である。

 水の上を歩ける魔法だ。

 そうこの先は……


 15階。

 入った瞬間に浮遊感。

 というか落下しているのだ。


 距離はわずかだが下は地獄が広がる。

 なんと海。水だ!!

 知らずに飛び込んでいたら私はここで死んでいた。


 事前情報に感謝しつつ水上へ着陸!

 いや着水? ともかく波紋をたてつつも問題なく水の上にいる。

 5匹……今は8匹に増えた連れたちはどかどかと慌てた様子で落ちては水の上に乗る。


 ナマコは水の上ではなくそのまま水の中に潜った。

 水中生物たちには余計な魔法はかけていない。

 なんとか陸上と空組が態勢をたてなおして……


 さあこのただっぴろい海から正解を見つけるのが問題だ。

 実はここすごーく縦にも横にも広い部屋になっている。

 この中のどこか岩陰なんかに次の階段が隠されているので探そうというイヤな案件だ。


 ただまあ……それは事前情報なしならばの話。

 地形はランダム生成されるそうだが……明確な答えの導き方が用意されている。

 ご丁寧なことに。


「……あった。この岩先」


 3つほど水面よりも飛び出している岩がある。

 うち1つの岩は上部が擦り切れていて平らに近い。

 まずこの岩を参考にする。


 脳内マッピングを5感と"魔感"を使ってする光魔法"ディテクション"をかかさない。

 なんとなく逃してしまう違和感もこの魔法なら勝手に地図に書き足される。

 ざっと見回して……


 脳内マッピングをチェック。

 立体的に見て……あっ!

 ここがメモに描いてあったポイントか!


 同じ形の岩が連なって海の底に沈んでいる。

 似た形というよりコピーアンドペーストしたようなものだ。

 気づくとすごい違和感。


 それを水上から改めて視認。

 動いていないものに対しての視力はあんまりよくないんだよなあ……

 "鷹目"でズーム!


 あー……なんかズラしたようなあとがあるような。


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