五百九十六生目 刀剣
決闘の契約締結。
相手に追加の契約を結ばせることにも成功した。
これで相手はこちらにもう手が出せないどころか……
今謝罪行為である一定金額の支払いをを拒否しようとしたらひとり倒れた。
第1段階。頭を締め付ける痛みが走るだったっけ。
なんだが経典唱えると金の輪がしまりそうなものだ。
続けて周りのものたちも一斉に苦しみだす。
あれが連帯責任効果だったか。
魔法契約書恐ろしすぎる。
「あ、ああっ、や、やります! やらせてもらいます!! はっ、はぁ……痛みがなくなった……」
「うぐぐ……ひどすぎる……」
「なーにがひどすぎるだ! そっちじゃないか仕掛けてきたのは!」
「それに……私の方に突き付けられた内容覚えてますけれど、アレも大差なかったですよ」
「うぐっ」
オウカに続いて私の1言でトドメ刺されたらしく途端に静かになった。
こうして改めて彼らの手持ちから迷惑料を支払ってもらい。
共に必死な謝罪の言葉をもらった。
「本当、これで勘弁してくれ……! 俺たちだって死にたいわけじゃあない!」
「うぐぐ……本当に近くで見ても本物のテテフフライト……どうやってこんな大きさのものを」
いためつけて解決でもまあ大きな問題はなかったが禍根がのこりそうだからしっかりとテテフフライトの原石をみてもらった。
何度見て貰っても本物である。
そりゃそうだ。
「まあ、ビギナーズラックだったんでしょうね」
「運も実力の内さ!」
「こんなに宝石が大きいと、ワクワクするよね! ロマンがあって!」
「このテテフフライトは本物のテテフフから貰った……」
「えっ!? 蝶嵐から!?」
「……なんて、話にロマンがありすぎかな?」
事実だけれどね。
ただそれを言ったところで嘘くさいだけ。
ぼやかして納得してもらうしかない。
その後彼らと別れ私たちは改めて買い出しに戻る。
……その後砂漠の迷宮大会時に多数の蝶嵐被害が出るがそれはのちのお話……
武器屋へやってきた。
ここは冒険者や傭兵なんかが買いに来る武器専門店。
兵士たちの場合は支給品よりグレードアップしたい者たちがやってくるため結果的に繁盛している。
「あれ? これって……良さそう!」
グレンくんが大量に立て掛けてある中から一本引き抜く。
そして鞘から少しだけ抜く。
鋼のきらめきが美しい。
が。オウカはそれを見て苦い顔。
「あー、それね……グレン君の場合は特に……まあいいや。やってみたほうが早いかな。店長! 試し切りさせてー!」
「あいよー! 裏のカカシ使えー!」
ということで一同移動完了。
裏庭でカカシ相手に対面するのはグレンくん。
剣を鞘から引き抜いて……抜いて……
「ぬ、抜けない!」
「コツがあるんですよ。オウカさん、詳しいですよね?」
「うぐっ、まあそうだけど……ほら、こうやって……」
「ぬ、抜けた!」
うまく身体を反らして抜いた剣。
曲がりつつ細いもので身に曲線が描かれている。
ザ・刀だ。
「さ、振ってみ」
「はい!」
グレンくんはしっかりと握ると誰に言われるまでもなく正しいとされる刀の握り方をする。
両手で相手の方に刃を向けて……足を地につけたままにじりよる送り足。
そして……継ぎ足で踏み込む!
「でやあっ!」
刀に光が宿り一閃。
ざっくり行った! ……あっあれ?
何かおかしい。
「お、オウカさ〜ん、ごめんなさい……」
とても申し訳無さそうな声と共にグレンくんが振り返ると手に持っていた刀全体にヒビが。
かかしのほうも斬れるというより砕けるように大きく破れ……
ガシャン! と大きな音と共に刀は砕けちった!
「あー、やっぱり。店主ー! さっきの刀買い取るわー! 壊れたからー!」
「あいよ……ってええ! 1発で壊したんですかい!?」
店主が驚いて顔を見せに来たがボロボロの刀を見て「あちゃー」と顔に手をやっていた。
私もさすがにかかし斬っただけでこうなるとは思っていなかった。
「まあ、グレン君が謝ることじゃないよ。予測はしていたからね」
「俺もたまに見るが……脆いんだよな、刀」
オウカとダンが話している通りらしく武器屋店主もうなずく。
「まあそれでもあそこまで派手に壊れるのはなかながないが……一定の人気があるんだ。普段は腰にぶら下げていざって時に相手を斬る事に特化した斬刀、斬刀じゃあ切れ味の低下が速いから最初から刃を潰しておく打刀。うちは打刀しか置いてないよ」
「打刀ですらすぐにこれじゃあ……グレン君向きじゃないね。やっぱり大太刀ぐらいじゃないと」
「お、さすが『大刀の戦車』は詳しいですね」
「うぉい!!」
オウカが何やら慌てだしゴウが笑っている……
もしやオウカって昔は刀使いだったのか。
なるほど一連の反応はそれで。