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五百九十四生目 残心

 因縁つけてきた相手と決闘中!

 相手の主力武器である半月剣(シャムシール)を剣ゼロエネミーで切り落とした!

 だが相手は距離を取りつつナイフをぶん投げてきて。


 ナイフは毛と服をかすめつつギリギリ回避。

 ただ今の無理やりな姿勢変更で肉体が痛みかける。

 大丈夫。連続で使わなければ何とか。


 とか思っている間に第2射!

 今度は2発同時。

 確かに彼はニンゲンの中ではかなり強いな!


 その力におぼれてしまいあんな因縁つける態度になったのかな……とも。

 私も自戒しよう。

 2射目は牽制狙いだったらしく避けるのは簡単。


 かわりに大きく距離を開け放された。

 腰元からショートソードを1本取り出した。

 どうやら予備の1本らしい。


「くそっ! なんなんだその剣は!? なぜ俺の剣が斬れる!?」

「この剣は……私を信頼してくれているからね!」


 相手は呼吸をととのえるためにも話しかけきたっぽいがそれはこちらもよかった。

 私剣士タイプではないんでね!

 前衛のニンゲンって良くこれをいつもやれるね!


 今度は向こうが突撃してきた!

 私は半歩下がりながら軸をずらしていく。

 おそらく相手もまっすぐきてまっすぐは切り裂かない。


 というよりそれをやっちゃうとうっかり私の剣が当たると今度は折れたショートソードで戦うハメになる。

 それはちょっと降参ものだからね。

 彼の動きがきらめきだし光が尾を引きだす。


 早くなった?

 でもそこまでは……

 とにかく制圧可能圏内接近してきたのは事実。


 小振りながらしっかり(エフェクト)を蓄え攻撃範囲を広げつつ突く。

 って!?

 瞬間的に急速に素早く動き回り込まれる!?


 大丈夫追えている!

 向こうが振るう前にゼロエネミーを振り直す――

 まただ!


 風切り音と共に相手の身体が瞬間的に動き(エフェクト)だけが尾を引いて残る。

 そしておそらくは相手自身も反応する前に避けているっぽい。

 回避した後のバランスがおかしくて直すのに一拍使っている。


 こっちは剣ゼロエネミーを自らの腕のように振るえるから後スキは多少平気だ。

 また振って。瞬間的に加速し屈んで避けられる。

 そこに振り込んでも。回るように体勢を変え避けられる。


 これではこちらの振り損でスタミナ損だ。

 もう一度振って回避されたところで地を蹴り距離を取る。

 当然相手は詰めてきた。


 今度は……相手にショートソードを振らせる。

 腰をかがめた低い姿勢。

 横に回り込みつつ中断で斬りつけか!


 避けられるのなら相手に振らせるしかない。

 ただやはり相手も慎重だからこの位置からだとショートソードを斬って迎撃は困難。

 だっからッ!


 地へ剣を叩きつける!

 それを起点に動きつつ……土魔力バースト!

 重点変化させ切り抜けを避けつつ……


 地面爆発!


「なっ!?」


 相手の方向に土と石それに砂が大量に当たるし爆発の威力もある。

 当然最接近していた相手はモロに喰らうことになる。

 私は爆発することは知ってやっていたので反動を踏ん張らず跳んで勢いを殺す。


 痛みも大きいだろうが……相手は受け身を取って立ち上がる。

 1番の効果は目くらましだ。

 目を開けられずひるんでいる。


 効果時間切れかそれとも集中が切れたからかあの(エフェクト)が動きに尾をひいていない。

 つまり発動していない。

 チャンスだ!


 踏み込む。

 足を低く。前にかがんで。

 空を舞うがごとく強く跳ぶ!


 駆けるだけでは届かない瞬間距離をこうして埋める。

 空では足場がない。

 振るえるのは勢いを活かしたただ一撃のみ。


「……"正気落とし"ッ!」


 彼の頭から鈍い音が響く!

 私が剣ゼロエネミーの面でぶったたいたからだ。

 本当はちゃんと斬ったほうが剣士っぽいのだが仕方ない。


 やはり剣士ってなかなか大変だなあ……

 着地して残心。

 相手はなすすべなくそのまま膝をつき倒れ込んだ。


「勝負あり! 勝者ローズオーラ!」


 わあっと私側の陣営がわく。

 そしてブーイングがとぶのが相手側。


「やったー!」「ローズの圧勝だ!」

「おい!!」「ちゃんと戦え!」


 端から見れば圧勝に見えたのかな。

 かなり思った以上に苦労していたんだけれど。

 長く感じられた時間ももしや30秒もたってない?


「くそっ、おい大丈夫か?」

「うっ……ぐっ……」

「意識は濁っているけれど、死んではないね」


 向こうのニンゲンたちが介抱している。

 傷はないだろう。

 そのかわり剣は真っ二つだが。


「ええい! こんな決闘は無効だ!」

「いいえ、有効です」

「ぐっ……ならば!」


 ジャッジに冷たくあしらわれる相手。

 ならばと相手が出したのは他4人が短剣を取り出して……

 地面へ投げる前にジャッジが手で制した。


「今この場は神聖な決闘の場。一旦締めくくるほうが先です」

「ぐっ……するしか……ないかっ」

「大丈夫、まだ次がある……」


 なるほどね……無効を求める決闘をかな。

 けれど……手は何とか打たせてもらった。

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