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五百七十三生目 王家

 ジェントルマンとハックの活躍により犯人を倒した!

 私の方も死者の回復はなんとか済んだ。


「グッ……!」


 犯人はまだ意識があるらしい。

 ただ立つことも出来ずうめき仰向けになる。

 そして思いっきり服をはだけさせ……みな息を飲んだ。


「逝ねやぁぁ!!」


 はだけた部分から見える大量の火薬爆弾!

 さらに火炎瓶をやつが手にとった!

 自爆するつもりだ!


 ジェントルマンが反射的にハックを抱き駆ける。

 行動速度が魔法で早くなっているジェントルマンでも間に合うかどうか。

 だから魔法間に合え!


 速攻詠唱! 聖魔法!


[バリアー 魔法を含む敵対ダメージを遮る壁を作り出す]


 薄い膜のような壁がジェントルマンたちの背後にできつつある。

 犯人は火炎瓶を地面に叩き投げた!

 炎が瞬時に広がっていく。


 薄い膜は犯人とジェントルマンに対してナナメに発生!

 強度がもてないから少しでもコレでそらすしかない!

 彼の爆弾に炎が燃え移り……


 大爆発!!

 膜が僅かに攻撃をそらしカットして砕けていく。

 そしてジェントルマンはハックを抱え思いっきり跳んだ。


 ジェントルマンたち以外は十分距離をとる時間が稼げていたため助かっていたが……どうだ?

 爆煙の向こう側。

 晴れればそこには……


「なんとかなりましたね」

「あ、ありがとう!」


 良かった。

 ふたりとも大きな怪我は無く無事だった……

 ただ犯人は……司法の場に引きずり出すのは難しいようだ。





「オーナー!」「オーナー何やってるんですか!」「心配しましたよオーナー!」

「はっはっはっ! 紳士として見過ごせなかっただけだよ」


 その後医務室に運び込まれた先でかけられた職員たちからの言葉は……驚きと同時になんだか納得できるものだった。

 ジェントルマンは美術展のオーナーだったようだ。

 ハックは『トイレ』に向かった。理由はうまいこと勘違いしてもらえたらしい。


「それにしても彼、トイレに間に合ったら良かったのだが。子どものときにあんな光景を見たら、私でも厳しいものが得るからね」

「た、多分大丈夫です」

「それならば、良かった」


 まさか"変装"が解けそうとは言えず、ちびりそうにと言っておいた。

 ジェントルマンことオーナーがかばってくれておかげで傷はないというのも伝えてある。

 それでも好意で一応みてもらったほうがと押し問答になりそうだったが……


 最終的に現状という波が全てさらった。

 あれ以来不審な影はなく火事騒動含めて単独犯だろうと判定された。

 しかし……被害が大きすぎる。


 とても美術展のキャパでは賄えないけが人の数と被害度。

 救護兵が到達し重傷者は手当のできるところまで運んでいったが……まだ現場はてんやわんやだ。


「それにしても、あれほどの惨事だったのにもかかわらず、誰も死んでいなかったとは……」


 うっ。

 やはりある程度戦えるニンゲンから見たら違和感あるよね……

 ただオーナーは軽く頷く。


「あの爆風も思えばやや不自然でした。何か魔法のようなものが発生して、すぐに壊れたかのような……そのような気配が」

「そ、そうなんですか?」

「ええ。それと……レディ、貴女はあの時弟のもとを離れどこへ……?」

「え!? いや、はぐれちゃって……」


 話のもって行き方が強引。

 つまり勘付いている……!


「まあ……今回のはきっと、我々に幸運の女神がついていたのでしょう」

「そ、そうですね!」


 鋭くも優しい瞳を向けふと笑顔でそう言ったオーナー。

 どうやら彼はあえて追求しないでくれるらしい。

 最後まで彼はジェントルマンだった。





 夕暮れの中別れのためにオーナーと外で対面していた。

 ついに帽子をかぶりジェントルマンとして完成したオーナーの姿は本当に様になっている。


「今日は実に災難でしたね。怪我がなくて何よりでした」

「いえ! 本当に! ほんとーに楽しめたので!」

「そう言っていたたげると幸いです。せぜひこちらを。次回こそ警備を高めて、安全に運行しますので」


 オーナーが渡したのは手紙のようなものだった。

 封蝋もおされデザインがしっかりと……しっかり……うん?

 何か見たことがあるような。


「この手紙はなんです?」

「それは正式な王家の手紙。中身は、次の美術展のときに見せていたたければ、私の特別なお客様として迎えるように記されてます」

「はい……はい!? 王家!?」

「ええ、まあ私、一応帝都の第2王子でしてね」

「「ええっ!?」」


 第4王子のダンダラには会ったけれど第2王子がこんなところに!?

 驚く私達に対してドッキリが成功したという明るい声で笑うオーナー。


 驚いたが……なんだか色々と腑に落ちる。

 ダンダラも強いし宝石剣を持っていた。

 ドラゴンソウルはきっと彼の所有品なのだろう。

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