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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
生き残るのはどちらかだけ
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五百五十ニ生目 名伏

 霊的世界へと隠れたポロニア。

 だがそこには事前に隠れ潜んでいたユウレンとウロスが!

 彼らは現実世界では大して強くないが……この霊的世界で今まさに牙をむく!


 ふたりは形容し難い異形と化した。

 ユウレンは死者の顔をしたおぞましい黒い気配を漂わす巨人のような鬼のような何かに。

 ウロスは借りている視点での主観担当だから細かくはわからないが……なんだろう。


 見ているだけで存在してはいけない何かを見てしまった気分。


「ちい。ここはお前らの世界か。出れん……!」


 触手がウロスから伸びユウレンが腕を振るったところで"以心伝心"を切った。

 任せられるし私もしなくてはならないことがある。

 それにちょっと気分が悪くなってきたので……

 なにかあのウロスさんの姿は理解してはいけない気がするから理解だけは避けておこう。





 急いで地上を這うように空を飛ぶ。

 アインスが気を回してくれているわけだ。

 空を飛ぶと反射的に内臓が冷えるものだけれど地面に近いならまだ安心感がある。


『戦闘部隊の3割が削られた! 緊急ワープ残量が減ってきている!』

『今近くまできている!』


 軍部隊全体としてみればまだ戦えるが戦闘部隊としては大損害。

 とはいえ無理せず素早く下がる者も多い。

 みな敵に背を向け壁の内側に逃げ込んだのだから。


 そのしんがりで出てしまう損害的にはありうる数だった。

 正直あのポロニア分身体の4方向追加大猛攻は予想を越えていたが。

 それでも壁から飛行型が越えないようにしのいでいるし肝心のポロニア本体は封じた。


 あとは……回復をしてさらなる札を切るだけだ。

 地上スレスレということは近くにたくさんの分身ポロニアがいるということ。

 高速で駆け抜けながらイバラと剣ゼロエネミーで切り裂いていく。


 小型や中型ならさっくり行けるし大型も吹き飛ばす程度なら!

 中型の魔法が発動する前に落とすのを意識しつつアインスが高速で飛行!

 私の後には散った(エフェクト)だけが残る。


「うわっ!」

「速い!」

「つっよ!」


 味方たちの驚嘆が耳に入ってはすぐに遠ざかる。

 結界が破損していない正面門は避け側面にすぐ回り込み上空から接近。

 誤射を避けてもらいつつ中へ入った。


 脳内で行程をえがくと複雑そうだがこんなのは1分もかかってない。

 むしろ直線的に戦術塔へ向かうまでが長い!





 やっとついた……

 いや何よりも戦術塔を浮遊して駆け上るジェットコースターみたいな動きがあまりに長く感じただけで実際はすぐ。

 緊急ワープ魔法貯蓄が尽きること無くスレスレだが戻れた。


 なのでアインスのテンションが上がって曲芸的な動きをしたことは不問とする。


(めっちゃオコってる……)


 座椅子に座って戦術塔を再起動。

 怪我を負った者たちを順に癒やしていく。

 戦闘に復帰がすぐしやすいのが普通の戦争との違いだね。


 補助のかけ直しを行いつつ戦況の見直して今後の動きをジャグナーたちと決める。

 電気魔法"エレキエンチャント"などの力でこちらは小型を1撃で倒すものが多い。

 ただし小型はそもそも数に押した盾と矛でしかない。


 彼らは中型の飛行と魔法を運び不意に出して大打撃を与えるのが役割だ。

 さらに大型も堂々と歩み小型と戯れているところを蹴散らす。

 速さに極端な違いがなければ1回の攻撃はそのままみんなにとっても1回なのは間違いなく1回殴る間に向こうも1回と匹数の分殴る。


 こちらは数も不利でこのアノニマルースの外壁広さの割に総兵数4000ほどと少ない。

 これは総人口ならぬ総魔物数が万をこえた程度だからというのもあった。

 単に前線に立つものではなく単純な運搬や機械の動かしそれに罠と壁の設置など事前の動きと骸骨たちそれにゴーレムたちによる足しが今耐えれている理由に等しい。


 その数を足してでも…少ない。

 ポロニア軍は分身という圧倒的な有利な存在をぶつけてきているし数も万越えは余裕ではいるだろうコレ。

 ただそれでも私達は勝てる。


 それほどまでに今回は守り側としてジャグナーたちの指示で優位。

 不確定……いやひっくり返す要素そのものはやはりポロニア。

 封じている今は逆に押し返す時だ。


 撤退しきりかわりに壁の外から破壊音が多数響く。

 大型の攻撃や中型の魔法や飛来。

 そしてそれらを壁の中や上から撃退。


 それらの大合唱なわけだが……事態は動く。

 硬く改めて閉じてある門が再び開く。

 向こうのせいではなくこちら側からだ。


 そして門の前に詰め寄り侵入しようと必死な小型たちは――

 次の瞬間には吹き飛んだ!

 小型たちは初めてのことに関しては突っ込んで確かめる。


 それが見事にアダとなり各地で大きく吹き飛ぶ。

 それもそうだ。

 門のすき間からは砲台が顔を覗かせていたからだ。


 開かれる。

 開かれるごとに用意される装置が増えていく。

 そのたびに相手は吹き飛び蜂の巣となって(エフェクト)になって散る。


 大型が強行突破を狙って突進してきたらその背中にはいつの間にか大量の蛇と蜘蛛。

 足を取られ身体を糸で固定されこれでもかと毒をぶち込まれてから離れ……

 また新たな砲撃がぶち込まれた!

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