五百五生目 解除
召喚獣スターべが急激にエネルギーの圧力が高まる。
目に見えて光が高まっていて危険だ。
どう出れば避けられる?
「その癒やしの力、尽きるかと思ったがそうでもないらしいなぁ。じゃあ、やることは1つ!」
「ああアタック」
「ここで一気にトドメを刺す!」
光輝きそのまま突撃してきた!?
「そんなの……っ!」
アインスはしっかり視界にとらえて直線状に飛んでくるスターべを回避。
うっ!? 動きが!?
急に落ちたかと思ったら跳ね上がって!?
「そりゃぁああ!!」
「ぐうっ!?」
まさか一瞬飛行の急落下を!?
そのまま地面に落ち跳ね上がって回転。
真上に蹴り込んで私を蹴った!?
予想外の動きにアインスも対処しきれず当たってしまったがまだ……
「でらぁあ!!」「ひゃあ!?」
そのまま私の上へ抜けると3つの口からブレスを!?
食べるばかりではなかったのか!
ぼ! "防御"!
3つの口からのブレスが混ざり合い1つに化ける。
極太の光線が私の全身に浴びる!
からだが、やける……!
アインスが必死に離脱して体勢を立て直す。
今は!? 生命力まだ5割――
「終わってねぇよ!」
「はっ!?」
"止眼"! そして"鷹目"で引き絵を……いた!
真上! ドライ!
(剣ゼロエネミーを間に合わせる!)
"止眼"解除!
身体の方は完全には間に合わない。
けれど剣ゼロエネミーが私の前に飛んでくる。
その間果たして60分の何秒だったか。
差し込めないはずの隙間に剣ゼロエネミーが届いた!
刃が縦に大きく振り切りさらに同時に斬撃が飛んでそれも剣ゼロエネミーが受け凌ぐ。
「ううっ」
炎が熱い。相手は臆することなくそのまま連撃。
耳に何重もの金属衝突の音と光がぶつかり炸裂する音が鳴り響く。
顔が炎であぶられる!
「でやぁあ!」
「わっ!」
途中突然身体を振り横からドラゴンの尾が!
勢いにこっちが少しひるむと無茶なほどに低く構えてからの斬り上げ!
私の身体が切られる以上に制御不能なまま打ち上げられたことが大きい。
残り生命力4割。アインスは頑張って立て直しているけれど!
「もらったああぁ!!」
まさに全身全霊。
気合のこもった声と共に地面を蹴り飛んで3つのアタマに光を輝かせ隕石のごとく突っ込んでくる!
あれは前もくらったスターべの最強技……の角と龍鱗つきで強化バージョン!
"止眼"ふたたび!
どうにかして止めないとうち貫かれ死ぬ……!
何か避けるか……わずかでもそらせないと。
だけど"止眼"を連続使用したことでもう頭痛が始まっている。
早く決めないと体感時間の引き伸ばしにも限度がある。
だが転移系は使えないから緊急回避手段は魔法もスキルもダメ。
("すり抜け回避"ならどうだ!? 今なら慎重にはかって自身があらゆる物理干渉しない瞬間を狙える)
(ダメだよー! 身体がまだそこまで動かせない!)
やはりただの斬り上げじゃなくて武技か。
わずかな間身体の制御を奪える系の!
"すり抜け回避"はスキルとしてあくまで避ける動きをしないと発動ができない。
だがとすると詰み……いや!
そうだ! ……ううっ。頭痛がひどく。
ふたりとも、最後は任せて!
(あ、ああ? 頼んだぞ!)(おねが〜い!)
"止眼"解除!
「ぁぁああ!!」
ほんの一瞬で距離を詰める素早い頭突き。
ニンゲンの眼だと追えないそれでも獣の目の私ならじっくりとしっかりと死の瞬間がやってくるのを追えている。
だがこれならすぐにやれる!
"進化"解除!!
「なっ!?」
"進化"するのは魔力を集め混ぜて爆発的エネルギーをその身に受けてと手間だ。
だが解除は逆。
本来の姿に戻るだけだからノータイムで実行できる。
だが姿が変わる時に受けることになる。
それだけは読めない。
だが姿かたちが変化することで……
「ギャウッ!!」「しまった逸れた!」
っっ!! つらい!! 耐えた! つらい!
スターべは空へ。私は地へ。
なんとか転がり肉体を操る権利はドライへ。
(よし。少しムチャするぞ)
痛む身体で光魔法"ヒーリング"で生命力を癒やしつつドライが無理矢理身体を動かし下がる。
賭けには勝った。
元には戻るだけだから無事変化できているしちょっと左肩の方向おかしかったり胸の骨が明らかに折れた音が聞こえたりしたが無事だ。
あと横腹の肉がごっそり削り取られているが食べられたか……
生きている! ただそれだけだ!
スターべが戻ってくる前に決着を!
「はあああああ!!」
「ん!?」
召喚者エポニードはひどく動揺しているように見えた。
まず仕留めきれなかったこと。そして私がこんなんなのに向かってくることに驚いたのだろう。
悪いがドライは多少のムチャな動き方だってするぞ!




