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四百七十八生目 隠蔽

 また私は花畑の花を摘み駆ける。

 同時にジャグナーが4足でダンダラへと駆けた。

 (エフェクト)を纏いながら突っ込むその姿はまさしく車体が高速で突っ込んで来る様。


 ダンダラもまともにかち合うのは避けたがり直進に対して横っ飛びで回避。

 ブレーキをかけ横で止まり振り返ってダンダラと正面でぶつかった!

 2足で立ち上がり前足を振るったところを異様に低姿勢に沈み込み回避。


 そのまま振り終わった腕に向かって刃が襲う!


「ぐっ!」

「硬い!」


 腕の岩が斬りはねられ空を舞う。

 腕が痛そうにひるんでいるが重大なダメージは入っていなさそうだ。

 すぐに身体を回して尾の一撃を入れる!


「ううっ!?」


 必死にダンダラは宝石剣で斬り受けた。

 ただ重みと衝撃はもろに来たらしくかなり顔をしかめている。

 だが……受けきった。


「うお、おおおおぉ!!」


 宝石剣の(エフェクト)がほとばしる!

 ジャグナーが必死に尾を振り切ろうとしているのが見える。

 宝石剣が岩の尾に喰い込んでいるんだ。


 そしてゴリゴリとそのまま踏み込んで。

 ついには削り斬り落とした!

 途端にバランスを崩す両者。


「麗しのき――」

「おやすみ!」


 ガバッと体制を直すところだったダンダラの顔に"猛毒の花"で変化させた花を砕いたのをぶつける。

 そのまま咳き込むダンダラにたいして足元を蹴り込み倒す。


「――みの、ため……」


 何かをつぶやきつつ眠った。

 こっちも心肺機能は動いたままのようだ。

 今ので頭は打ったけれど。







「ここは俺たちがふん縛って見張っておく」

「ローズはもうひとりのを頼んだ!」

「わかった!」


 痛みのある部分などを最低限癒やしすぐに隣の部屋へと向かう。

 穴を抜け通路の先に向かうと2者が十分距離をあけて向かい合っていた。

 見た目はダカシは傷と土にまみれているしラヴも身体のいたるところで光が漏れている。


 だが双方は強気の笑顔だった。

 能力的に精神勝負になるかなと思ったがやはりそうなのかもしれない。

 双方笑顔とは裏腹に気迫がかなり削れ疲弊している様子。


「やるのねあなた……」

「そっちこそ、そろそろ負けてくれても良いんじゃないかな……」


 私にも気づかずそう話し合いダカシは叫びラヴは指を鳴らして同時に駆ける。

 1瞬の交差で多くの攻防が繰り広げられ通り過ぎる。

 互いに殴るという物理的なものは爪で斬り裂いたのみだったが。


 "魔感"で感じれた大量のスキル攻防。

 おそらく悪魔の力とラヴの能力による激しい精神的な殴り合い。

 不可視ながらも重いやりとり。


 果たして最後に立つものはどちらか。

 ――崩れたのはダカシ。

 そして悲鳴を上げたのはラヴだった。


「キャアアアアァ!! あなた……私の力を……!」

「一部だけだけど美味かったって、悪魔が言っているよ。ッイテ……」


 ダカシの損壊していた肉体が悪魔の力により修復されていく。

 落ち着いたところで両者こちらに気づいた。


「あ、ローズ! 召喚者は?」

「それが……」

「その様子、からくりに気づきはしたけれどとうすれば良いのかわからないみたいね。なら!」


 つらそうなラヴが指を羊が5匹程度(エフェクト)で作り出された。

 誘惑ではないんだと思ったけれどなぜか前まであった見るだけで心を踏みしめられる感覚がない。

 多分やらないのではなくダカシにより出来なくされたのだろう。

 羊だけれどけたたましく鳴く声がみみをつんざく。


「気をつけろ、当たると痛みと共に眠くなる魔法だ!」

「分かった!」


 剣ゼロエネミーをムチモードにさせて連続で薙ぎ払っていく!

 ビシバシと振るうと跳んで回避した。

 そのまま2匹はこちらに突っ込んでくる!


 引き戻しで打ち払い1匹を斬り裂く。

 どうやらあまり頑強ではないらしい。

 そのまま駆けて目の前まできたもう1匹に向かって火魔法"フレイムボール"を放つと(エフェクト)同士の衝突で火花を散らし対消滅した。


 もう3匹はダカシが爪で追い払い避けまわっているがサイズ差のせいで牧歌的にたわむれているみたいに見える。

 ただ実際は命がけなのですぐ剣ゼロエネミーを向かわせた。

 問題は……確かにどこに指揮権持ちがいるかわからない点だ。


 光魔法"ディテクション"でなんとか探ろうとしてみたもののまるでわからない。

 委細に脳内レーダーに探らせても見つからないのはそういうのに特化したスキルを持っているわけだ。

 例えば探知妨害。例えばドラーグの影隠れ。


 ラヴが指をならすたびに増えていく羊に手をこまねいているわけにもいかない。

 準備していたこれに賭ける!

 地魔法"ジオラークサーベイ"!


(ジョーホーブンセキするよ! ……でた!)


 よしありがとうアインス!

 対象が『接地』さえしていればこれで割り出せると思ったけれどこの分析結果は……

 ラヴに背を向け壁に目を向ける。


「え!?」「っ!」


 ダカシとラヴが驚くがその種類が違うようだ。

 もちろん相手は"鷹目"で見ているから羊の猛攻を避ける。

 そう相手がいるのは……壁だ!

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