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四百七十五生目 爆炎

 ドウは動かずに金棒ごと腕を高く持ち上げる。


「ぐぅあああ!!」


 叫ぶとドウの身体から(エフェクト)が溢れた。

 気配的に筋力をさらに増強したか。

 同時にダンダラは駆ける。


 こちらはひととおり補助魔法かけすんでいる。

 切れるつどかけなおす必要はあるが今は必要がない。

 全力を放てる!


「麗しの君の剣を受けろ!」

「イヤ!」


 さっそく剣ゼロエネミーを魔法で念力のように飛ばしダンダラが接近しすぎる前にぶつける。

 土魔力を帯びた剣がダンダラの宝石剣へとぶつかる!

 バリバリと(エフェクト)と金属の衝突音と共に弾かれ双方後退。


 理不尽に威力が削がれたせいか向こうの威力が理不尽に増えているせいか土魔力のふっとばし威力加味して負け気味とは……

 ダンダラはそのまま駆けてジャグナーの元へ。

 ジャグナーもダンダラへと接近した。


「まともに組み合うのは危険!」

「ああ! どぅらあ!」


 2足歩行になってから強く前足を地面に叩きつける!

 まだ少し距離があるから見誤った?

 そうダンダラも思った次の瞬間に地面がめくれる勢いで前方扇状に衝撃波!


「おわっ!」「むっ」

「まだまだ!」


 ドウが金棒を両手で構えてガードしダンダラは喰らって背後に押し飛ばされる。

 威力はそこまでなさそうだが汎用性が高そう。

 地面も荒れたから動きにくくさせたしそこへイタ吉が飛び込む。


 もちろん狙いはドウ。

 衝撃波を受け止め圧されているドウの背後に一瞬で回り込む。

 両前足の爪が引き裂いた!


「……あっ! かって!」


 しかし血が飛び散りはしなかった。

 召喚者だから召喚獣追加分の生命力で余裕で受けきったらしい。

 それに加えてかなりの防御能力を誇っているようだ。


 イタ吉は追撃をしようとしたらさすがに金棒を振られたため離脱した。


「蚊に刺されたかのようとはこのことだ、な」

「ローズ気をつけろ、アイツとんでもなく硬い!」

「うん、それと気になることもある」


 接近してこようとするふたりに向かって土魔法"Eスピア"を連続で放ち牽制。

 そのまま駆けて互いに攻め合う。

 気になるのは召喚者と召喚獣が離れたことだ。


 間違いなくドウは召喚者である。

 "観察"したさいに生命力と行動力のゲージが2つになっている。

 だがさきほどからどうにもおかしい。


 違和感はもはやはっきりと形になってきている。

 思考している間にも戦いは進み互いに数十秒もの間攻めあって金棒が私の頭上を捉えようとした瞬間に跳び避ける。

 だが地面へと振り下ろされた金棒が地面を叩き割り破片を飛ばしてきた!


「うっ!」


 大したダメージはない。

 ただ繰り返されれば蓄積がバカに出来ないか……

 隣の部屋から戦闘音らしい爆音が鳴り響いているな……


 そうこの状況はやはりおかしい。

 剣ゼロエネミーでドウの金棒と削り合うように斬り合いながら疑問を口にする。


「キミ、なんで召喚獣に指示を出していない?」

「さすがに気づく、か」


 ダンダラがイタ吉の剣戟をかいくぐりこちらに跳んでくる。

 "フレイムボール"を2つ投げつけるがテンポ良く踏み込んでかわされ地面に落ちた火炎玉が青く炸裂。

 身をひねって避ける!


「ぐうっ!」


 頬にかすった程度。

 それでもビリリと痛みが来て震える。

 血が溢れ散った。


「そうだ、な。ワタシは指示はしていな、い」

「そ、それでもこうして戦えている理由……まさか!」


 すぐにジャグナーが車のごとき勢いでダンダラを跳ね飛ばす。

 向こうへ持っていってくれた。

 召喚獣に関する本で読んだ時に触れられていた高度な技術のひとつに思い当たるフシがあった。


 召喚獣ラヴが能力を行使するさいにほぼ必ずと言っていいほどに『指を鳴らして』いた。

 あれはただの格好つけじゃない。

 合図だ!


「まさか別のニンゲンに召喚獣の指示権を渡しているの……!?」

「クハハ。そこに気づけただけ上、々」


 イタ吉を飛び回る蚊のように金棒を横振りでフルスイング!

 イタ吉も尾の刃をねじ込むが重厚な筋肉に深い傷が阻まれたあげくスイングが腹に当たる。

 そのまま振り切られ壁までとんで衝突した。


「イタ吉!」

「……あ〜、いってえ」

「そして気づいたところでどうしようも、ない」


 痛そうだが生きている。

 優先すべきはこちらにまた向かってくるドウとダンダラか。

 ドウの言うとおりわかったところで隠れた場所がわからない限り対処しにくい。


 間違いなくラヴの近くにいるのは分かるんだけれど……

 まずは彼らを沈めないと!

 ドウかこちらに金棒を突いて――


 っ!?

 火薬のにおいが脊髄反射で危険回避を取らせる。

 必要が無いほどに後ろへ大きく跳んで。


 金棒が爆発!

 正確には金棒の先から炎が噴き出したのだ。

 爆発したさいの重低音が耳に残る。


「今のを避けた、か」

「まさかギミックを仕込んでいたとは……」


 ダンダラだけでも厄介なのにドウも強い……!

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