表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
483/2401

四百七十三生目 天晴

 アインスが電気魔法"チャージボルト"を唱える。

 しかも精霊2つ使ってだ。

 "チャージボルト"は自身に電力をためてゆき次の行動に影響を与える。


「やはり無事だったか! 決めたつもりだったのだがな!」

「なんとかスレスレね!」


 崩壊した足場を飛び渡り無事な場所まで移動する。

 油断しなくてもリビングアーマーはこちらに距離を詰めてきたりすぐに斬撃を飛ばしてくるので恐ろしい。

 ドライがひたすら剣ゼロエネミーを空中に飛ばし斬りつけているのに対応しながらだもの。


 リビングアーマーに弱点があるとするとそれは重さと鎧が本体という点そのもの。

 重さはそのままのとおりで無骨な大剣すらかついでいるせいで防ぐのは得意でも避けきるのはなかなか出来ていない。

 そして鎧が本体なことで動くたびにガチャガチャと鳴るものを脱ぐ事は出来ない。


 ちかくで動けば直ぐにどこからでも分かりそして鎧の隙間を縫って攻撃する必要が無いという点も。

 リビングアーマーは守るべき中身がないため鎧に傷が入ればその分そのままダメージというのもある。

 "観察"したところ残り生命力は半分程度。


 疲れしらずでこっちが足を止めたら容赦なく接近してくるのは本当に恐ろしいが"ヒーリング"で傷を癒やしつつ"チャージボルト"で溜め込んでいく。

 倒せない相手ではないのなら倒せる!

 地面を裂きながら飛んできた斬撃2連を転がってなんとか回避。


 毛皮がブワッと総毛立ち自らの身体が青白い電気で輝き出す。

 もはや私に触れることすら危険になったがリビングアーマーは気にせず突っ込んでくる。

 『斬れる』からだ。


 必死に後ろに跳び下がり距離を稼ぎつつ詠唱。

 足場が足場だけにまともなところに着地できない!

 私がリビングアーマーの攻撃をギリギリで避けドライが剣を飛ばして斬りつけ……


(いっくよ!)


 アインスが魔法を唱える!

 アヅキからのレンタル魔法!


「いっけえ!」

「ぬっ!?」


 私の纏った電気が空へと移動し魔法記述の輪が多数発生。

 紋様を描いて魔法陣のように重なり魔法エネルギーが溜まっていく。

 昔アヅキが『準備に時間がかかって使いにくい』と言っていた魔法だが今の私とアインスにかかればこの速度らしい。


 それに"チャージボルト"を2重で行いより素早くできるのも利点。

 これで戦闘時間内に発現できた。

 危険を察知してかリビングアーマーは大剣を持ったまま空中へ身構える。


 やはり斬るには遠すぎるのか。

 魔法を斬るには直接的な攻撃が必要っぽかったからそうかなとは思ったが。

 そして次の1撃は亜音速。


 それだけだと防がれるだろうが顕現する雷の槍は周囲にも雷撃を走らせるうえあまりに巨大。

 勘付いて魔法陣より前で大剣を振るうが遅かった。


「う、うおおおおぉ!!」


 リビングアーマーが光に飲まれる。

 辺り一帯が雷撃に包まれそして――

 ガシャンという派手な落下音が鳴り響いた。





 雷撃を一身に受けたリビングアーマーは崩れるように地に伏していた。

 死んではいない。"峰打ち"は使用済みだからね。

 雷撃が金属の鎧を蹂躙した跡が生々しく焦げ跡として残っている。


「ぐうぅ……! 天晴(あっぱれ)!!」


 それでも再び鎧が合わさって立ち上がろうとうごめく。

 誘惑を受けているから命令をこなさないと止まれないのだろう。

 だけど今ならば……直接触れて"無敵"!


 リビングアーマーが驚き身を震わせるが置いといて"無敵"をかける。

 無機物生物にも今の能力ならちゃんと効くはずだ。

 ……よし。通った。そのまま誘惑解除を念じる。


「……!? 我は一体何を……」

「ふう。大丈夫そうだね」


 敵に対して聖魔法"ピースマインド"だと強く抵抗喰らったり和らげるだけでしばらく診てなくてはならないが"無敵"なら直ぐになんとかなる。

 すごいぞ"無敵"。初めて単独で役にたっている気がするぞ!


「なぜここで我が貴殿と戦ったのか、こんなところでうろついていたのか今では理由がさっぱりわからないが、貴殿が我の目を覚ましてくれたらしいのは分かる。ありがとう」

「落ち着いたようでなにより。傷は大丈夫?」

「フハハ! この程度アダダダダ」

「ダメっぽいね。少し治すよ」


 "無敵""ヒーリング"重ね合わせで治癒していく。

 やっている間にみんなも終わったらしくて帰ってきた。

 みな傷を負っているのでとりあえず生命力だけでも癒やす。


「まあ1番ボロボロなのはローズだけどな」

「そこは言わないで!」


 血に染まる毛皮や服を洗いたいが残念ながらまだ先がある。

 というよりここからが本番だ。

 全員を治療し補助魔法をかけておいた。


「この先にヤツがいるみたいだが……」

「なんとか倒したやつら、精神異常のせいか這ってでもこっちに来るな……この先膠着した時に厄介だ」

「ならば出入り口は我が抑えておこう」


 ダカシが気配を察知しジャグナーが考える通り周りの倒したたくさんの敵たちは半分は気絶しているものの起きて無理矢理こちらに来ようとする者もいる。

 さながらゾンビホラー。

 そこでリビングアーマーがありがたい申し出をしてくれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ