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四十五生目 熱戦

1/20投稿分の、1/2です

血が出たり痛かったりするので苦手な方は深呼吸をしてからご覧ください


 次は、これでいくか。

 筋力強化(ヒートストロング)炎膜付与(フレイムガード)を唱える。

 魔法がまるで手足のように使える。

 ハッキリとその存在が感じられて、中からその力が溢れてくる。

 これが進化か!


 私は同時に2つの魔法を使って突撃する。

 正面に炎熱の膜がはられ、身体は羽根のように軽くなる。

 そして身体を起き上がらせようとしている大烏へハチのように刺す。

 正面からためらいのない直線的な突撃。

 炎の膜が大烏の顔を焼きそのまま"私"の頭がぶち当たった。

 強烈な頭突き!

 "私"の頭の硬さも中々のようで相手はその勢いでまた転がっていった。


 洞穴の外へと受け身をとって下がった。

 さすがにこれ以上の追撃は許してもらえず、すぐさま立ち上がり跳んだ。


「何なのだ! いきなり、お前は! 何なのだ!!」

「ただの獲物だ」


 跳んでからさらに翼を動かして滑空している。

 顔が焼かれたあげく頭突きを喰らって血を流している。

 とてもギャグっぽい絵面だがやられた方はたまったものではないだろう。


 炎熱の膜は時間が短くすぐに消えた。

 今度は武器炎付与(フレイムエンチャント)で爪やトゲに炎をともした。

 先程の手応えでわかったが、この姿でも対等といった所。

 観察でも生命力は大げさには変わっていないか。


「もうやらせんぞ、メス仔め!」


 大烏はそう叫ぶと天に腕を伸ばした。

 そしてそこに雷の剣が現れ掴んだ。

 昔の時にみた、雷の魔法か!

 こっちも魔法を唱える。

 防御結界(シールド)防御強化(スタッドボーン)

 唱え終わった瞬間に大烏が剣をこちらへ向けた。

 そして先から雷がほとばしる!

 ッ! 一撃当たった!

 速いから見てからでは避けられない。

 痺れが残る身体を無理矢理動かし次の雷を避ける。

 乱射してきているが剣先から出るので予測はしやすい。

 それに絶縁体である空気を切り裂いて飛んできている。

 威力がそこそこ落ちているのだ。


 だが乱射されていては近づけない。

 岩陰に隠れ詠唱。

 恐らく今ならこういう事も出来るはずだ。

 ストーンショットのさいに鉄分を固める。

 ググっと力をこめて発射!

 作り出された鉄を多量含む石……つまり鉄鉱石を投射。

 山なりに飛んでいく鉄鉱石。

 気にせず乱射する大烏。

 しかし雷は全て鉄鉱石に飛んでいった!


「何!?」


 雷を多数受けた鉄鉱石は高く打ち上がりそのまま大烏の頭へと落ちる。


「危なっ!?」


 さすがに避けられた。

 だが避雷針にはなってくれた。

 次だ。

 岩陰から飛び出してストーンショットで鉄鉱石を乱射!

 今度はこちらが撃ち込みまくる!


「グッ!?」


 回避しきれず数発被弾したまらず降下した。

 雷で弾ければ良いのだが吸われてしまったら意味がないからね。

 今度は地上同士の戦いだ。

 大量に設置した時間差で発動する土槍。

 発動までの時間をバラバラに配置しつつ連続発動。

 さらに接近戦を仕掛け敵に火の爪で殴り掛かる。


 大烏もやられているだけではない。 ランダムで生えてくる土槍を回避しながら私に雷の剣を振るう。

 あの剣はギリギリで避けても電撃が枝分かれして私を焼いてくる。

 振りは見ていれば避けれるが避けるだけでは喰らってしまった。

 厄介だ。


 大烏が飛び出る土槍の端をつかんで勢い良く上に登った!

 そのまま別の土槍へと蹴り跳んで全身に雷撃をまとった。

 そしてそのまま土槍の間をいくつも蹴り跳ぶ。

 速い!

 速度が上がった、そういう雷の魔法か!

 そして勢いをつけたまま私に向かって勢い良く蹴り込み!

 速いけど"私"の目は捉えられる。

 バックして回避。

 "私"の目の前に着地。


 勢い良くついた脚から放射状に雷撃が広がった!?


 ガアッ!!

 あまりの痺れに倒れ込んだ。

 魔法の防ぎがなかったら危なかった。

 二段構えだったわけか。

 大烏は反動があるのかしばらく姿勢を保ったが、私が起き上がろうとする頃には動き出した。

 足先で私を蹴り上げる。

 クッ、さっきよりは痛くないがボールみたいに蹴り跳ばされた!

 格闘の小足みたいな事しおって。


 "私"は何とか体制を立て直して着地。

 再び走る。

 ヒーリングをかけつつ雪の中に紛れる。

 癒やす間にサウンドウェーブで爆音砲を撃つ。

 前方に鼓膜ごと三半規管を破壊するやつだ。

 今の状態なら、こちらの被害はうるさい程度で済むコントロールが出来る。

 ただ地上でも相手は小気味よく動き回る。

 音はかなり早く動いてくれるはずだが普段相手は雷を扱っている。

 視認しにくくても耳が捉えて当たる直前の音の変化で攻撃を捉えてるらしい。

 よけてよけて避けられまくる。


「厄介な技を!? 喰らってみる気は絶対にないなっ!」


 危険性を理解しているのも厄介だ。

 ただの音なんだから一回喰らってみて欲しい。


 よし、なんとか治療までの時間が稼げた。


 今度はフレイムボール連射。

 火の玉が色んな方向から2つの速度で発射されていく。

 速いのと遅いのと。

 それを雷の剣でぶった切られつつ雷を発射された。

 避けはするがどうしても少しは枝分かれが当たってしまう。

 弾幕をはったおかげで背後などの死角で地道に当たったものの空中に逃げられる。

 すぐに鉄鉱石投げ再開。

 落とす、火の玉。

 上がる、石投げ。

 地道にだがやっと生命力が半分を切った。


 ハメにみえるがとんでもない。

 大烏は確実なスキをついて雷を撃ってくる。

 雷撃ちならかなり連射できるらしくて強い。

 すごく痺れる。

 痺れるたびにアドレナリンが分泌されて脳内麻薬をキメる。

 血と焼け焦げたにおいこそ戦場。

 "私"好みに仕上がってきた。

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