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四百五十七生目 仕事

『うん。それは良かった。もちろんその上でバトルや強くなるのを楽しんでも良いけれど、戦ったり、時には殺すこと、そして糧を得て食べること、すべてつながっているし、主義主張のぶつかり合いで避けられないこともあるからね。

 まあとにかく、また悩んだら教えて』

『はい!』


 グレンくんとの会話はこんな感じになった。

 あとは近況で何を食べただのどう戦っただのを聞かせてくれて楽しかった。






 次はインカ組。

 兄のインカたちと私の直属部下5名による狩猟探索だ。

 先日はまだあまりニンゲンの手が入っていない木々の多い山に行ったらしい。


『――それでさー、山の中でもうたくさんあるわけだよ、使えそうなの!』

『お、やっぱり香辛料になりそうなのあったんだ』

『妹の部下たちも面白いよなー。そういう物もめざとく見つけれてさ』


 部下たちは冒険し探検させるのをメインで鍛えている。

 どれを採取するかはスキルや感覚で鍛えている。たくさんとれるだろう。

 基礎的な知識も知っていて実践はくりかえしやっている。


 初めて見るものでも対処できるだろう。

 インカもその辺りの直感は優れている。


『妹の部下たちが面白いというの、アレもあるな。彼らは仲が良いとか以上に、なんていうんだろう……仕事! って感じが凄いするよ』

『ああ、わかる? でも終わったら結構自由じゃない?』

『その差が面白いよなー。普段は絶対遵守って感じで働いているのに、終わったらそれぞれバラバラの良さを見せてくるし、俺への接し方も緩くなるからなあ』


 仕事の時は全力のフリをして休みの時はだらけるフリをしよう。

 私が彼らに伝えたことではある。

 とても良くできているようで何より。


『そいや変なニンゲン? たぶんニンゲンが現れてな』

『え!? 大丈夫だったの!?』


 突然振られた話にめちゃくちゃビビった。

 ひとけがないんじゃあなかったのか!?


『ああ、そこは大丈夫だったんだが……みんな突然現れたとびっくりしてな。すごい気配の隠し方がうまかった。においも紛れている。

 それでいきなり現れて何をするつもりか聞いたら、何か素質があるとかで修行? してみないかって誘われたんだよね』

『え、何その完全に怪しいの』


 気軽な感じの声が伝わってくるけれど絶対怪しいやつじゃん。

 変な信仰とかしてそうじゃん。


『まさか、オーケーしたの?』

『うーん、返事をする前に去っちゃったんだよねえ。まるで嘘みたいに消えちゃった。ただ……なんとなくタダモノじゃない気配ではあったかな。やるにしてもやらないしても、一度見てくるよ』

『うーん、幻術かな……うん? なんで?』


 今の話の流れだと行かなくても良いきがするけれど。

 タダモノじゃなさそうなのは気になるが。


『ほら、カエリラスだよ。やつらとの関わりを調べたい』

『なるほど……気をつけてよ?』

『当然! それに、もし実際強く成れるなら、今の内に力をつけておかなくちゃならないからな。カエリラスもそうだが、霊獣ポロニアとかいうのがまた来た時に、今度は俺もみんなを守りたいからな』

『……うん、わかった。ありがとう兄さん』


 インカも色々と考えているんだなあ……

 そのことがわかった話だった。





 さらにドラーグからの連絡だ。

 さすがに彼は早い。

 あっという間に都市への1つにたどり着いたらしい。


『――それで、聞いてくださいよ! ちょっと頑張ってニンゲンに扮していたんですけれど、本当に何か騒ぎでもあるみたいで、もうニンゲンだらけ! 多くて酔っちゃいました!』

『ああー、私もちょっとした繁華街でおなじようなこと思ったから、都市にもなると大変だろうねえ』


 この国はとにかくニンゲンが多い。

 しかも前世でいうニンゲンよりもかなり差が大きい多種多様な姿が揃っている。

 ドラーグが2足歩行に切り替え身体を光に溶かし2m程度にサイズを抑え適当に服を見繕えばニンゲンに見られる。


 だがそれは他の本当にニンゲンたちもおなじこと。

 様々な大きさやにおいがいりまじるので色々と大変だ。


『ええと、それで美味しいものもたくさんあって、また買い込んだのでそちらにもお分けしますね』

『ああ、ありがとう』


 ドラーグの購入してくる食べ物や品物はアノニマルース内で新しい文化や便利さそして美味しい新レシピとしてかなり楽しみにしているフシがある。

 私も実際楽しみだ。

 ドラーグが魔物目線で購入するものはアノニマルース的に当たりが多い。


『それでなんですが、食べるために人通りの少ない裏通り歩いていたら……小さいニンゲンの子を拾っちゃいまして』

『元の場所に返してきなさい』

『ままま、待ってください!』


 そんな仔猫か仔犬拾ったみたいに!

 子どもじゃあるまいし親に飼っていいかどうか伺うトーンで念話しないで!

 ……よく考えたらドラーグは子どもだった!


『その子、ズタボロなんです』

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