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四百四十七生目 戦略

 壁の向こう側に取り込まれ暗中。

 次の瞬間私達は落下していることに気づいた。

 っておちてる!?

 集落の長が遅れて気づいた声が聴こえると同時に暗闇ダイビング!!


「「うわあああ!! わぁーああ!?」」


 おちたと思ったら何か高速で滑り出した!

 ツルツルだけどそこそこ痛いぞこれ!?

 抗うことも難しくかなりのスピードでどこかへと運ばれていく。


「くそっ!? いない!?」

「音が下から聴こえる! ……が床しかない! どうなっているんだ!」


 怒声が響いてくる。

 どうやらトンネル状になっているらしい。

 私達も叫びながら急に明るい場所へと投げ出された。


 最後はブレーキ用にか角度が変化してそれでも止まらず吹っ飛び壁に激突しそうになって必死の受け身。

 とはいっても痛いし見た目は結局激突である。

 そのままズルズル地面へおちた。


「いってぇ……」

「な、何が……」


 なんとか首を上げると先ほどまでの穴が次々崩落して埋まっていった。

 大丈夫かなここも……

 周りを見渡すと上り坂があったので痛みをこらえつつイタ吉と共に上へ登る。


 ……あっ!

 この部屋は!


「大丈夫だった!?」

「なーんとか、な」

「ナイスタイミングだった……ありがとう」


 モグラ人がそこにいた。

 焦っていた様子からしてとっさにやってくれたのかな。

 かなり助かった……


「結局、何があったの? こっちからじゃあなんとなくしかわからなくて……追い詰められていたみたいだから、使い捨てトラップを起動したんだけれど」

「かなりヤバかった。こっちを殺そうとしてくるやつがいた!」

「……あ、ここなら魔法が使える。今のうちに治しておこう」


 光魔法"ヒーリング"!

 淡い光が私やイタ吉に向かって放たれる。

 良かった。あの魔法封印から逃れた位置みたいだ。


 地上と連絡……できない!?

 なぜか"以心伝心"が弾かれる。

 地上でも何かが……またはプライドの力の一端?


「うし! なら今度こそ遅れはとらねえ! ローズ、補助魔法をくれ!」

「それと、作戦も考えなきゃね」

「オレもやれることはやらせてくれ! 友達ってやつが困っているのは見過ごせないよ!」

「おう! ありがとな!」


 うれしいことを言ってくれるモグラ人。

 イタ吉がモグラ人の肩に前足を置いてみな良い笑顔。

 こっちを殺しに来る相手だ。


 こちらもそれ相応の対処はしなくてはならない。

 モグラ人が即席トラップでプライドたちを足止めしている間に撃退方をみんなで考えた……






「ちっ、小賢しい真似を!」

「け、蹴りどかせ!」


 プライドがトラップで転がってきた岩たちを蹴り飛ばす。

 もともと大して勢いのなかった岩たちはさっくりと飛んで岩同士ぶつかり爆ぜる。

 その衝撃に集落の長が、


「ひぃ」


と小さく呟きひるんでいた。

 集落の長の行動力はこれでゲージ1本分をほぼ消費。

 彼らはこの短時間で結構奥まで侵入しているようだった。


 今だ。岩トラップの影から飛び出して急襲!

 すぐにプライドに見つかり集落の長をかばうために動き出す。

 最初からそう来ると思っていた!


 ドン! と鈍く響く音。

 受けられると思っていたプライドが吹き飛ぶ。

 "叩きつけ"をもともと飛び込んでくるだろうプライドに思いっきりやったからだ。


「がっ!? 何!?」

「ええっ!? 何が――」


 もちろんプライドもすぐに受け身を取ってたちあがろうとするが……イタ吉の方が素早く飛び出す。

 飾り気のないタックルでかっさらうように集落の長にかました。

 イタ吉ナイス!


「うぐあっ!?」

「おい待て!」

「行かせない!」 


 そのままイタ吉と集落の長は壁のひとつに飛び込む。

 薄い土壁があっさりやぶれそのまま隣の通路になだれこんだ。

 隔離完了だ。


 私が"回転切り"を放ち(エフェクト)が薄暗い洞窟内を照らす。

 プライドはとっさに両腕をクロスして受ける。

 地面を削るように押されたが耐えた。


「ぐっ……お前、さっきのやつだな!?」

「今度は、全力全開だよ!」


 私は"補助魔法全開と"進化をしてグラハリーになっていた。

 全身に針が変化した鎧を纏い肉体を全てその鎧の中に隠している。

 気分はパワードスーツ!


「まさか、神の力! ……いや、なりそこないか」

「うん? 何の話?」

「死ぬお前には関係のない話だ!」


 何か考え込んでいたが言葉の意味がよくわからない。

 考察する前に飛び込んできた!

 だが!


「オラァッ! だっ、あった!!」


 蹴りこんできたがにぶい音が響くのみ。

 ものすごい痛がっている。

 そりゃそうだ。


 私の全身は並の金属より分厚く頑強に覆われている。

 なのにプライドは指示がないため行動力を消費した攻撃ができない。

 ただいたずらに足を痛めるだけだろう。


「くっそ、ダメか……こんなことにエネルギー使いたくなかったが……」

「やあっ!」


 今度はこっちの番!

 前脚爪に(エフェクト)をまとわせ伸ばし飛びかかる!

 自身の生命力はあってないようなものなせいかその場から動かず受けた。


 前足と手が組み合い私の威力のほうが大きいからそのまま引き倒す。

 このままいけば!

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