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四百三十七生目 陽動

 危険な任務をドラーグにまかせてしまうことになるがかえの利かない能力。

 1番危険率を下げられるから頼むしかない。

 まあドラーグは観光する気満々なのだが……


「次は私の部下たちとインカよろしく。アノニマルースに使えそうなものとおいしそうなものを集めつつ、魔物たちから話を集めながら移動して」

「お兄様についていきます!」

「妹、任せてくれ」


 兄のインカは頼もしく尾を振った。

 部下たちもわいのわいのと遠征を楽しそうにしている。

 部下たちは元々だったり適性があって縄張りから離れる事を重く考えてはいない。

 魔物によっては異常に恐れるからね。


 ニンゲンたちのネットワークだけでは集められない情報を魔物たちならばわかることも多い。

 思いっきり動いてもらうつもりだ。


「それでイタ吉、ジャグナー、私、ダカシで行こう」

「俺たちは具体的に何をするんだ?」

「まあお前のデカさはどうやっても隠しきれない。だが逆に利点になることもある」

「うん。思いっきり派手に行こう」


 ダカシが尋ねジャグナーが答えたとおりダカシは最小サイズがすでに見上げる程には大きい。

 これを隠しながら各地を練り歩くのは無理。

 だから私達は陽動に動く。


 私達が派手に立ち回り場合によって人里にも行くしなんならカエリラスのメンバーと正面対決する。

 ダカシの目的が復讐である以上こっちに目を向けた方が良い。

 その間インカたちやオウカたちそしてドラーグが調べ上げる。


 私達もその調べた情報を元に解決しに向かったりしてとにかく注目を集めたい。

 みんなにそしてまだ小さい勇者グレンくんに危険な事させるんだからこのぐらいはしなきゃね。

 それに……実験もしたい。


 ダカシが元ニンゲンと明かしつつ私たちもそのお供としてちゃんとニンゲンと言語のやりとりした場合どの程度受け入れられるかということだ。

 "無敵"と"ヒーリング"の組み合わせは全員ひととおりこのメンバーにはしてあるから種族的な枷により本能拒否はないだろうが……理性面がね。


「ようし! そうと決まれば早速派手にやろうぜ! お前、氷使えるんだっけな?」

「え? ああ、うん。正確には俺じゃなくて、悪魔が使える。一時的になら頼める」

「決まりだな。派手にここらへんに氷残そうぜ! お前が来たって、敵に知らせてやれ!」


 イタ吉の提案に驚くダカシ。

 うんめちゃくちゃな気はするが……やり方としてはまあいいかな。

 私とジャグナーが反対しないのを見て困惑しつつ準備してくれた。


「じゃあ……やるぞ。離れないと巻き込まれる」

「わかった」

「悪魔……少しだけその力を解放してくれ!」


 私たちが距離を取ったのを見計らいダカシは目をつむる。

 やがて魔力がダカシから発せられ辺りを包む。

 そうしてダカシが大きく口を開いた。


「##・###!」

「え?」


 何か唸るような喋るような奇妙な声で発すると魔法が発動する。

 辺りの魔力が変質し氷となって地面から生えた!

 ゴツゴツとした氷の地面があたりに広がる。


 端の方はちょっとした岩のサイズだ。

 これなら目立つだろう。

 私も"進化"を解除して……ケンハリマへ。


「うん、いい感じ。けどさっきの声は?」

「何かはしらないけれど……悪魔の力を使うさいの詠唱らしい。俺の中に悪魔がいるから自然に言えたが、俺自身もどう発音しているかさっぱりわからん」

「なるほど……」

「お前、自分も使えたらって思っただろ」


 ダカシの説明に納得していたらイタ吉からスルドイ言葉が。

 思わずむせそうになった。

 すっ少しだけ頭をよぎっただけだし!


「いやあ……別に」

「ほーん……お前それ以上魔法使える必要ねえだろ」


 イタ吉が私の尾の方に目線を向けるが気にしないで置こう……


 この凍てついた丘の一部が発見され異常気象はたまた竜のしわざだと騒がれたのはまた後日の話。




〜新章〜





 こんにちは私です。

 数日たったが平穏でジャグナーとイタ吉は定期的に帰って仕事をこなしているため今はいない。

 ダカシは逆に集中特訓のために今も大型の魔物と戦っている。


「詰めて前脚を振るって! 尾先を意識してバランス保つ! 力強く振れるから」

「簡単に! 言って、くれる!」


 ダカシが大型の熊魔物を相手に爪を振るえば腕で止められお返しの豪爪が毛皮を貫く。

 派手に出血するがすぐに肉が伸びて覆い再生する。

 悪魔の力だ。


 そして熊の魔物は白い毛皮を持つが攻撃を受けた部位が次々に黒く変わっていく。

 あれだね。パンダの魔物だよね。

 ただ今は可愛らしさはかけらも無く野獣として吠えている。


「ぐっ、この!」

「良いよ、踏み込んで行って……あ、なんか来る」


 3つの足を軸に尾を振ってバランスを保ちつつ前片足を持ち上げ踏み込むと同時に斬り裂く。

 言葉は簡単だが勢いよく振り切るのは難しい。

 それを腕で受けていたパンダだが……


 4回目の爪撃に対して腕から植物のツタが(エフェクト)をまとい飛び出た。

 盾のように展開しダカシの爪を食い込ませ受け止める。

 パンダはニヤリと笑った。

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