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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
そして迎えるは春か破滅か
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四百三十六生目 分岐

「こ、こんなに巨大なドラゴンはあの群れにいたか!?」

「いやあ最近トランスしまして……」


 デムクラという種族だったドラーグは前のサイズでも2mほどあったが今は倍を大きくこえる。

 相変わらず2足にも4足にも気軽に切り替えられるみたいで2足で立ち上がるととんでもなくデカイ。

 光を吸い込み黒というより『穴』のように見える色合いなだけあって生まれる影も濃く大きくまるでいきなり曇りになったようだ。


[デムクスLv.4 比較:そこそこ]

[デムクス 個体名:ドラーグ

 その漆黒の身体が空を飛ぶ時に夜を連れてくると言われる。攻撃が一切見えないため多くの命が気づく前にその凶暴さによって闇に葬られた]


 説明文を読むに凶暴性は高いらしいがドラーグはおとなしいまま。

 日々の"無敵"と"ヒーリング"合わせマッサージが効いているかもしれない。

 それだけじゃなく普段から非常に協調性高くやり取りしているからそっちの能力が鍛えられたのかも。


 ドラーグは良く食べるがドラゴンとしての凶暴性と殺意を剥き出しにして野生のまま狩ったりはまるでしない。

 アノニマルースのなかでインカたちが狩ってアヅキが調理したのを食べているだけだ。

 私もね!


「ドラーグー!」

「あ、はーい」


 ドラーグに呼びかけるとその姿がまるで光に溶けるように消える。

 いきなりのことにみんな驚き当たりを見回した。

 私や魔物たちは知っているのでもはや慣れたものだけれど。


「みなさーん、こっちでーす」

「あ、あれ?」

「ちっちゃくて、かわいい……」


 ゴウが疑問符でオウカがかわいいかわいいと言い出した理由はもちろんドラーグだ。

 先ほどのサイズはどこへやら。

 私より小さくエアハリー未満のマスコットキャラクターみたいになっていた。


 そのせいでまるでデフォルメしたかのようにぬいぐるみにも見える。

 ドラーグのスキルである肉体の一部を影に入れておく力だ。

 今は肉体の殆どを光に溶かし影にしまって再構築してある。


 もはや意味がわからないが『なんかできるので……』と言われた思い出がある。

 もちろん従来通り影に全てひそめるしなんなら昼間の明るい場所でも影に自身を溶かすという力で姿を無くせる。

 身体は内側なら輪郭すらみえないほどの黒なため爪を振るっても視認できないとかチートか。


 そういえばこういう真っ黒を越えたような羽根を持つ鳥が前世にはいた気がするなあ……

 自然界に存在するカラーではあるからドラーグがトランスによって獲得していてもおかしくはないんだよね。

 ちなみに普段からそれだと不便なので少しだけ自身を光らせることも出来るそうで今はそれを使っている。

 ……おっと。


「かわいいねえかわいいね」

「わわ、しっぽはやめて! しっぽは!」

「おーい、私達も来たんだけれど」

「遅れたらなんだか目立ってないじゃん! 絶対目立つと思ったのにじゃん」


 最後の召喚相手であるユウレンとウロスさん。

 師弟関係のニンゲンでユウレンは死者を思わせる面をつけウロスさんは実験で輪廻転生して幼児化し子どもとなっている。

 ウロスさんはこの国を旅したことがあるからということで。

 ウロスさんの弟子ユウレンは暴走制止役で否応なしに連れてこられた。


「これで全員だね」

「またすごい目立つな……」

「全員を連れて歩くわけにはいかないけれど、どうするの?」


 もちろんそこは考えてある。

 ダンやオウカの言う通りだから……


「基本私達はここで別行動するよ。ユウレンとウロスさんはニンゲンたちと行って」

「案内なら任せるじゃん!」

「え!? ローズさんとはお別れなの!?」


 グレンくんが残念そうに言うがある程度はしかたない。

 私もホリハリー維持疲れるし。

 それに……


「そうか、カエリラスたちの目的は魔王復活だから、今までみたいに……」

「うん、ニンゲンの住まない場所にいる魔物たちや迷宮内それに街ではないような小さな場所が攻撃を受けていないかなって」

「うう、なんだか不安になってきた……また会おうね!」


 オウカの問いに答えたらグレンくんが詰め寄ってきた。

 なんだかなついてくれるのはうれしいが他のみんなにもなついてあげてほしい。

 少し不安になってしまう。


「大丈夫、すぐに会えるよ、だいたいの道のりは把握しているんだし」

「それじゃあ俺たちは行くか!」

「お元気で」

「じゃあね!」

「また明日!」


 明日か……明日はどうかな……

 そんな挨拶を交わしつつニンゲン組とはわかれた。

 ウロスさんが道のりを把握しているらしいしユウレンがちゃんと制御してくれるから観光であちこちいくことにはならないと思う。


 私達は私達である程度の単位でわかれることに。

 まずドラーグは単独だ。


「ドラーグ、無理しないように影に隠れながら先に帝都方面へ向かって」

「はい! 定期連絡もしますね!」

「その力は万能じゃないから見つかりそうならすぐに逃げてね」


 ドラーグは隠れることには自信がかなりあるようだがそれでも看破するスキルがあるはず。

 ないはずがない。

 ドラーグみたいな隠蔽と隠密能力は1番恐れられるだろうからピンポイントで対策(メタ)られることが大いにありうるし危険だ。

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