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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
そして迎えるは春か破滅か
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四百二十五生目 平穏

 さらにひたすら何日も航海をし多くのトラブルを抱え込んだがついにこの日がやってきた。

 船員たちが外に出て一斉に指を指す。


「大陸だ!」

「後少しで到着するぞ!」

「船が持ってくれて良かったぜー!」

「「うおおおお!!」」


 だいぶもりあがっている。

 それもそうか。

 普通に船乗りやっているだけで遭遇する命の危険を何回も乗り越えたのだから。


「おおー! やっと船の上から解放されるんだ!」

「ほらほら、手を休めない」


 一方勇者グレンくんは私と共に基礎鍛錬に励んでいた。

 グレンくんは逆上がりが出来るようになったので今はそれを維持させている。

 重い剣を持って飛び回るためには鍛えるのは大事。


「……よし!」

「ふうう……じゃあアレもやってみますか……」

「うん」


 筋肉の治療を魔法で促しつつ次の準備。

 木槍を持たせて私へ攻撃。

 相変わらずポーンと弾かれる。


「おとと」

「弾かれたさいにスキを見せないようにねー! ……ああそうだ」


 強化の火魔法"ヒートストロング"!

 赤い(エフェクト)がグレンくんを包むと驚いて槍を落としてしまう。


「う、おお! 相変わらず怖いっ!」

「最初訓練の時に使った時は、その反応にびっくりしたよ」


 強化魔法は思ったより相手にも負担があるというのを知ったのはグレンくんに使ってからかもしれない。

 そのような兆候がドラーグとかにもあったかもしれないが……

 私の強化魔法強さとグレンくんの強さ差で補助のあまりの大きさにむしろキツくなり終了後はその効果時との差に膝をつく。


 だが逆に言えばグレンくんでも私が補助魔法を使えば……


「行くよ! せいやぁ!」


 木剣を拾い直して一撃!

 熱でほほが赤くなりつつあるグレンくんが縦に斬り裂くと私の頭に当たる。


「ぐえっ」


 そう痛くはないが良い音がした。

 するどいチョップをもらったかのようなダメージ。

 つまり少なくとも効いている。


 これならば武器がちゃんとしていればダメージはしっかりあるだろう。

 ちなみに私だと普通ならばイタ吉を蹴飛ばして星に出来る程度だが強化すれば多分アヅキくらいまでなら星に出来る。

 しないけど。


「だ、大丈夫ですか?」

「うんもちろん、でも良い感じだったよ。あとは……」


 グレンの全身から汗が流れ出す。

 今この地域はそんなに熱くないどころか寒さが強いから理由はひとつ。

 火魔法"ヒートストロング"により筋力強化と同時に発熱量が増えたから。


 大人ならば暖かくなる程度で済むだろうがグレンくんはマンガのように滝汗を流す。

 火魔法"クールダウン"!

 熱が徐々におさまって汗がひいていく。


「副作用がこんなに早く出なければ良いんだけれど、贅沢は言えないよね」

「もっと精進するよお姉さん……」

「精進してどうにかなるものかな……?」


 たぶん大きくなるまでどうしようもないと思う。





 そうこうしている間に船が港につく。

 壮大な『お出迎え』で船が沈みかけるとか逆に霧が立ち込めて誰もいないなんてことはない。

 昼間についたからというのもあるが普通にニンゲンが行き交い商いをしてそこそこの活気がある。

 なんというか……


「敵地かもしれないところにきたぞって感じが全くしないね」

「気を抜かないでくださいよオウカさん。普通に見える異常というのが1番厄介なんです」


 まあみんな敵か誰もいないならば正面から殴っていけばいいが……

 一見普通に見えるトップが得体のしれない誰かに支配された国だとは思えない。


「とりあえず情報収集しましょうか」

「船はどうしやす?」

「修繕の後に通常の交易を行って、帰って貰って大丈夫だよ。こっちは足があるからね」


 オウカに思いっきり私を見られた。

 うん(くう)魔法"ファストトラベル"のことだろうね……






 宿を確保して港町で情報収集を開始した。

 私は"進化"してホリハリーになりニンゲンに扮する。

 もはや一心同体な服たちは偽装効果も高いからたのもしい。


 時間をかけて聞き込みをしたり買い食いしたりグレンくんを守りつつそれぞれコンビで分かれる。

 言語に関してみんなは受信機を渡して翻訳できるようにした。

 みんなその効果に驚きつつも感心していたようだ。


 私はいつもどおり適当に"観察"して"言語学者"との合わせ効果で自動ラーニング。

 いまや私の中には大量の言語が渦巻いている感覚がなんとなく面白いものだ。

 前世の私はどの程度言語に詳しかったのだろうか。


 そして夜に宿に集まり情報交換したのだが……


「なんつーか、平和だな!」

「上がどうなろうとうちらは同じように働くだけだって、わりと達観していましたね……」

「割と乗っ取られた情報そのものは広くしられていたな」


 どうやら乗っ取ったからといっていますぐ地方がどうにかなるというものでもないらしい。

 国がでかすぎて地方ごとにより自治があって元首の皇帝以外に王たちがたくさんいるのも混乱が少ない原因かもしれない。


 騒動が起きるような被害が下まで降りてきていないというのは最初の朗報になりそうだ。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] ロゼハリーって二足歩行で魔法特化だったっけ?ホリハリーの方じゃなかったっけ?
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