四百十四生目 補助
また悪魔の瞳だ……
まさか偶然というわけはないだろう。
魔王復活秘密結社カエリラスの刺客だ。
「やあっ!」
念力のように魔法で剣ゼロエネミーで斬りかかる。
暗殺者の右腕の肉が変化して硬質な肉の刃みたいに変化。
剣ゼロエネミーを受け止めた!
くっ。"無敵"を合わせて敵愾心を削るオーラを。
とりあえず悪魔の目がこちらを射貫く光線放つ前に対処できてよかった。
ダカシが抱えていた悪魔の目より結構小さいが危険なことに変わりはない。
「……っ! 悪魔の目持ちがこんなところに!」
「良くない状況だ……地上はどうなっているんだろうか」
崩れかけた地下室に暗殺者の肉体が変化して大きくなっていく。
多数の武装が身体に埋め込まれそのまま硬質化。
全身肉と刃それにリボルバー銃がある不気味な姿になった。
暴走はしていないらしいということも良くない点だ。
あくまで冷静なまま暗殺者が横に跳ぶ。
「くっ!」
先ほどの衝撃で明かりがかなり少なくなってしまった地下室内で火花が散り互いを照らす。
オウカが光の刃で受けるがそのまま暗殺者はコマのように回って全身の凶器を叩きつける。
常識外れの手数に剣を押し切られオウカを蹴り上げる。
鎧ごと吹き飛ばす強烈な蹴りにオウカは吹き飛ばされる。
「ガッ!」
「こっちだ! ロアーーッ」
追撃しようとする暗殺者に向かってダンが叫びながら突っ込んで殴る。
グローブごしながら全身凶器と貸した暗殺者を殴るのは痛かったらしい。
ダンの顔が苦々しく変わる。
暗殺者はさらに殴りかかろうとするダンの攻撃をかがんで避ける。
そのまま足払いをしてダンを浮かしそのまま倒れ込むところへ上から肘鉄。
やはりかなり動きが冷静だ。
ゴウが弓を放てばそれに合わせてリボルバー銃で弾丸を放つ。
互いの攻撃がかすめる。
だがゴウに届いた弾丸は黒いエネルギーがほとばしる。
「魔力を込め――」
ダン! と大きな破裂音と共にゴウが暗い光と共に吹き飛ぶ。
なんとかみんな立ち上がってまた再衝突するが明らかに不利。
よし魔法準備完了!
前も使った"レストンス"と"セパレーション"の合わせ魔法。
それを暗殺者以外にかけて全身に聖魔力を纏う。
これは前にも有効だった。
「今悪魔の目を攻撃できれば弱体化できるはず」
「ようし、やってやるぜ!」
実際に何かイヤな気配を感じたのか暗殺者が初めてたじろぐ。
最低限ながら凶悪な肉体変化でこちらへかなり有利をとっているが悪魔の目は剥き出しのまま。
隠す必要がないと考えているかもしれないし隠せないのかもしれない。
どちらにせよ好都合!
剣ゼロエネミーを念力のように魔法で飛ばして斬りかかる。
他のメンバーもそれそれ攻撃を再開!
私は剣ゼロエネミーと"ヒーリング"による治療それに"アンチポイズン"の効果が切れる前に重ねがけ。
みんなに補助魔法を少しずつかさねていった。
生傷は増えて行くがなんとか生命力の維持は出来ている。
しばらく戦闘を続けているが地下室を気にしてもう大技は難しい。
対して暗殺者は悪魔の力を使い傷ができれば修復してしまう。
息もあまり乱れないのも強い。
ただし劣勢かというとそうでもなかった。
ふたたびコマのように回転し全身の凶器を叩きつけてくる。
両手で持つ光の剣でオウカが受けガリガリと連続でえぐられる。
前はあまりの勢いに剣が弾かれたが。
「っここ!」
甲高い音が鳴り響くと共に回転が止まる。
ギリギリと無理矢理動こうとする暗殺者の動きは彼の肉体が変化して凹凸が出来た部分に光の剣が差し込まれていた。
技を見切り力の底上げを私が火魔法"ヒートストロング"でやったから力で受けきったわけだ。
体力の底上げでガードすることで受け止めきれやすくしたし他にも肉体の頑強さも増している。
だからダンが動きを止めた暗殺者へ向かって思いっきり拳を振るえる。
暗殺者の身体を光をまとった一撃が貫いた!
大きく吹き飛ばされる暗殺者。
すぐに受け身を取るが異常に気づいたらしい。
「ぎっ!?」
「悪魔の目、思ったより硬いな!」
ダンが手が痺れたかのように軽く手を振るう。
暗殺者は明らかな不調をきたしたらしく悪魔の目を両手で押さえ込む。
前かがみになり大きく肩で息をしている。
剣ゼロエネミーを鞭剣モードにしてそこをなぎはらう!
すんでで暗殺者は飛び退く。
だが考えなしのジャンプだ。
矢が暗殺者の胸に3本突き刺さる。
ゴウが放った矢だ。
うち2本はスキルによるものだからかすぐに消える。
「良し」
ゴウの満足げな1言とともに暗殺者が倒れ伏す音が響いた。