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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
そして迎えるは春か破滅か
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四百一生目 商談

「ここが魔物の街、ですか」

「ええ、会長。そして我々の調べではあの少年と取引していた先はここにつながっています」


 やーきたきた。

 私が少年に扮装して竜のドラーグ(同じく扮装)を通して恵みの泉水などを売っていた相手だ。

 ちなみに商品は大ヒットで『今日もうひとふんばりしたいあなたに』のコピーでめちゃくちゃ売りさばいているとか。


 こんにちは私です。

 "鷹目"で彼らの様子を見て光神術"エコーコレクト"で彼らの声を拾ってはるか遠くから見聴きしている。

 なんとか来て欲しかった商人たちがやっと来てくれた。


 地道に情報を冒険者経由でながしたり冒険者ギルドで冒険者として私の地位を高めて街が魔物の街に関する良噂をばらまいた効果が出た。

 実際荒野の迷宮までの道のりはあまりに遠い。

 今までちょくちょくと明らかに誰かに頼まれて探りに来たであろう者たちも十分調査させたかいがあった。


「確かに目の前で見えている門の周りにも、確かになぜか人語を解する魔物たちがいて、現実だとはわかるが我が目と耳を疑いたくなるよ。

 それと人の街の結界を外部の魔物たちが抜けてやってくるということもな……」


 大商人は護衛が2ケタに実力揃い。

 しかも冒険者じゃなくていわゆるお抱えかな。

 そばに控えるのは優秀そうなふたりの秘書。


 まあ荷物持ちもそこそこいるが道が道だけに仕方ない。

 さすがに街道整備は本当に近くまでちょっとやっただけなのだからね。

 まずは内部をやらないと。


 日にかなりの匹数アノニマルース新規魔物を受け入れている。

 私や部下たちのスカウトもさることながら魔物たちでもここの話はかなり広まっているそうだ。


 安住の地を求めたり刺激が欲しかったり噂を知りたくて来たりと様々だが広く場所をとっておいてよかったと今では思う。

 決死の思いで故郷の土地を離れる魔物が想定よりも随分と多い。

 それほどアノニマルースの評判が良いとも言える。


 おお大商人が動き出した。

 門内に入って案内係に説明を受けながら誘導され一行は中心街の方に。

 案内係はみな小さくて見た目の怖さ指数が低いものがやっているのでワンクッション役でもある。

 よしよし私も移動しよう。





 順調にことが運び荷物も宿におろして護衛されながら数時間街を散策している。

 ドラーグが着込んで変装し直接会わせたらやはりものすごく楽に合流出来ていた。

 確かに元々知り合いだがまったく怪しまれないのは激運以上の力を感じる……!


 いい感じに馴染んてきたようだが何か起こった様子。

 "以心伝心"で案内係から念話が。


『ローズさん、代表の者と面会をしたいとのことで』

『だ、代表か……まあ言われるだろうなとは思っていたけれど、わかった、じゃあ早速――』


 ということで話をしてもらい対談というものをすることに。

 ただし……






「いやあ、この度は実に実に。良い所だというのを見せてもらいました」

「こちらもお会い出来て光栄です」


 向こうは商人含んでずらり。

 こちらもずらりと代表格を集めて机を挟んで対面して座る。

 主に頭脳派とも言えるカムラさん、たぬ吉、ユウレン(面つけモード)、それに小型で収まる竜種やら頭脳担当と言える魔物たち同席。

 商人の左右は秘書でさらにその隣にドラーグがいるという変則的な状態。


 ドラーグは私達側でありつつも座るのは商人側という特別な立場で円滑に進んでくれるための存在だ。

 ちなみに私もおまけで魔物側として座っている。


 ひととおり挨拶を終えて商人が不思議そうな顔をする。


「そういえば、代表と言える方はどなたですかな?」

「実は我々は全てのトップと言える者はつくらずに役割ごとにリーダーがいるのです。一応私が金融部門になります」


 小柄な竜種で細身の人型シルエットながらリザードマンとはまた違う。

 竜としての分厚い竜鱗に覆われた顔がインパクト大な魔物だ。

 元々奥地でひっそりと世俗を断って暮らしていた種族らしく若い彼は世間を旅してココに流れ着いた。


 たぬ吉が銀行の後釜をまかしたりいつの間にか金融関係を掌握していたりとかなり有望。

 誰がどこに就くか別に私自体に決定権はなくて話を聞かされて知っている程度なのだ。

 とはいえたぬ吉とドラーグとカムラさんの信頼を得ての地位なので相当賢くうまい。


「それはそれは、わかりました」

「では早速本題へ入りましょう」


 そこからは圧倒的だった。

 本当にいつの間にやらというスピードで話がガンガン決まる。

 私は合間合間に口を挟んでいくだけで物事が決まっていく。


 私居なくても良いんじゃないかなと思うもののたまに話が飛んでくるから気を抜けない。


「――と、我々アノニマルース側としても商人の皆さまやニンゲンたちと共存していきたいと考え、少しずつ接近をはかっていました。ですよね、ローズさん」

「は、はい。なんとか接触や連絡を取れないかと試みていました。今日こうしてお会い出来て光栄です」


 なんとか後れないようにはしないと。

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