表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
403/2401

三百九十三生目 撃破

 ビシッと悪魔が言い放った。

 あ、この感じこっちに悪魔のオーラが効いてないの気づいていて無いな。


「今現在、少しだけ持ってこれた龍脈の力でこの肉体を支配(ハッキング)しているところ……貴女自身を抑えればもはや、邪魔するものもいない。

 それにしても、さっき何か起きたらひどい目にあったし、なんとかひどいめにあった原因のひとつにうつったけれど大半の力は置いてきちゃったし……そもそもなんでこうなっているのか全くわからない。

 とにかくここを抑えて安定化させないと……ああ!!」


 もはや私を抑えたと油断しきっている悪魔があれこれ話しているがなんとなくこの悪魔も被害者な気配がしてきている。

 まああの博士が悪魔の因子をうんぬん言ってたからなあ。

 おっと身体の方が……


 "鷹目"でなんとか見ている私の身体が黒に覆われながらムチャクチャな変化をしだした。

 エアハリーの針の翼やロゼハリーの茨。

 さらにはホリハリーの胸飾りとか手やら足やらが意味もなくあちこちに生えだしている。

 無秩序の極みで身体がめちゃくちゃ。


「え!? ナニコレ、ワタシのコントロールが効いてない!? こんな力が美しくない変化を……あれ、この身体の視界から見える気味の悪い肉は何かしら。ええ……どうしたら良いの」


 この悪魔……本当に意識を取り戻したのは最近なのか。

 さっき言ったとおりでほとんどの情報を知らなさそう。

 私の身体がめちゃくちゃキメラみたいになってきているのすらこの悪魔がやっているわけではなくほぼ暴走しているだけなのか。

 困るんだけど。


「どうすればいいか知っているか?」

「わたしのからだ、ひどいことしないでよね!」

「……え!? な、何、1つの身体に意思が複数……?」


 ドライとアインスがご立腹で悪魔に詰め寄る。

 そして悪魔は肉体のコントロールに忙しくてやっと気づいたらしい。


「さあて、どうしてくれようか」

「ええ!? 3つ……しかもワタシの"美しさ"が効いていない! だったら実力行使で! ……あれ!?」

「悪いが、後れをとったのは最初だけでな。この精神世界の支配権はこっちだ」


 悪魔は魔法か何かをしようとしたようだがドライが精神世界支配権を振りかざし攻撃を無効化していた。

 『私達』が3方向から悪魔に詰め寄る。


 現実世界で"鷹目"から見ている限り私の身体は暴れて弱体化した肉塊を突き破り縦横無尽に暴れている。

 周囲に誰もいないのと肉体が不安定で被害がそこまでではないのは安心だが……私の身体大丈夫かなアレ。

 戻るよね? この悪魔をどうにかすれば。

 

「ちょ、ちょっと、お話しましょう!?」

「お前が!」

「出ていけば!」

「なおるよー!!」


 取り囲んでボコボコにした。

 ボコボコにしたというのはほぼ文字通り。

 精神世界支配権で結果を『ボコボコにする』でやったため悪魔はまるでコメディの喧嘩シーンのように3匹の『私達』になすすべなくボコられた。


 そして最後に思いっきり蹴り出す。


「いやああああ!!」

「おとといきやがれ!」


 ドライが啖呵を切った。

 悪魔は再び黒の塊に……むしろエネルギーもほとんどなくなって悪魔の素の意識あたりしかない塊が出来て私から外れる。

 そのまま吹き飛ぶようにしてまた肉塊の方へと吸い込まれていった。


 肉塊自体が徐々にその形状を失い収縮していく。

 私の方も……


「……ふう」


 金縛りがとけると同時に体中のキメラみたいになっていたものが霧散していく。

 うっ!?

 思わず膝をついた。


 今のかなり体力持って行かれたらしい。

 生命力はともかく身体がひどく重くつらい。

 身体が治ったのは良いものの反動がきっつい……


 悪魔の方はどうなったのだろうか。

 ダカシの元に行ったはずだが良くてボコボコにされるのでは。

 そう思っていたら肉塊が黒く輝きだして急速に形を変えていく。


 何か悪魔の力なのか途中までそうだったあの黒いたてがみのない巨大ライオンの姿へと変わった。

 あ。でも今回は完成度が高くて骨格とか前脚とかがちゃんとしている。

 さらに私がグラハリーウルトラアーマー状態で戦った時の大きさまで縮んだ。


 そのまま力無くその場で横になった。

 私も立ち上がる気力が無くグラハリーの"進化"も解ける。

 つ、疲れた……


 その後ゴウとダンそれにシカウサギ戻ってきて事情を説明し回収してもらった。






 今回はかなり大変だった……

 私の身体の支配権が戻った時には周囲の肉塊と足場の氷がめちゃくちゃに破壊されていた。

 ゴウたちとは分かれていたから良かったものの誰かいたらと思うと……


 めちゃくちゃなキメラみたいなものだったがその能力は跳ね上がっていたらしい。

 割りとすぐにコントロール権を取り返したのにこうなるとは。

 ダカシの方ももしあの肉塊が外界に放たれていたらゴウが言うには国家存亡の危機だっただろう。


 こうして国家存亡の危機は一時的に去った。

 悪魔を宿したままのダカシがまだいるのと今回の黒幕魔王復活秘密結社のメレンが逃亡したままという点がまだ危険をはらんでいた。


 ただ。やっと連戦が終わったー!!

 それだけは喜んでいいよね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ