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三百八十三生目 怪獣

 ついに怪獣黒い獣との正面対決だ!

 改めて"観察"!


[解析再開]

[スキルにより解析がブロック]


 これは……何か相手が"観察"を防ぐ手立てを持っているのは間違いないな。

 (くう)魔法"ストレージ"で九尾博士製のみとおすメガネを取り出す。

 (くう)魔法"フィクゼイション"で空間ごとメガネをつかんで頭の上に乗っける。


 別にこれを通して見る必要はなく通常のスキルならばこれで看破可能なはずだ。


[スキル突破]

[解析再開……]

[完了]


 メガネをまた"ストレージ"の亜空間にしまってと。

 ようし表示される内容は……


["凍夜"のダカシLv45 異常化攻撃:凍結 比較:かなり強い]

[ダカシ 個体名・ダカシ

 人が異質な力を取り入れ唯一無二の魔獣へと変化してしまった。過剰な力が異常な負の想いを暴走させ暴れまわるだけの化物にしている]


「えぇ!?」


 さすがに声が出た。

 変だなぁとは思っていたもののそこまでとは!

 ダカシってあのダカシか!


 私の群れをレベル上げのために襲いその理由が復讐をなしとげるため。

 そしてどうやら魔王復活秘密結社にいるやつが家族殺しの相手らしいが……


 その顔はカムラさんそっくりの相手。

 似ているのもそのはずでカムラさん創作者のウロスさんが参考にしていた顔だったから。

 だがあの時はダカシが復讐相手だと勘違いして殺しにかかってきた。


 痛み分けながら追い返したもののその後は出会うことがなかったが……まさかこんなことになっているとは。

 一体何が原因でこんな黒い獣に?

 よく見るとところどころニンゲンの骨格が無理矢理獣の形にさせられているようで気味が悪い。


 不完全なたてがみのない黒ライオン。

 その目に宿る理性は無く私に向かって駆け込んできた!


「グオオオオオッ!!」

「ダカシ! キミは……」


 この国の言語で話しかける。

 ダカシなら伝わるはずだがまだ心に声が届かないらしい。

 振り下ろされる剛爪を軽く跳んで避ける!


 前脚はやはり傷が治っているか……

 こっちは3回りほど大きくなったとは言え怪獣サイズ相手ではまるで小さい。

 ただ補助魔法もひととおりかけて全力を出せる状態だ。


 このサイズ差なら逆にやりやすい!

 振り払われるように前脚が伸びてくるが"近接攻撃"で防御のシールドをはり防ぐ。

 弾いた後にその前脚へ飛びつく!


 "連重撃"をオンにして1つの攻撃に倍の攻撃回数を与える。

 私の前方に槍のような下向きに刃が有るトゲを生やす。

 そのまま縦に"回転切り"!


 重々しい音と共にダカシの前脚が大きく縦に裂け鮮血が吹き出す。

 地面につくころには血が凍てつかされ傷口の肉が盛り返してきている。

 自己再生のようなスキルだろう。


 相手は巨大だから1歩が私の身体何個か分動かれてしまう。

 まさに大きいは早い。

 だからそれを頭の中に入れて駆ける。


 凍った血は足場にちょうど良い。

 私は重いがエネルギーの使い方や足の運び方でどれだけ重さを与えるか変わることを最近わかってきた。

 もう片方の前脚の攻撃をかいくぐり血を足場にして跳ぶ。

 もう少し!


 (くう)魔法"ストレージ"で亜空間から剣ゼロエネミーを呼び出す。

 咥えて振り鞭状に伸ばして相手の肩へ突き刺した!

 とは言ってもサイズ差から考えるとまるで蚊が刺すようなものだからダメージは期待できない。


 ダカシが狙いに気づいて私を振り落とそうとするもののすぐに通常の剣型に変化させる。

 こんな重々しい身体でも持ち上がり肩まで一直線。

 そのまま肩の上へ乗り剣を(くう)魔法"フィクゼイション"で空間ごと固定し念力のように動かす。


「グオオオオオッ!!」


 吹雪が強まるが足元をスパイクのように小さなトゲをはやしているから吹き飛ばない。

 剣は"無敵"を加算して能力を発動させる。

 敵愾心(てきがいしん)を削るオーラ……少しずつ効いてくれると良いが。


 背中というのは思っているよりまっすぐじゃない。

 私の纏う鎧を攻撃モードへと変化させる。

 全身から槍のようなトゲを生やす!


 隆起している筋肉たちに目掛け"近接攻撃"の(エフェクト)をまといながら突っ込んでいく!

 刺して斬り裂いて転がって。

 ダカシが叫びながら跳ね回るがきっちり背中に私自身を刺しているから落ちるわけがない。


「さあ! そのサイズ不利なんじゃない! それに話も、したほうが良いでしょ! いい加減聞いて!!」


 叫びつつ背中をめった切り!

 背中がどんどん赤く染まっていく。

 自己再生が追いつかないほどのダメージはなかなか見るも無残。


 剣でも魔法で念力のように操り斬りつけ敵愾心(てきがいしん)を削っていく。

 狂気に満ちた心に隙間風を通すために。


 ついに横に倒れ込みそのまま背中側へ転がる。

 思いっきりトゲを長く伸ばしてやる。

 背中側と地面が接した時にそのせいでさらに深く刺さった。


「ガウッ!?」


 全身から湯気のようなものが出始める。

 いやこれはエネルギーが変化しているのか。

 ダカシが縮んでゆき自然に私のトゲが外れた。

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